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第二節 いのちの海

樹は川のように立つ。

樹のいのちは絶えず流れ
幹にかざした手はその川の流れを感じる。


街路樹のようにさりげなく駐車場の脇に立つ大木。


コンクリートの上で生きる苔。



それを見つめるちきゅうの子たち。


ここはいのちの海、比叡山。



第三節 燃えるロータス

『ちきゅうの子たちが光の存在だと自覚したとき
願うということはあるのだろうか』



厳しいくらいに力強い比叡山はちきゅうの子の両肩をがしっと掴んだ。

目を覚ませと言わんばかりに激しく揺らし
ちきゅうの子の頭はぐわんぐわんまわった。


揺さぶられながらちきゅうの子は

自分の足元から勢いよく噴き出す気を見た。


その気はロータスの花のようであり

上へと燃え盛る炎のようでもあった。


その燃え盛るロータスは、蓮の花の上に立つ釈迦を思わせた。


あぁそうか、そうだった。


私たちは一人ひとりが光の存在なんだった。



意志が太陽なら迷いは雲。


太陽の光である意思が大地に真っ直ぐ当たれば

現実という影もはっきりくっきりできる。



ちきゅうの子はそう思った。



第四節 音

音は空間を刻む。


音は空間を整える。


比叡山でひっきりなしに響く鐘の音が

肉体と魂、人と動物、バラバラになった家族を一つにする。




第五節 夢の池

そのちきゅうの子は淀んだ小さな池に着いた。


少し暗い印象のその池の淵にはここまで一緒に歩いて来た案内人もいる。

案内人の男の子は階段を下りていくかのように池に入り

ちきゅうの子も手を引かれるままに水の中へ潜った。


水の中は底が見えないくらい深い。


「こう見えてもこの水はとっても清らかなんだよ。」


彼が言うように確かに池の中は驚くほど清らかで神聖なところだとちきゅうの子は思った。


赤ちゃん龍なのだろうか、

周りには小さな白い蛇のような子たちがたくさんいた。



ちきゅうの子はそんな夢をみた。




第五章 高山寺

第五章  高山寺

        第一節 未知の扉



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