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なぜあなたは悩むのか?


 人の心は、意識された世界だけではありません。意識できていない世界があるのです。

 この世界を「無意識」と呼んでいます。

 あなたの悩みは、この無意識の世界からきていることが多いのです。

 

 あなたがうつ病として苦しんでいても、その他の心の病で苦しみ悩んでいても、そうした症状の原因を作っているのは、他でもない、あなた自身の心なのです。


 そうして、その原因となっている心の世界は、心の無意識の領域である脳の働きなのです。


 実際に脳科学において、人の脳機能がはっきりと分かってきた現代において、もうすでに無意識の世界は実態のない心の世界ではなくなっています。

 

 自分の無意識を見つめることで、 

 あなたは自分の心と、いま苦しんでいる本当の理由が理解できるようになります。


 どんなに説明されても、今自分を苦しめている感情や身体症状がトラウマからきていると納得できない場合もあります。

 たとえば、

 「過去のトラウマとリンクできないで、今自分を不安がらせ苦しめている原因にどうしても気持が向いてしまう。でも一方では、リンク先を探そうとすれば、なぜか涙が出てしまう・・・」こうした場合は、トラウマとなっているエピソードの記憶がない場合なのです。当時の感情の記憶だけが残っている場合といえます。

 

 人には出来事(エピソード)の記憶と感情(エモーション)の記憶があり、全く別の脳の部位で処理され記憶の整理と消去がなされています。

 

 特に、生まれてから3才前後までのエピソードは、海馬という脳の部位が未発達の為に記憶に残ることはまれなのです。一方で感情の記憶は、扁桃体という脳部位を中心に処理されますが、その部位は胎児として母親のおなかの中にいる時から完成しているので、しっかりと記録され意識に上らなくても残っているのです。


 あなたが自分自身のトラウマとのリンクができず、解決策が見つからずに悩んでいても、あなたのトラウマを明確にする方法はあります。


  悩みの原因が分かリ、対処の方法があることが分かれば、[なぜこんなに悩むのか?」「この症状は治らないのではないか?」[多くの人と同じように自分も治らないのではないか」などという、あなたの不安は解消されます。

 

  人生で起こる全ての心の問題は、何かの原因で心の機能が歪んでしまっていても、修正できます!!


もう悩まないで下さい!! 決して諦めないで下さい!!


あなたには、何物にも代え難い“心の力”があるのです!!

 



悩みからの解放

 
 何か心に引っかかることがあって、子供時代のことを親に聞いた時、「そんな昔のことは、忘れてしまった方が良いよ。気にしたってしょうが無い…」なんてことを言われることもあるでしょう。
 気まずい過去に触れられたくない何かがあったのでしょう…。

 過去は忘れてしまえば、全てが解決するものでしょうか?!

 覚えていない過去の経験は、本当に人生に影響しないものでしょうか?!

 そのことについて少し考えてみましょう・・・。

 人は誰もが、身の周りで起こる様々なことを、同じように受け止め反応していると思いがちです。
 しかし、現実はそうではありません。

 人はそれぞれ受け止め方やその反応に違いがあるのです。
 そうした認知の相違を自覚しなければなりません。
 いわゆる悩みや苦痛は自分自身の個性的な認知によって作られます・・・。
 人が悩まないことも、あなたは悩んでしまうこともあります。

 そうした違いは、あなたの生まれ持った気質とこれまでの人生の歴史の中で作られたトラウマなどによって決定づけられます。
 遺伝要因と環境要因です。

 自分を知ることが、悩みから解放し自分自身を活かすことです!!

 自分を知って、悩まない人生を送って欲しいと思っています。

 自分を知ることは、これまで意識することが無かった心の部分にメスを入れる必要があります。
  
 人は悩んでいないのに、なぜ自分だけこんなに悩むのだろう?!
 なぜ自分だけがこんなに苦しまなければならなのだろう?!
 人は気楽に生きている、しかし自分は生き辛く苦しい!!

 こうした今の自分を変える為には、自分の気質や性格の特徴を知ることです。
 そうすることで、心が解放されます。

 ひとりで悩んではいけません。
 私が多くの人の相談を受けて感じることは、これまでの考え方の枠から心を解放してあげれば、みんな楽になっていかれるということです。心の病も治ります。
 
 子供時代の親との関係においても、その他のトラウマ(心の傷)にしても、認識も薄く、それらが今も人生にどのように影響を及ぼしているものなのかを十分に把握できていないことがほとんどなのです。

 もちろん、人は過去と現在の全ての心の状態を意識して生きている訳ではありませんし、忘れていたり心の奥に抑圧して過ごしています。

 特に、記憶にない遠い昔の出来事(トラウマ)が、現在あなたの悩みに多く関わっていたとしても、そんなこと知る由もないでしょう。

 トラウマに関する正しい認識が必要です。それが、これまでのあなたの人生の様々な決断や流れを説明することができるのです。


 この本を読み進められながら、心に関する知識を得ること
は心を開放することに繋がるのだということに気付いて欲しいと思っています。
 もしあなたが、今悩んでいるなら、自分自身をこれまでとは違った視点で眺めて欲しいと願っています。


 
自分自身を悩みから解放し、あなたに与えられた人生に多くの価値を与え、生きることを満喫するために!! それは必要なことなのです。


心の病の発症原因


 心の病の発症や深刻な悩みがなぜ起こるかの原因を見つめてみましょう。

 よく勘違いされていますが、大人になってからの環境要因によるストレスだけで、心の病が発症することや悩みが持続し深刻化する事はまずありません。

  

 悩み出した時の環境ストレスは心の病を発症するきっかけ(誘発刺激)にはなりますが、原因そのものではないのです。でも、誘発刺激をすぐに取り除いてやると当然楽になり治ることもあります。


 しかし困った事に、私たちは生活の中でストレスになっている環境を、そう簡単に変えることができないのが現実でしょう。


 自分に合わない環境や状況を変えられないので、ストレスが解消できずに苦しむのです。


 一般的に心療内科などに通い始めるようになった原因として、「職場のストレスで・・・」とか「学校環境になじめずに・・・」とか聞きますが、そうした環境ストレスが心の病を作りだす本当の原因ではありません。

 何度も書きますが、特に成人後の人間関係を含めた環境ストレスは心の病を誘発させる刺激にはなっても、それ自体が心の病を作りだすことは考えられません。


 PTSD(心的外傷後のストレス障害)と呼ばれている症状は、何歳であっても強いストレスを受けることでその後の身体精神状態に問題が生じます。

 こうした一時的に起こった、または遭遇した事故や火事や地震災害などの恐怖体験をシングル・トラウマと呼んでいます。

 

 シングルトラウマはPTSDを作りだすことはありますが、一般的な心の病を作ることはありません。もし生じたとすれば、それは何らかのストレスで心の病が誘発される可能性(脆弱性)をすでに持っていたからです。

 どんな恐怖体験を受けてもPTSDになる人ならない人がいるという現実を考えて下さい。心が強い弱いという脆弱性の問題ばかりではなく、すでにその人の心の中につくられているものがあるからです。


 子ども時代のトラウマで、PTSDになることはあっても、夫婦関係の不満だけでPTSDになることはありません。


 心の病を作りだす原因は、コンプレックス(複合的)・トラウマと呼ばれ、幼児期からの日常的なストレス環境の中で作りだされるトラウマです。


 もちろん子供時代には、今自分が置かれている環境状態をストレスとして認識していません。どんなに親子関係に不満があっても、両親がいがみ合っていて心を痛めていたとしても、成長後に自分がトラウマを受けていたという認識がなく、「あなたの症状を作りだしているのは、子供時代の親子関係が原因ですよ」と説明されてもすぐに納得いかない人も多いのです。


 子供時代は、脳が成長している最中であり、いろんなことを学習し記録されている過程なので、柔軟な脳の状態によって心の傷も深くなるのです。


 脳が成長してる時期は、脳内では多くの神経細胞が成長し他の神経細胞と連結がおこなわれて神経回路網(ニューラル・ネットワーク)が形成されていきます。そうした時期であるがゆえに、幼少期の心の傷(トラウマ)は、大きなダメージとなるのです。


 そのダメージは、意識されない心の深層に内在化され、その後の人生に大きくそして深刻に関わってくるのです。

 

 遺伝的視点から見ると、ストレス耐性や脆弱性などを受け継いだ気質や体質によっても違いがでてきます。初めから環境の受け止め方や適応能力に違いがあるのです。

 それゆえに、一般的には悩まないでよい事も悩んでしまうという事にもなります。

 また、親から受け継いだ遺伝的な性格傾向が、幼児期の環境で経験させられる不安定な感情で過ごすことによって情緒の発達に問題を残す場合もあるでしょう。


 こうした無意識領域に抑圧された心的ストレス(無意識脳内に形成された神経回路網)が、その後の環境刺激によって、本来遺伝的に持っていた病的(気質的)要因を発現させるのです。したがって、過去のトラウマと現在のストレス要因との因果関係を明確にし、トラウマの処理と現在のストレスの緩和をおこなうことで症状を治す必要があります。


 何らかの心の病を発症した場合、その背景には幼児期のトラウマが必ず存在しています。(精神病に至っている場合は例外です。心の病は精神病ではありません。)

 したがって、そのトラウマの正体をしっかりと認識し対処する必要があるのです。


 遺伝的要因が絡んでいても、人は変われます!!

 どのような心の状態も改善できます!!


 しかし、手遅れにならないように少しでも早めに対処する必要があります。こじらせ過ぎてしまえば、本人が治す意欲を失っていきます。


トラウマを過去に出来ないか・・・


 子供時代のトラウマを単なる過去の記憶に出来ないものでしょうか?!

 子供時代、いわゆる成長期のトラウマは私たちの人生に大きく関わってくるものです。
 良い影響であれば歓迎ですが、深刻な心の悩みや病を作りだす影響を与えるようなことがあれば避けたいものです。
 
 人生において、完璧な生き方などできません。
 多くの過ちを繰り返しながら、そこから何かを学びながら生きていくものです。

 人生がなぜ多彩であるかの要因の一つに、生まれ持った気質や才能があります。
 自分がそうであるように、親もその親から遺伝的に受け継いだものがあります。
 親は自分の能力の範囲内で子育てをするしかないのです・・・。

 親子であっても、遺伝的に違いがあるので、求める内容や度合いが違っています。
 そうした違いからくる求めても得れない様々な不満が、怒りや苦痛や落胆を作りだすのです。さらに、乳幼児において、親がどのようにスキンシップやその他の関わりを持った頻度によっても、人生に大きな影響を与えるのです。

 親も完璧ではないと分かっていても、幼児期からの不満や怒りは、心の奥に内在化され、理由は分からないけど、成長後に親への反発や怒りやそして、恨みが生じてきます。

 子供の時、親子の性格が違えば求めるものが違い、子供にとって「なぜこんな風にしかしてくれないのか」「なぜ自分にもっと関わってくれないのか」そうした疑問が解決できないと、自分は愛されていない存在なのだと悩みながらその現実を受け入れていきます。

 どうすれば、自分のトラウマを過去の単なる記憶に出来るのでしょうか?!

 トラウマの影響を受け続けていては、親子関係がどうのというより、あなた自身の人生そのものが破壊されてしまうことさえあるのです!!

 トラウマの影響を受けないために、単なる過去の記憶にする必要があります。

 心の問題は、機械の部品交換のようにはいきません。
 したがって、過去を含めた現実を受け入れることができるように、心の状態を変えていくことが必要です。

 「過去の記憶が消せますか?」という質問をたまに受けます。
 「消すことはできませんが、思い出さなくすることや、思い出したとしても苦痛を感じないようにはできます」と答えます。

 記憶は脳が司っています。脳内に作られる回路網を破壊して消し去ることはできません。コンピュータの記憶ディスクに書き込まれている内容の一部を削除するようにはいかないのです。
 
 しかし、人の心は、過去の記憶に対する受け止め方を変えることができるのです!!

 受け止め方を変えるには、理性の理解と感情の納得が必要になります。

 先に書いたように、親も自分も一人の人間として完全ではないという理性的な理解を深めることです。これが第一歩です。その為に心理療法が必要になります。
 
 次には、過去において傷ついた様々なトラウマとしての体験が、脳内の情動系で騒がないようにする必要があるのです。騒がせないために過去の歴史を納得させるのです。
 この為には催眠状態で、情動系を納得するように変えることが一番手っ取り早いのです。

 私たちは、多くの間違いを犯しながら生きています。そうして、自分が親となっても、やはり間違いを犯し続けることでしょう。
 どんなに、子供のことを愛していても、自分なりの関わり方、愛し方しかできないものです。
 こうした現実が理解できるように、あなたはいつまでも精神的に親にしがみつくことなく親離れをして成長していく必要があるのです。

 催眠状態という、特殊な環境下に脳を置くことで、あなたが望むことであれば、あなたは無理なく変わっていけるのです。

 それは、過去の人生を見つめ直し、過去の歴史から、未来に必要な多くのことを学ぶ時間ともなるのです。
 あなたの満たされた未来を手に入れる為に、価値ある時間となるでしょう。


無意識の世界

 

 普段意識できない無意識の世界をどうすれば覗けるのでしょう。

 直接無意識の世界にアプローチする方法があります。それは、催眠の技術です。
 もちろん深層心理学の知識も必要です。

 

 このダイレクトなアプローチはあなたがこれまで気付くことがなかった、幼児期からの心の秘密が暴かれるでしょう。

 心の発達の過程において意識されないまま刻まれてきた、トラウマの世界なのです。


 無意識の心の働きは、脳の中心部分(大脳辺縁系)で作られています。 

 無意識領域の脳の働きは、主に情動反応です。

 

 無意識の脳領域の働きは、私たちの“感情という心の働き”と、それにともなう身体反応、さらに生命維持に必要な自律神経の働きなのです。


 無意識と呼ばれる脳領域の中には、 

 トラウマだけが潜んでいる訳ではありません!!  

 しかし、

 トラウマを含めた長期のストレスなどで、

 無意識領域の脳機能がトラブルを起こし始めた時、

 “心の病”の始まりなのです。


 催眠状態を活用すれば、

 無意識の脳領域(大脳辺縁系)を探り、

 ダイレクトに心の深層に働きかけることもできるのです。


 意識(顕在意識)と無意識(潜在意識)の説明を、

 昔は以下のようになされていました・・・。


 「顕在意識」はいわば氷山の一角で、海面下に隠れて見えない部分が90%もあり、それが「潜在意識」なのです。などという説明が一般的でした。

 また、

 普段私たちが自覚して使っているのは、全体のわずか10%しかない「顕在意識」です・・・・などといった表現も昔はまかり通っていました。(現実に意識・無意識の割合は、1:9などというレベルではありません)

 さらにまた、

 「潜在意識」は、

 ◦    疑うことをしません。善悪の判断ができません。

 ◦    時間や空間がわかりません。すべて「現在」と捉えます。

 ◦    現実のことなのか想像のことなのか区別ができません。

 ◦    人称がないので、全て自分のこととして受け入れます。

などと、捉え方によっては間違いではありませんが、お笑いごとのような古典的な説明が現在もなされています。

 

 今現在を生きている私たちは、古典的な心理学的抽象的表現に惑わされることなく、意識や無意識を脳科学の範疇で捉え、正しく“心”という、脳の働きによって作られる実態として捉えていなければ、心の病を治すための心理療法や催眠療法の間違った実施を行うことになってしまうのです。

 “心”の働きの重要な要素である、脳機能によって作り出される“意識”、“無意識”の正しい認識を後の方で説明いたします。または、リンクされたWebサイトでもさらに詳しく説明しております。ぜひ訪れて下さい。



 *意識と無意識 

   *大脳辺縁系




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