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ある晩、マルガリータはシャングリランドを抜け出して街へ行ってみる事にしました。

鞄には大好物のチョコレートドーナッツを一つ入れ、山道を下って歩いていきました。

すると大きな道路に着きました。

パーキングエリアには、夜だというのに多くの人が休憩していました。

でもみんな眠そうな、疲れたような顔ばかりです。

「やあ、僕はマルガリータ・ド・トロフス。浮かない顔でどうしたの?

楽しい事を考えてニコニコ笑おう、きっと楽しい気分になるよ」

疲れた顔のトラックドライバーは答えます。

「ここ最近はずっと不景気でねえ、笑える事なんざ一つもないんだよ。

それにへらへら笑っている余裕があれば、そのぶんベッドでぐっすり寝たいねえ」

そう言うとトラックドライバーは、大きなトラックに乗り込んで、

大きなハンドル握りしめ、大きな音で走り去って行きました。

マルガリータは街へ着きました。

夜も深い時間、街には人通りがなくとっても静かなものでした。

そこへ向こうから、お酒に酔ったおじさんが、あっちへふらふらこっちへふらふら、

顔を真っ赤にさせて歩いてきました。

「やあ、僕はマルガリータ・ド・トロフス。笑顔がとっても好きなんだ」

おじさんは真っ赤な顔をくいっとひねり、こう言いました。

「ま、まるがり?・・・ヒック。なんだ?毛むくじゃらじゃねえか。・・・ヒック。

なにをわけのわかんないこと・・・ヒック。言ってるんですかあ?・・・ヒック」

それだけ言うとおじさんは、あっちへふらふらこっちへふらふら歩いて行きました。


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