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030

 

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体ごと飲み込まれてしまいそうなほど高い空。その水色に自分が溶けていく感覚を覚えた。今度は僕から空を抱きしめてみる。考えていたよりもちゃんと空を抱きしめる事ができているような気がしたのは気のせいなんかじゃない。僕らは僕らが考えているよりもずっと大きい存在なんだろう。#twnovel

 

 


031

 

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潤んだ瞳が今も心に焼きついている。君は決して泣く事はなかった。ただ何かをこらえている事は確かだった。拭えぬ悲しみをこらえている事は確かだった。呻き声一つ上げないその姿は慟哭している姿よりも悲しみに満ちていた。そして何かを決心したように上げた顔には涙一つなかった。#twnovel

 

 


032

 

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急激な温度の変化と迫りくる寒気の流れ。最近の恒例にさえなってきていて、いつも僕は振り回されっぱなし。だけど寒空の下不意に雲間から差す暖かな日差しに冬を憎む気も全く失せてしまう。気候も人間関係もちょっと憎めない所はどこか似ているような気がしていた。走ろう、今日も。#twnovel

 

 


033

 

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枝さえも凍ってしまうような寒さだ。手袋をしていても素肌に直接刺さるように冷えがすり抜けてくる。見えない虚栄もこの寒さに凍れば、見えるようになるものだろうか。水蒸気さえも凍りつく、人の見えそうで見えない良い部分も悪い部分も凍りつき俯いてしまうような、寒い夜だった。#twnovel

 

 


034

 

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朝起きてカーテンを開けると溺れてしまいそうな光が部屋に差し込んでくる。片目を瞑り手で光を遮る。夜になるとこの溢れんばかりの光もなくなりただ黒が広がるばかり。それだっていうのにどんなに黒が広がっても朝になると変わらず光は溢れてくれる。なんてないことが不思議だと思う。#twnovel

 

 



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