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いつもの水族館で休日に待ち合わせをする。ここで寄り添っているだけで僕らは幸せを感じていた。ゆらりと輝く水面がやけに眩しい。ここで二人で過ごす時間はどんな花束よりも美しく思う。楽しい時間はあっという間に経つ。なごりを惜しみながらバイバイと手を振る君の背中を見送った。#twnovel

 

 


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雷が落ちたのだろうか。深夜に起きて電気をつけようとしても明かりがつく事はなかった。とりあえずソファに座って暗闇を一人抱きしめていると持ちだした携帯の液晶が明々と光る。君からの着信だった。明かりを失うと人は寂しくなるもの。だけど君の声を聞くと大丈夫だよと僕は強がる。#twnovel

 

 


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まだ寝ぼせていたせいで朝ご飯を作るためのキッチンでもの思いに耽っていると急に君がわっと僕を驚かせた。すっかり驚かされてしまった僕だったがそこに不思議と怒りはない。君の笑顔を見たとたんそんなものはどこか遠くに吹き飛んでしまって。そんな魔法を君は持っているんだろうね。#twnovel

 

 


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読みたい本があるの。そう言われるがままに僕は今日暮れの図書館にいる。図書館だなんて何年振りだろうか。もう随分と縁遠い場所になってしまった。こんな事がないと来る事もなかっただろう。あった、と心で呟き手に取る。本を開けた瞬間に自分が眼鏡必須になった理由を思い出した。#twnovel

 

 


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夏の名残りがまだ君の肌を焼いたまま日焼けの跡をつくるから、僕は夏の太陽に嫉妬する。冬の始まりからは、僕が君のそのひんやりとした白い手を掴んで離さないから。君に温もりという跡をつけるのは今度は僕の番さ。冬は太陽に君を渡したりしないから。太陽に嫉妬する僕を君は笑った。#twnovel

 

 



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