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009


009

何にもなくなったのに野の花は黄色の花を咲かせている。なんだよお前だけ。そう憎まれ口叩く気力も少し出てきた。ああ、知っている。俺もお前みたいに負けずに花を咲かせる事ができるんだろ?それを教えたくてわざとそうやってる。名もなき花がいつの間にか一番の友達になっていた。#twnovel



010


010

励ますほど励まされ、いつのまにか貴方の腕の中に抱えているものより僕の腕の中で抱える物の方が多くなっている。ありったけをあげようとすれば、ありったけが返ってくる。そんな感覚がもっと当たり前のものになればいいね。そう言って笑顔見せる君の言葉が妙に心に響いて離れない。#twnovel



011


011

避難所の屋根はいつもこうだ。目覚めと共に目に入るそれにいい加減うんざりしている。そして一度目覚めるとそれきり寝付けない。慢性的な疲れが当たり前になっていた。日中の炊き出し。ご飯が暖かいだけでありがたくて涙が出る。自問自答が続く中、味噌汁の暖かさだけは本物だった。#twnovel



012


012

鬼のような形相を向けられても何も響かない。恐怖も感じない。そこにあるのは弱さを隠すための虚栄しかないのだから。吹けば飛ぶ。隷属させようと思うのは勝手だが君が願うように僕は君の事を見ない。冷ややかな態度で冷たい目で見るだろう。そしてその冷たさはもう一人の君も持つ。#twnovel




013


013

いま流行ってるんだってね。薄暗い中で今までの自分を見つめ直すこと。そしたらさ、なんでかな。小さい頃の夏を思い出したんだ。扇風機だけが頼りのあの夏。今よりスイカが特別だった。そして今より甘かった。皮が分厚くて冷えてなんかいなかったのに。なんでだろ。無性に恋しいな。#twnovel




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