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2011年のゴールデンウィークは、今までにない特別な黄金の週間になる。不安、恐怖、不信、迷い。疲れのたまった体と心を一旦きれいにクリアしてみよう、今後の課題をクリアするためにも。ありがとう、ごめんなさい、愛しています、許して下さい、生まれ育つ子どもたち。
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体育館を訪問したら、床にびっしりと人が眠っていた。老人もいる。子どももいる。あの日起きた原発事故が原因で、避難者となった人達だ。あの日起きた原発事故の結末を僕達はまだ知らない。けれど、ゴールデンウィークでも、ホームを失い、あてのない旅を続けている人達がいる。
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体を左に曲げてみる。停止した浜岡原発が見えた。体を右に曲げてみる。メルトダウンした福島第一原発が見えた。体を上下左右色々な方向に曲げてみる。日本及び世界各国で稼働中のたくさんの原発が見えた。北の彼方に目を凝らしてみる。いまだ事故処理作業中のチェルノブイリが見えた。
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僕が街を歩くと、おじいさんとおばあさんを見かける。僕が道端で転ぶと、子どもたちの顔が見える。僕が家に帰って横になると、隣で眠る君の顔が見える。僕達はあの日起きた原発事故の後も、この街の日常を生きている。隣で眠る君の顔を見ると、僕は安堵する。

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日曜日、大雨が降った。僕のジーパンとシャツも雨に濡れたが、僕の心は湿っていない。僕はいつでも、あなたの手に支えられているし、僕はあなたを支えてもいる。たくさんの人が傘をさして、雨をよけている。傘は雨に打ち克っている。僕達は互いの傘になることで、雨に打ち克っている。

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