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マルガリータがとぼとぼと歩いていると、どこからか声が聞こえてきます。

「お〜い・・・誰か・・・助けてくれ〜」

ふと見ると、そこには小さな緑色のカエルが一匹ぐったりと倒れていました。

「やあ、僕はマルガリータ・ド・トロフス。ぼくに何か出来ることはある?」

「ひい助かった!・・・頼む、水がある所まで運んで行ってくれないか?

水が無くて干からびそうなんだ」

これは大変だと思ったマルガリータは、急いで橋の上へカエルを連れて行きました。

しかし、あんまり急いで走っていたので、通りがかった人とゴツンとぶつかってしまいました。

その拍子にカエルはピョーンと飛ばされて、橋の下を流れる川へポチャリ。

カエルは気持ち良さそうに泳いでいきました。

それを見てマルガリータはひと安心しました。


ところが

「あなたいったいどこを見て歩いていたの!!急に飛び出したら危ないじゃないの!」

マルガリータが橋の上でうっかりぶつかった婦人は、顔を真っ赤にして怒りました。

「ケガでもしたら一体どう責任をとって下さるの!?

それに何なのかしらあなた、ゴミだらけで汚らしい!」

マルガリータはすぐに謝りました。

「ごめんなさい。カエルくんがとっても大変だったので・・・」

「カエル?冗談じゃないわ!どうしてあたしがそんなものの為に

痛い思いをしなければならないの!?ああ不愉快だわ!」

そう言うと、婦人は顔を真っ赤にさせて行ってしまいました。

マルガリータはいよいよ悲しくなりました。

マルガリータがベンチに腰掛けてすっかり落ち込んでいると、さっきのカエルがやってきました。

「やあマルガリータ!さっきは本当にありがとう!おかげで命が助かったよ!

・・・おやおや、どうしたんだい?元気がないじゃないか!」

「僕はみんなの笑顔が大好きだったのに。

もう僕はシャングリランドに来る人を笑顔にさせる自信がないよ」

そう言うと、マルガリータは涙を一粒こぼしました。

「そんなことないぞ!マルガリータ!キミは優しい心を持った素晴らしい人さ!

世の中には自分勝手な人ばかりじゃない、キミのように優しい人も沢山いるはずさ!」

「そうかなあ」

「きっとそうさ!世界は広いんだぜ!」

そう言われると、なんだか元気が出てきました。

カエルは元気に言いました。

「俺はそう信じて、世界中を旅してるのさ!じゃあな!」

カエルはぴょ〜んとジャンプして去って行きました。

その時です、真っ赤な車がもの凄いスピードでやってきました。

「あぶない!!!」

マルガリータがそう言い終わらないうちに、真っ赤な車がぶおおおおんっ!

大きな音をあげて通り過ぎて行きました。


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