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069

 

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眠れずに真夜中起き出しリビングで泣き出した僕はパジャマのままソファに座り虚空をぼんやり見つめた。涙が次から次へと溢れてくる。止める理由などどこにも見つからないまま時間が過ぎていく。すると横から冷えた麦茶の入ったコップが差しだされる。君だ。それは言葉以上の温もりで。#twnovel

 

 


070

 

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罠だと知りながら嵌りそうになるのは人の性というものなのだろうか。僕はそれに抗いたくて君から遠のいていった。それでもあの日のときめきは嘘では決してなかったのだけれど。あの日、夜の海辺で君にさよならを告げた僕は、間違いなく君ではない君より大切なものを選んだのさ。 #twnovel

 

 


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夜の歩道橋で迎えた別れ際、僕は君と離れるのが寂しくて寂しくて急に怖くなった。笑顔で手を振っていたがその手は震えていて。君と過ごす時間が蜂蜜のように甘すぎたせいで僕はその味が忘れられなくなっていた。君の背中が遠ざかった時不意に君が振り向いてもう一度手を振る姿が眩い。#twnovel

 

 


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空腹を感じた真夜中。日が落ち切って陽の光も当たらないはずのこの場所でもやはり暑さを感じていた。でも君はそんな中でも隣で楽しそうにしていて。だから何もかもどうでもよくて。君が笑っていれば僕は何もいらないのだから。何の変哲もないハンバーガーもおいしく感じたんだ。#twnovel

 

 


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暗闇の中をふわふわと浮かぶような気分でひとりぼっちの人形が彷徨っている。彼は世界からとうの昔に忘れ去られており感情さえも忘れ去ってしまっているようだ。見るものをも悲しい気分にさせてしまうからと世界から距離を置いたらしい。その優しさがあのか細い体に今も刻まれている #twnovel

 

 

 



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