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ニノの母が帰って来た時にはもう明け方近くなっていました。 
「ごめんねニノ 」
と母はニノが眠っているベッドを覗き込みます。 
「まぁ、独りじゃなかったのね」 
ベッドには、ニノと春風が仲良く並んで眠っていました。 
「あれ、お母さんお帰りなさい 」
とニノは母の顔を見ると飛び起き母に抱きつきます。 
「ニノ、その子は? 」
「ハルって言うのよ、一緒にいてくれたの」

「そうなの、どこの子かしら? 」
ニノが窓の外を見るとまだ外は暗く雪が降っていました。 
「お母さん、お父さんは一緒じゃないの? 」
「ニノ、お父さんは今日は帰って来れないは諦めなさい」 
ニノは両手をギュッと握り締めると 
「嫌よ!!約束したのよ私の誕生日には帰って来るって、きっともうそこまで来ているわ 」 
と言うとニノはコートを羽織まだ暗く雪が降る外に飛び出して行ってしまったのです。 
騒ぎで目を覚ました春風もニノを追って行ってしまいます。 
「二人とも待ちなさい!! 」
母が追い掛けますが吹雪のせいで視界が悪く二人を見失うしなってしまいます。 
春風は、ニノを探して桜並木まで来ていました。辺りを探しますがニノの姿はありません。そんな時に誰かが春風の耳元で囁きます。

 

あそこだよと 
 
「ありがとう北風さん 」
春風が雪の斜面を滑り降りると、そこにはニノが冷たい雪の上に倒れていました。 
「ニノ!大丈夫!? 」
春風がニノを抱き寄せると、とても体が冷たくなっていました。 
「ハル来てくれたのね、ありがとう。ご免なさい急に飛び出したりして、分かっていたのお父さんが帰って来れないことは、でも我慢出来なかった。とても独りで待つ夜は淋しくて心細くて、そんな時にハルが来てくれて私とても嬉しかったハル大好きよ 」
ニノは、限界だったのです。終わらない冬もやまない雪も色の無い世界もニノを酷く孤独にしたのでした。 春風は、ぎゅっとニノを抱き締めます。 
「ニノ、僕も君が大好きだ。お父さんが居なくても君には僕がいるもう独りになかしないからだからもう悲しまないで」

「ハルはとても温かくて優しくて本当の春みたい、でもきっと皆で過ごす春はもっと素敵よ今年はハルも一緒だからもっともっと素敵になるわ 」 
「ニノ、ニノ、ニノ・・・」
と言う春風の瞳から涙がこぼれ落ちニノの頬を濡らします。ニノはそっと春風の顔に触れると 
「ハル泣いているの私のために・・・ 」
「僕の願いが君を苦しめている。君の悲しみは僕のせいだ僕が君の側にいると君の願いは叶わない」 
「何を言っているか分からないはハル?」 
とニノは心配そうに春風を見ます。 
「僕は、君の歌声が好き、風になびく綺麗な髪が好き、少しわがままな所も愛しいでも一番好きなのはキラキラ輝く君の笑顔。だけど僕だけものじゃなかったきっと見た人皆を幸せにする魔法だから、だから僕の願いは叶わなくてもいい 」
春風の対価それはニノの笑顔だったのです。 こんなはずじゃなかったのに、ただ君の側に居たかった。君を愛したかった。そして、愛されたいと夢を見た。でも、僕の願いは叶はない僕の願いは愛しい人を不幸にする。 春風は涙を拭うと 
「願ってニノ、君の願いはきっと叶う。さぁ瞳を閉じて願って・・・」

「ハル!? 」
ニノは少し戸惑った様子でしたが、春風の言う通りに瞳を閉じ願います。そうすると春風の胸の辺りが輝きだし星が現れたのです。星はまた囁きます。 

願いを叶えましょう。対価と引き換えに・・・ 

ニノが願い終わるととたんに星は弾け飛び風がニノを包み込んだのです。 その風は、優しくとても暖かく懐かしい春の風でした。 不思議とニノの瞳から涙がこぼれ落ちます。春風が、森や林、町を駆け抜けて行きます。すると木々は目を覚まし草花が咲き乱れ桜並木も花が咲きピンク色に染まって行きました。その花の香りに誘われ虫や動物達も目を覚まします。 花の香りはニノのに届きニノが目を開けるとそこは辺り一面に色とりどりの花が咲き乱れニノを包み込むようにして咲いていました。 そこには、ニノがずっと待ち望んでいた春がありました。でも、そこに春風は居ません。ニノの願いを叶えるために春風はまた旅に出たのです。自分の願いを叶えるためにニノの笑顔を取り戻すために・・・ 
「ニノー!! 」
と誰かが叫んでいます。仲良く手を繋ぎニノに近づいてくる人影が見えます。ニノは 
「お父さん!お母さん! 」
と叫びます。 
「ただいまニノ 」
と父は、ニノを抱き締めました。 
「ごめんニノ、淋しい思いをさせたね。それにプレゼントを買いそびれてしまってね 」

「いいのよ、私とっても素敵なプレゼントをもう貰ったから 」
とニノは花畑を指差し微笑みます。 ニノは雲一つない澄みきった空を見上げると 
「ハルー!!ありがとう! !」
と春風に届くように叫びます。きっとまた会える、また来年の春に会いましょうと思いを込めて。 
 

古びた喫茶店を営む老婆の所にも春がやって来ていました。 老婆は窓から見える桜の花を見て 
「あらまぁ、桜が咲いてる。あの子もう行ってしまったんだねまた、独りで・・・ 」
そんな時に老婆の横を一羽の蝶が通り過ぎて行きました。 
「お婆さんありがとう 」
と言い空に羽ばたいて行きます。 
 「まぁ、青むしの坊や綺麗になって行ってらっしゃい春風によろしくね」 
 そう、春風は最初から独りではなかったのです。きっとパーティーのように賑やかで楽しい旅になるでしょう。だって春は、皆の誕生日なのだから。

 

 

 


あとがき。

 

 

お久しぶりですモカです!!久々の更新になりました◎

「ハルの初恋。」を読んで頂きありがとう御座います。この作品は、水没した携帯に入っていたものです。

旅行前に携帯水没、悲惨でした。うる覚えの文章をなんとか書きおこしたしだいです。

読んでほっとして頂けると嬉しいです***。

 

ご意見、ご感想お待ちしています。

 

モカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


奥付



 

ハルの初恋。


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著者 : モカ
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発行所 : ブクログのパブー(http://p.booklog.jp/
運営会社:株式会社paperboy&co.


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この本の内容は以上です。


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