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026

 

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生命が傷ついたり涙を流したりするほどに宝を蓄えているという事を君は信じられるのだろうか。そんな問いさえもなく信じ切るあの心は眩しすぎて。どんな暗闇に閉ざされた日々でも頭の片隅にその光が常にあった。その時人は気づける。”忘れないこと”。それだけが力になる事もあると。#twnovel

 

 

 


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おっと。思わず手を滑らせて大切なイヤリングを落とすところだった。一つの事をしながら他の事を考える癖がある。私の悪い癖だ。でも窓の外の景色は気のせいじゃなかった。雪がピンク色に。見えただけかもしれない。夕日に照らされた雪の幻想かもしれない。それでも。心に春が来た。#twnovel

 

 

 


028

 

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闇が光を嘲るのなら光もまた闇を嘲る。その程度のものかと。人情の熾烈な戦いは言葉にする事も出来ない。しかしこれだけは言える。最後は光が勝つ。その結論を嘲る声も今だって聞こえる。でもそれがなんだというのだろう。無力な者の声は何の意味もない。行く手を阻む事などできない。#twnovel

 

 

 


029

 

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聞きたくないよと耳をふさぎたくなる夜。夜と朝の境に見える紫。今日もこの景色を迎えてしまったかと少し落ち込んだ。でも確かにこの心に届く文字もある。傷つけることなど知らない光そのもののようなそれは僅かだけれど。その僅かが全て。傷つくたびに戻ってくる。僕だけの戻る場所。#twnovel

 

 


030

 

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体ごと飲み込まれてしまいそうなほど高い空。その水色に自分が溶けていく感覚を覚えた。今度は僕から空を抱きしめてみる。考えていたよりもちゃんと空を抱きしめる事ができているような気がしたのは気のせいなんかじゃない。僕らは僕らが考えているよりもずっと大きい存在なんだろう。#twnovel

 

 



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