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高山寺

第五章 高山寺

第五章  高山寺

        第一節 未知の扉


第一節 未知の扉

随分山奥まで来たものだとそのちきゅうの子は思った。

京都市街から長いことバスに揺られて降りたところは栂尾山の高山寺。


ひっそりとして人気のない境内を歩いていると大きな足を見つけた。

仏足石だった。

足の指が一本多いような気がして

「一本、二本、三本……」

と数えていると、喉のあたりに ずんずん と力を感じた。

ずんずん ぐんぐん  ずんずん ぐんぐん

その感覚はどんどんはっきりしたものになり
喉から渦を描くように広がっていく。

ちきゅうの子の体はこの土地と共鳴しはじめ、

ぐわんぐわん ぐわんぐわん

と、体は弧を描きながら奏ではじめた。

やがてその音楽は燃えるマグネシウムのように眩しい光となり

「Speak out ! Speak up!」

とちきゅうの子に叫びはじめた。


「あ、扉が開いた」

とちきゅうの子は心の中でつぶやいた。

内なる未知の扉が開いたような感覚。


宇宙と繋がる扉はいつでも内にある。

高山寺の煌きはちきゅうの子にそれを思い出させた。