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「やあ、僕はマルガリータ・ド・トロフス。みんな笑顔で楽しく歌おう」

マルガリータがそう言ってみても、黒服の人達は誰ひとり相手にしてくれません。

時々大きく目を開けて、不思議そうにマルガリータをチラリと見るだけで

みんな自分に関係ないといった感じでした。

マルガリータは少し悲しくなりました。

マルガリータが歩いていると、前から盲導犬を連れて歩いてくる人がいました。

「やあ、僕はマルガリータ・ド・トロフス。笑顔がとっても好きなんだ」

盲導犬を連れた人は、にっこりと笑いました。

「やあ、キミはもしかして、シャングリランドのマルガリータ?

嬉しいな。僕がまだ目が見えた頃、シャングリランドに遊びに行ったことがあるよ」

マルガリータもにっこりと笑いました。


でもそばに座っている盲導犬は、目をパチパチさせるだけで

やっぱり浮かない顔をしていました。

「犬くん元気がなさそうだけど、どうかしたのな?」

「え?いやあ、こいつも楽しいって言っているよ。

飛んだり跳ねたりしないから少しわかりにくいかな?」

「なるほどー」マルガリータはそんなこともあるんだなあ、とうなずきました。

マルガリータが歩いていると、前から若い女の人達がやってきました。

「やあ、僕はマルガリータ・ド・トロフス。ご機嫌いかが?」

「あれ!?マルガリータだ!?」「わー!!かわいい!シャングリランドのマルガリータね!」

若い女の人達はマルガリータを見るなりみんな笑顔になりました。

その様子を見てマルガリータも笑顔です。

若い女の人達はマルガリータの周りで、わいわい騒いだり記念撮影を始めました。


小さな女の子が、お母さんの手を離れてこちらへやってきました。

「シャングリランドのマルガリータ!」

そう叫んでみますが、若い女の人達のお尻にぶつかって倒れてしまいました。

倒れた女の子は、しくしく泣きながらお母さんのもとに帰って行きました。

マルガリータはその様子を見て悲しくなりました。


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