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01


01


君が涙を流すたび、

星の欠片が海にこぼれる。


泣くのはおやめ。


星は欠けて、やがて無くなってしまうから。


02


02

一頭の鯨が


静かで真っ暗な水面で、


深い、深いため息をつく



大丈夫。


僕が拾ってきてあげましょう。



鯨のため息は、

水煙になって夜空に舞う。



03


03

鯨は欠片を探しに行く。


深い、深い海の底へ。



海はそれを邪魔しないだろう。


しかし、ゆっくりと海は鯨を締め付ける。



やがてそれは鯨を押しつぶすだろう。


広くて暗い海の底で。


04


04

冷たく寂しい海の底で、

鯨は欠片を見つけられるだろうか?



大丈夫、鯨はとっても目がいい


その僅かな輝きを、


鯨は遠くからでも見つけられるから。


05


05

鯨は欠片を見つけると、


クルリと身を飜して海面へと向かう。



深い深い海の底から宇宙の入り口へ。



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