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066

 

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夏の名残りがまだ君の肌を焼いたまま日焼けの跡をつくるから、僕は夏の太陽に嫉妬する。冬の始まりからは、僕が君のそのひんやりとした白い手を掴んで離さないから。君に温もりという跡をつけるのは今度は僕の番さ。冬は太陽に君を渡したりしないから。太陽に嫉妬する僕を君は笑った。#twnovel

 

 


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昼休みに公園ですれ違った子供達に急にノスタルジーを覚えた。特に子供時代が好きだった訳でもない。ただこうして遊んだ時代も僕にあったのかと思うと悪くないなと思う。こう思えるようになったのも君に出会って心の余裕ができたからだろう。最近かけ始めた眼鏡越しに彼らを見つめた。#twnovel

 

 


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君の笑顔を予想したからサンセットの海辺であえて君の方向を見つめないでいた。チョコレートが大好きな君はいつもあどけなくていつも微笑んでくれる。君の方を見なくても分かるよ。その優しさが僕を包んでくれているという事。確認なんていらないんだ。その温かな眼差しさえあれば。#twnovel

 

 

 


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眠れずに真夜中起き出しリビングで泣き出した僕はパジャマのままソファに座り虚空をぼんやり見つめた。涙が次から次へと溢れてくる。止める理由などどこにも見つからないまま時間が過ぎていく。すると横から冷えた麦茶の入ったコップが差しだされる。君だ。それは言葉以上の温もりで。#twnovel

 

 


070

 

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罠だと知りながら嵌りそうになるのは人の性というものなのだろうか。僕はそれに抗いたくて君から遠のいていった。それでもあの日のときめきは嘘では決してなかったのだけれど。あの日、夜の海辺で君にさよならを告げた僕は、間違いなく君ではない君より大切なものを選んだのさ。 #twnovel

 

 



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