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033

 

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枝さえも凍ってしまうような寒さだ。手袋をしていても素肌に直接刺さるように冷えがすり抜けてくる。見えない虚栄もこの寒さに凍れば、見えるようになるものだろうか。水蒸気さえも凍りつく、人の見えそうで見えない良い部分も悪い部分も凍りつき俯いてしまうような、寒い夜だった。#twnovel

 

 


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朝起きてカーテンを開けると溺れてしまいそうな光が部屋に差し込んでくる。片目を瞑り手で光を遮る。夜になるとこの溢れんばかりの光もなくなりただ黒が広がるばかり。それだっていうのにどんなに黒が広がっても朝になると変わらず光は溢れてくれる。なんてないことが不思議だと思う。#twnovel

 

 


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普段さりげなく施すネイルもとっておきの日には趣きが違ってくる。見た目は同じ。少しいつもより煌びやかなだけ。違うのは施す時の言霊を託す時のような集中。一はけ塗るごとに思いを重ねるようにじっくりと。それは誓いにも似た思いだ。たかがオシャレ。でもされどオシャレなのだ。#twnovel

 

 


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小腹が空いたので湯を沸かしカップ麺に入れてじっと睨む。いや、睨んでいるわけではないのだが、つい待っている間見つめてしまうのだ、いつも。この3分間をたかがカップ麺に束縛されているようで悔しい気もするが、砂時計を隣に置いて全て落ちるのを待つこの時間が実は嫌いじゃない。#twnovel

 

 


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外から帰ってきた途端、ファンヒーターの前に一直線。寒い寒いと震えながら今度はこたつにもぐり込みミカンを頬張る。なんてことはない冬の日常。だけどその何気ない一瞬一瞬がとてつもなく大切なものに感じた。これは当たり前なんかじゃない。当たり前なんかじゃないんだ。#twnovel

 

 



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