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だんごむし

「ついてくんな。」


お兄ちゃんに おいてきぼりにされて
お外で しゃがんで 泣いてたら 

ユイちゃんの くつの上 そろりそろり、
ダンゴ虫 一匹、乗ってきた。


あれ、あれれ ダンゴ虫
こんなところに いっぱいいるよ。

あっち チョン。   こっち ツン。
みんな コロコロ ダンゴになった。


面白くって 面白くって 
ユイちゃんは 夕方まで 夢中になって 
だんご虫と遊んだんだ。



次の日 ユイちゃんは ビニール袋を持って お外に出かけた。
コロコロ まるい ダンゴ虫、袋にどっさり 集めたんだ。


ママ、見て すごいよ。 こんなに ダンゴ虫。
玄関で ママを呼んで 得意になって 見せた。


ママの顔が すーっと青くなって

ユイちゃん、お家に入れちゃダメ。  
逃がしてきてね。お願いよ!


ママは あわてて部屋に入ってしまい、
手だけ出して、早く、早くって ユイちゃんを追い出した。



ママ、ダンゴ虫 かわいくないのかな。

ユイちゃんは 一匹 一匹 さよなら言って 戻してやった。






次の日 幼稚園のお絵かきの時、ユイちゃんはダンゴ虫 描いた。


のぞきこんだアリサちゃんとエリカちゃんは
つっつき合って 「いやーん」って言って 笑ってた。



次の日も、その次の日も その次の日も 
ユイちゃんは ダンゴ虫 描いた。


好きなもの描きましょうって マサエ先生は言ったのに

「うーん、ユイちゃん、他のもの 描いてごらんよ。」
「ほーら、色んな色 使うと楽しいよ。」


そして、お迎えに来たママと、真剣な顔で ヒソヒソ話してた。


 ダンゴ虫・・・・だめ?





ユイちゃんは、今日は ダンゴ虫、3匹並べて 描いてみた。

このごろは のぞきこむ女の子も いないんだ。



ユイちゃんが 「出来上がり」 って クレヨン置いたとき
突然 うしろから、大きな 大きな声がした。


「お~ ユイちゃん、ダンゴ虫かぁ、おもしろいなぁ!」


ときどき ユイちゃんの組にもやってくる おとこ先生だ。



「な、ユイちゃん、今日のダンゴ虫、先生にくれないかな?」 
 変なこと言う たっちゃん先生。


「ちょっといいこと思いついた。それ 切り抜いてもいい?」
 たっちゃん先生 ユイの嫌なこと しないよね?


ユイちゃんは、お絵かき帳を 先生に差し出した。


先生は エプロンのポケットから はさみを出して
今 作ったみたいな、でたらめの「ダンゴ虫のうた」 歌いながら
ユイちゃんの 3匹のダンゴ虫を 
チョキチョキ チョキチョキ 切り抜いていく。

集まってきた みんなの顔を、ぐるっと見てから 
たっちゃん先生は、

「さて さて、 ナニが 出るのかな~?」って言って、
手品みたいに、今度は 割りばしを 3本 出してきた。



そして 3匹のダンゴ虫の裏がわに
セロテープで ぺたっ ぺたっ ぺたっ て くっつけたんだ。





たっちゃん先生の だんご虫劇場は 大人気。

 


ユイちゃんに笑顔 やっと 戻った 



ちょうちょ

たっちゃん先生が 何かたくらんでいる。

お散歩の時間 アリサちゃんは ピンときた。

 


たっちゃん先生たら 
変なかたちの 大きな紙包みを持って 
ついて来るんだ。
  
マサエ先生が、
「よそみしないで! まっすぐ二列!」
って、いくら言っても

皆、たっちゃん先生の まわりを 
ヒラヒラ 行ったり来たりして
先生のナイショの計画を 知りたがっていた。

 

 

 

 

 

「わぁ・・」


公園についた 皆は 
目をまん丸にして いっせいに声をあげた。

ひらひら ちょうちょが 
あっちにも こっちにも。


みんな きゃあきゃあ 言って、てんでに追っかけはじめた。



そしたらね、たっちゃん先生 みんなを集めて、

「さて さて 何が出てくるでしょう。」
持ってきた 紙包み カサカサ開けたんだ。

出てきたのは 虫取りアミ。
もち手のところが グーンと伸びるヤツだ。

「やったー。」

アッくんが さっと つかむと 
いきなり ブンブン 振り回す。


あんまり めちゃくちゃに振り回すもんだから、
アリサちゃんも みんなも、大騒ぎしちゃったんだ。


ちょうちょ びっくりさせちゃった。









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