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023

 

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虹色の景色が遠のく。所詮過去の記憶だ。増えも減りもしない。明日という香辛料に僅かな望みを託して今日も眠りにつき今日も目覚める。だがそれをただの繰り返しだとは思わない。思えない。火照るという感覚を忘れて久しい現在を迎えてもいつかそれを越える感覚に出会える事を信じて。#twnovel

 

 


024

 

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桜の花か。心の中でそう呟く。はっきり言って季節にあまりに無頓着になりすぎた僕は、今どんな季節なのかさえ気がつく事はなかった。でもこの桜の囁きが春に気づかせてくれた。積み重なった緊迫が心の中で打ち崩れていく。気が抜けたみたいだ。誰か必要としてくれる日がくる気がした。#twnovel

 

 

 


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ピアスを外して何年になる?あの時買い溜めたピアスもただ散らばるばかりで。使わないままそれきりだ。あれから何が変わったわけでもないのに,まるで全てが変わったように天気のいい日は歩きたくなる。走って息をあげるなんて何年も忘れていた感覚。たくさんの事を思い出しこらえた。#twnovel

 

 

 


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生命が傷ついたり涙を流したりするほどに宝を蓄えているという事を君は信じられるのだろうか。そんな問いさえもなく信じ切るあの心は眩しすぎて。どんな暗闇に閉ざされた日々でも頭の片隅にその光が常にあった。その時人は気づける。”忘れないこと”。それだけが力になる事もあると。#twnovel

 

 

 


027

 

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おっと。思わず手を滑らせて大切なイヤリングを落とすところだった。一つの事をしながら他の事を考える癖がある。私の悪い癖だ。でも窓の外の景色は気のせいじゃなかった。雪がピンク色に。見えただけかもしれない。夕日に照らされた雪の幻想かもしれない。それでも。心に春が来た。#twnovel

 

 

 



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