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何かから逃げるかのように僕は料理に熱中していた。君から届いた手紙の内容を忘れるために。何が書いてあったかは僕だけが知っているだけで充分だろう。意味があろうがなかろうがそんな事はかまわない。こうでもしなけりゃやってられない。涙さえ流れない時は何かに没頭していたい。#twnovel

 

 


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出張先のホテルで一人朝を迎えた。眠る時には外していた眼鏡をして携帯を見る。君からのおはようメール。もう孤独を貪っていた頃の僕はここにはいない。小さなことでも人間は幸せを感じられると君に出会って初めて知ったよ。ここにいるのは確かに僕一人だけれど、一人じゃなかった。#twnovel

 

 


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雨の屋上で黙って傘を差しだされるだけで優しさが伝わってくるようだった。君の赤い傘が僕の記憶に鮮明に残る。愛の形は別に一つじゃなくてもいい。僕がそう感じればそれは間違いなく心の中で宝物になるだろう。一人泣きに来た屋上で僕の心の中に光差した。僕は涙を隠し顔をそむけた。#twnovel

 

 


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映画を見ながら涙する君を僕は隣から気づかれないように見ていた。そんなに泣きじゃくらなくてもいいのに。でもそんな所がとてつもなく愛おしい。ハンカチだけではこらえきれずに長袖の袖を使って感動をこらえる君は現代にとって貴重な存在だろう。そして、僕にとってもオンリーワン。#twnovel

 

 

 


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立ち上る湯気の中で一人考えた。君とこうして温泉旅行に来ている事の不思議を。恋をしすぎているせいでそれだけで涙流してしまいそうだ。この湯気の中じゃ誰も僕が泣いている事なんて気づかないだろうからいっそ泣いてしまおうか。他の色々の感情も込めて。いっそ泣いてしまおうか。#twnovel

 

 



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