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幼子の親としての原発事故後からのことと今後

 自分には想像に難しい、もっと厳しい状況の人も多い現実ですが、今後一日も早く、多くの人が安心して安全な状態を築けるように、自分の第一歩として綴らせていただきました。


 八ヶ岳南麓に住む我が家は、生活圏で個人が測っている放射線値を拾い集めると、4月5月の時点で平均して大凡0.1μSv/hから0.2μSv/hといったところがほとんど、一時的に更に高濃度であった情報もありますが、平均をとって0.15μSv/hとして、このまま収束しない場合線量は1.3mSv/yとなり、外部被ばくだけで限度線量の1mSv/yを超えてしまいます。

自宅付近予想放射線量
    • 0.15μSv/h(個人的な測定と付近の個人が公開している情報から)
    • 1.3mSv/y(一時間あたりの数値に×24×365)

 我が家では、最も線量の高かった時期に3週間、その後GW前後に2週間京都に疎開しており、子どもたちへの被曝量を抑えることが出来ているので、現在の平均線量だけで考えることが出来るのが救いです。それでも帰宅後のシャワーや入浴は欠かせません。

外部被曝で気遣っていること
    • 帰宅直後の入浴やうがい
    • ベランダや玄関の洗浄
    • 風向き予想で放射線量が上がりそうな日の外出自粛及び窓閉め

内部被曝で気遣っていること
    • 外出時に可能な限りのマスク着用
    • 飲用水の地下水利用
    • 食材の厳選

 内部被曝の軽減では、マスク着用や食品についてしっかり考えることが重要になりますが、子どもたちはマスクも直ぐに外してしまうし、保育園に通わせないと成り立たない今の暮らしでは、自宅で食の安全を気遣っても、子どもの摂取する食べ物の約半分は、10時15時のおやつと昼食で保育園に委ねることになてしまいます。生体濃縮しやすい牛乳だけは、保育園での摂取は事情は説明せず止めてもらっている状態です。

 さらに現在の国の姿勢は自己保身に傾き、最悪の状態を想定しての政策を進められていないばかりか、世界各国などで定められている基準や、過去自国で定めていた輸入制限制限値よりゆるい暫定基準値で、食材を流通させている現状。それでは、自ら選ぶ食材ですら安心出来ません。

こんなにゆるい暫定基準値
    • http://happy-net.jp/uploader/kizyunti.pdf

 今後も汚染が続き、国の姿勢が変わらないと、飼料や肥料の流通から外部被曝の少ない地域の農畜産物の汚染も広がる。そこで今出来ることを検討してみました。
  • 可能なかぎり行政に働きかけ、外部内部共に被曝線量を可能なかぎり抑える努力を促す。
  • 各地での線量測定や、生産者との協働するなど、客観的な対応を国に求めていく。
  • 線量が許容を越える前に、保育園をやめさせたり、幼児の疎開(一家でになる可能性は高いが)を準備する。

この事態に思うことは、「個人には性善説。組織には性悪説。」。
  • http://twitter.com/#!/nagasaka/status/66516457906905088


出来ることは何かあるか

 何か環境改善に努められることはないかと、考えつつ行動を始めました。何とかして「子どもの被曝量を抑えたい」という思いを、対応してくれる人の気持ちを考えながら、やりとりを進めます。


 子どもは一日の4分の1以上の時間を保育園や学校で過ごします。そこでの放射線に関する対応が重要になると共に、最も直接的な内部被曝につながる給食やおやつの食材の産地などが気になってきます。

 産地偽装や国の暫定基準値の異常など、それ以前の問題もありますが、意思を持って食材を決定できるポストはどこか、そしてそのポストにいる人は、どのような認識を持ってどのような対応をしているかが、鍵になってきます。食以外の過ごし方は、後日次章以降で触れていきたいと思います。

知りたいことのまとめ
    • 実際使われている食材の産地
    • 食材を決定できるポスト
    • どのような意識を持っているか
    • とっている対応

 我が家の子たちが通う保育園と学校は、何れも北杜市立なので、各担当課に状態把握のための問い合わせをしました。
 まずこの4月に、市の食と農の杜づくり課で公式Twitterアカウント開設していたことを思い出し、そこにメンションで問い合わせ。
 その後6/1AM8時台に給食担当課に電話、折り返し連絡とのこと。 そしてその日の夕方18時前、保育園給食課/放射能を気にする保護者のために3/17と4/28に会議をして、なるべく県内産の材料を仕入れる事にしたいという方向が決まった。が、二次生産物については産地追跡をしていない。牛乳はほぼ清里プラントだが一部明治を使用。弁当持参は基本受け入れる。各保育園へ問い合わせを。とお応えいただきました。

得られた結果のまとめ
    • 実際使われている食材の産地 … 分かるものと、そうでないものがある。
    • 食材を決定できるポスト … 保育園は園ごとの決定ということで園長、学校給食は学校給食課が決めるということで課長。現状を有事と認め対応を変えるには政治的判断が必要ということで市長。
    • どのような意識を持っているか … 気になる保護者のために対応しなければならない。前向きに何とかしたいという思いはあるけど、現状の危機感が薄かったり、それ以上は手を出せないという固定観念があったりする。
    • とっている対応 … なるべく県内産の材料を仕入れる事にする。放射線値の高いものを受け入れないというような、決定的な判断基準はなく国に委ねる状態。

 結果は事実としてだけ受け止め、「子どもの被曝量を抑えたい」という根っこに何度でも戻り、今後できることを考えてみました。

 原発により特別な恩恵を受けてきた人や、原発洗脳教育の真っ只中で育っている人材が多い国政の現状もあるので、国の判断を待っているのでは遅いと思われます。市長が政治的判断を下せるだけの危機感を共有していかないと、学校や保育園で対応してもらうことはできない仕組みになっていることが明確です。ということは、何とか多くの同世代の親が共通認識を持って巻き込んでいく他ないのかなと、大きな壁を感じています。

 結果のまとめに補足するならば、こちらの質問以降、市の公式Twitterでは可能な範囲での前向きな取り組みが次々と進んでいるようです。食と農で地産地消をより多く進める方向は、今取り組める唯一の前向きで体制を変えず取り組める姿勢だと思います。

 また次を考えていきます。


食の不安と夏ならではの悩み

 稲わらや腐葉土の検査なしでの流通が後々発覚するなど、農業でも畜産でもその素材の栄養源の汚染が広がり、直接的な流出がみられる海洋汚染も含めると、野菜も肉も魚もどれも気を遣わないと選びきれない現実があります。

 様々な分野で発覚してからの対応が目立つ中で、店頭に並ぶものすべてに疑心暗鬼になります。

 我が家では可能な限り、素性の知れた食材を選ぶようにしています。自宅から少し離れた実家からの野菜や、近隣の農家が無人直売している野菜、肉は産地偽装の可能性が低いもので汚染地域から離れた産地のもの、魚に関しては殆ど摂れておらず、その栄養分を他の食材で補うなどを中心に、素材ごとにまた更に気を遣いながら食事をしています。

 EUなどから出荷制限を受けている山梨なので、地物でも安心というわけではないですが、肥料のことや生産場所のことがわかっている状態での食材は、線量積算ができるので後々判断の基準を残すことになります。

各国の輸出入規制(農林水産省)


 この気遣いを行政に求めることは、首長の英断なくしては難しく、現場にお願いできることは限られています。

 どのような状況であれ子どもを守るには、保育園や学校に子どもを預ける以上、親と行政と現場がどういう動きが出来るかが、いい状態をつくれるための鍵になります。今回のような身近で前例のない突発的に起こった事態では、認識が浸透するのに時間がかかったり、結果が出てからでなければ動けない現実もあることが明確になってきました。


 保育士さんたちに迷惑のない範囲で、なにかできないかと苦慮していましたが、8月よりお弁当での登園をお願いすることにしました。給食大好きなわが子たちは、最初にお弁当にすることを告げると寂しがっていましたが、他にもお弁当の子がいるからか、お弁当への切り替えも思いの外スムーズでした。

 誕生日会などの特別給食の時などは、お弁当とせず、子どもたちの楽しみを削らない範囲で、保育士さんと相談させていただきながら、出来る限りのことを試行錯誤しています。


 夏になり子どもたちのプールが始まりました。保育園では気温と水温さえあればほぼ毎日プールに入ることになります。しかしいくら被災地より線量が低くても、日々撒き散らされている放射性物質を含む雨などが降り注ぎ、貯め水状態であるプールでは、子どもたちへの影響は拭い去れません。

 しかし子どもたちはプール遊び楽しみにしているし体力づくりも欠かせません。でも手放しで水遊びをさせるのは悩ましいです。そこで水換えの日と、プール遊びの日の間隔が開いた日と、プールサイドでのシャワー遊びを許容し、折り合いをつけている現実があります。


 先日保育園では放射線量の測定を、県の職員により行ったと、市のホームページでの報告がありましたが、行政に求めたいのは、問題が少ないことの証明ではなく、そのことに対して現場でしかできない行動なのですが、なかなか思いは通じず、どうしたら動いてもらえるか今後もアプローチを変えつつ、何か働きかけしていきたいと思っています。

奥付



幼子の親としての原発事故後からのことと今後


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著者 : 長坂治
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発行所 : ブクログのパブー(http://p.booklog.jp/
運営会社:株式会社paperboy&co.


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この本の内容は以上です。


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