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第一節 ヴィーナスの目覚め

京都の愛宕さん。

京都の都の西、真っ先に朝陽が当たるところ。


そこは魔法のベールの中にあり
私たちはヴィーナスに目覚める。


永いシエスタから目覚めたヴィーナスは
白く輝き黄金色の声で笑った。

そして私たちの胸は熱くなり躍りだす。



どくん どくん


そこにいる全てのものはヴィーナスの脈と一緒に鼓動し始める。


それはまるで胎児を授かったような感覚。



愛宕山は命が宿るエナジーを感じるところ。


そう、誕生の予感。



第二節 それぞれの選択

あぁ 変容したのか。


カミナリはこの樹を通ることを選び
樹はカミナリによって変化することを選んだ。

ただ選んだという強さと美しさ。


第三節 メルティングポット

木々が芽を出す頃の愛宕山はエナジーに満ち溢れる

エナジーの波となった春の愛宕山は別次元。

その別次元のうねりは京都洛中に向かいどんどん迫ってくる。



しかしそのエナジーの渦の中は


天蓋ベッドの中にいるような安堵感に包まれる。



愛宕山は木々が住む街。


ここではひとりひとりが自由に個性を放ち生きている。



貫禄ある長老たちや命を全うしたもの、


命が去った足下では生を始めたばかりのものや



長老たちの腕の中を家に決めたものもいる。


人種も色々。



愛宕山は木々のメルティングポット。




第四章 比叡山(ひえいざん)

第四章  比叡山(ひえいざん)

        第一節 ミントの風
        第二節 いのちの海
        第三節 燃えるロータス
        第四節 
        第五節 夢の池


第一節 ミントの風

「誰かが見てる。」


高台で夏の夜風にあたっていたとき

ちきゅうの子は視線を感じて眼を開けた。


目線より少し高い空に人の胴ほどある二つの大きな眼があり

こちらを見ていた。


「あ、龍だ。」


と、そのちきゅうの子はとっさに思った。


迫力がありこわいほどの存在感。


その子は一瞬怯えたが龍と通じたいと思い

息を深く吸い力を抜いて龍に心を開いた。


すると全身をすっかり包むくらいの大きな風がやってきた。


清清しくてパワフルなその風は地球の子の身体を通り抜け、心を通り抜け、

駆け抜けていった。


風の龍が通った後にはミントのような爽快感と開放感が残っていた。




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