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もくじ

・もくじ
・ある夏の出来事 (「はじめに」に代えて)

 

 1.私がインディーを選んだわけ 
 2.電子書籍って何?  
 3.電子書籍は、なぜ安いのか?  
 4.電子書籍は売れない?  
 5.新しい文学の形と、新しい文章

 6.  いつもピカピカの本

 7.電子書籍が売れないのは当然?
 8.電子書籍のブログ化&ブログの電子書籍化

 






ある夏の出来事 (「はじめに」に代えて)

「小説家になろう 」 http://syosetu.com/ というサイトがあります。私が知ったのは2010年の3月頃でした。グーグルで検索をしていて偶然に見つけたのです。   トップページの上部に小さめの文字で、

小説家になろうはオンライン小説、携帯小説を掲載している小説投稿サイトです。 小説掲載数170,644作品。登録者数245,778人。

と記されています。【2012年7月16日現在】

私はそのサイトを利用し始めました。それまでに書き溜めていた小説の草稿に加筆し、サイトに投稿するになったのです。

     *

その2010年に、私にとって、ある大きな出来事がありました。

上記の「小説家になろう」のサイトにある右側のコラムをご覧ください。コラムの中央に「お便りコーナー」があります。

そのなかに、「第10回:星野廉先生」という文字が見えます。もっとも、今この文章を書いている、2012年1月11日現在のことですから、そのうち消えるでしょう。

「第10回:星野廉先生」をクリックすると、「小説家になろう」の運営に送った、私の書いた以下のメールがあります。

     ◆

 それは一通のツイートから始まりました。

 「小説家になろう」の手引きの中に、ツイッターなどを利用して、自分の書いた小説について出来るだけ多くの人に知らせよう、という意味の項目があります。

  私は愚直に、そのアドバイスを守っていました。具体的には、「小説家になろう」のサイトと、自分のブログをリンクさせ、ブログランキングに参加したり、ツイッターで自著の更新などを発信していたのです。

 そして、ある日、教育〇ザイン〇究所という出版社の社長様から、児童向けの短編集を電子書籍として出版してみないか、というお言葉をツイッターでいただきました。

   その結果、ほぼ1カ月で「ひとりじゃない」というタイトルの電子書籍が出来上がり、出版の運びとなったのです。社長様の言葉に嘘はありませんでした。たった1カ月で夢が実現したのです。

 「九つの命」「ねえ、傘、貸して」「輝きの日」「トイレ同盟」――この4編がアンソロジーとして、今回出版されました。

  500円というワンコインでお求めいただけます。

   アドバイスなどという不遜なことをするつもりはありません。ただ、これだけを言わせてください。

   ユーザのみなさん、このサイト内だけでなく、広い層の人たちに自著を読んでいただく努力をしてみませんか。  

   『ひとりじゃない』   星野廉著・〇育デザイン研〇所発行   価格 500円(税込)    

 以下の書店などで販売されています。書店のサイト内に入り、「ひとりじゃない」で検索をしてください。  

 電子書店パピレス http://www.papy.co.jp/   
 紀伊國屋書店 BOOK WEB http://bookweb.kinokuniya.co.jp/indexp.html   
 ジュンク堂書店 電子書籍サイト http://www.ebookbank.jp/junkudo/ep/top/   
 八重洲ブックセンター 電子書籍ダウンロード販売 http://www.ebookbank.jp/ybc/ep/top/    

 なお、以下の私のブログでも、ご案内しております。    

 「うつせみのあなたに」 : http://blog.goo.ne.jp/utsusemi_12 


     ◆

只今引用した、私の「お便り」のなかで、〇があるのは、たいした意味はありません。ご想像にお任せします。

     *


「お便りコーナー」は、「小説家になろう」のメンバーが「プロデビュー」した際に運営に送って感謝の意を表明するものだ、と考えられているようです。

以上は、私にとって、「ある夏の出来事」でした。苦い出来事だったと言うべきでしょう。

     *

この本は、私にとっては「大きな出来事」だった上述のお話がベースになっています。

同じような「出来事」を体験なさった、作家志望者、セミプロの作家、無名の書き手の方々が急増しているのを、現在私は肌で感じます。

     *

そうした方々だけでなく、そうなるであろう方々にも向けて、私はこの連載を続けるつもりです。

今そうした方々は幸せでしょうか? 満足なさっているでしょうか?

それが気になってなりません。電子書籍は、私にとっては大きな悩みの種だからです。さらに言えば、この連載を書いているのも、その悩みの種を解消したいからに他なりません。

     *

電子書籍をめぐる状況と環境は、急速に変わりつつあります。あの「ある夏の出来事」は、現在では誰にでも起こり得る出来事になってきています。

誰でも、本が作れるのです。ただし、プロの作家を目指す人にとっては、すべてが順調にいくとは言えない厳しい情勢があります。

なぜなのかは、この連載をお読みになるうちに、きっとお分かりになるだろうと思います。

 




1.私がインディーを選んだわけ

 現在、私は電子書籍を自分で作って販売しています。いわゆる「インディー(インディペンデント)」です。みなさんも、電子書籍を作ってみませんか。 

 ブログ感覚で簡単に作れます。

 出版社や編集者などの業者抜きで出版できます。 したがって、業者から当然のように押しつけられた出版契約書により、 

自分の作品の出版権あるいは電子出版権や、販売権(※著作権とば別です)

を、数年間にわたって業者に握られることもありません。

 また、

著作権使用料(いわゆる「印税」)

の振り込み金額が、たとえば1万円に満たない場合には、支払いを次回に持ち越す――などという、薄利な電子書籍の売り上げに関する、悪質な契約条件を押しつけられることもありません。そもそも、売り上げの正確な数値を、著作権者(作者)が確認することは可能でしょうか?

     *

 私の場合には、電子書籍の作成・販売のサービスを提供している「ブクログのパブー」http://p.booklog.jp/ を利用しています。

 このサービスの中に、有料の本の課金や決済の処理までが含まれているのは、とても助かります。

 基本的に0円で、本が作れるのです。

 いわゆる「印税」も業者に委託するより、ずっと多く、本の価格の70%です。

 今、「0円で、本が作れる」と書きましたが、1冊の本を作るために著者が費やす時間と労力は計りしれません。良い本を書くためには、長い時間と並大抵ではない苦労が必要です。0円どころではありません。 

 本の価値は、コンテンツ(中身)とそのクオリティ(質)で決まります。

 その点を誤解なさらないようにしてくださいね。

     *

 さて、電子書籍を作る際に、知っておかなければならない大切なことがあります。

 まず、校正・編集・レイアウト・表紙作り(※文字だけでもできますが、イラストや写真を使えばきれいな表紙になります)・挿絵といった作業は、当然のことながら、 

すべて自分でしなければなりません。

 やろうと思えば、ひとりでできます。電子書籍だからです。紙の書籍では、まずできないでしょう。また、不得意な作業だけを他人に依頼するという方法もあるでしょう。

「校正や編集はプロでなければできない」と言う人たちがいます。残念ながら、あるいは、幸いなことに、そうした時代は終わりつつあります。

 たとえば、小学生・中学生・高校生たちの書いているブログを、お読みください。自由奔放な書き方と表記法が、ネット上では既に現実のものとなっているのです。それが紙の印刷物にまで影響をおよぼしています。

 今述べた現象は、日本語だけのものではありません。簡単な例を挙げましょう。

srry i cant understand u

Sorry, I can't underdstand you.

という具合です。

     *

 次に、最も大切なことを挙げます。

 宣伝をして売るのは、自分だということです。多くの人に、自分の名前と作品名を知ってもらい、さらに買っていただくための努力をしなければなりません。

 電子書籍を作成し販売する業者が、親切に大々的な宣伝までしてくれることは、まずありません。マーケティングも宣伝も、著者である自分がしなければならないということです。

 そうであれば、0円で電子書籍化するのが賢明な選択だと思います。

 ただし、すべてを自己責任で行う覚悟が必要です。「ブクログのパブー」は、そうした覚悟のある、志の高い人にとって最良のプラットフォームです。

 パブーを盛り上げれば、パブーに作品を載せていることがステータスになり、ひいては自分の本の宣伝にもなります。

 自著の出版化をお望みのみなさん、一緒に頑張りませんか。

【※私は「ブクログのパブー」の宣伝要員ではありません。「パブー」の方針に賛同し、「パブー」を愛しているだけです。憶測や誤解を招かないために申し添えておきます。】






 


2.電子書籍って何?

私は、パブーというサイトを利用して、

インディーで電子書籍を作成・販売

しています。インディーとはインディペンデントの略語ですから、独立系とか、電子書籍関連の業者による縛りがほとんどない状態という意味です。

そんなわけで、

「電子書籍って、何?」

とよく尋ねられます。

実を言うと、2年前(2010年)の私は電子書籍が何なのか、ぜんぜん知りませんでした。

私は、小説とエッセイを書いています。以前から、自分のブログや、オンライン小説を投稿するサイトに作品を載せていました。 

書いているだけでは、誰も読んでくれませんから、ツイッターで「小説を書きました」みたいなことを書いて、作品へのリンクを添えておきました。

     *

2010年の夏に、

「小説を電子書籍化してみないか」

と、ある出版社の社長からツイートをもらいました。

私としては、「はあ?」という感じでした。

その時には、

電子書籍という言葉は知っていましたが、具体的にどんなものなのかは知りませんでした。

書籍というのだから本だ――。

電子が付いているのだから、紙の本じゃない――。

ということは、CDやDVDやブルーレイの形で書店で販売されているに違いない――。

それをパソコンで読むのだろう――。

そうか、そうか――。

と思い込んでいたのです。

     *

さっそくワード文書化された小説を添付ファイルにして、声を掛けてくれた出版社にメールで送りました。

その時点でも、 

「私の書いた小説が書店の店頭に並ぶんだなあ」

と思っていました。

ところが、そうじゃなかったのです。

     *

電子書籍は、基本的には、配信される音楽や着メロと同じだったのです。

それを知った私は、びっくりしました。

購入の仕方を説明します。

1)電子書籍を扱っているネット上の書店に、パソコンでアクセスします。

2)その店にユーザー登録します。これは無料です。

3)買う本を探します。タイトルや著者名で検索できます。

4)「表紙」と一緒にタイトルと著者名が画面に映ります。それをカートに入れて買うのです。

5)代金は、クレジットカードや、コンビニ決済・銀行振込・ゆうちょ振替・Webmoney で払います。ただし、クレジットカード以外では手数料がかかる場合があるので注意してください。

     *

購入が完了すれば、あとは 

そのネット上の書店サイトで直接オンラインで読むか、電子書籍をダウンロードして読むか

だけです。 つまり、 

電子書籍のお買い物は、音楽配信サイトで曲を買ってダウンロードするのと、同じ

です。

無料本と、試し読みできる有料本と、試し読みできない有料本があって、購入後は、その「電子書籍=本」をオンラインで読むか、ダウンロードして読むか、だけなのです。

     *

どうやって読むのかというと、

1)ダウンロードはしないで、PCを使ってオンラインで本を読む(一度購入すれば何度でも読めます)。パソコンの画面で読むわけですから、読みやすいです。今は、横書きがほんとどです。

2)PDFの形でダウンロードしても読めます。PDFだと自由に保存ができ、他のパソコンでも読めます。

3)スマートフォンなどで読む。この方法については、後で説明します。

ね、音楽配信サイトから曲をダウンロードするのと同じでしょ。

     *

以上は、私が利用している「ブクログのパブー 」での電子書籍の買い方と読み方の説明です。他の電子書籍店や電子書籍扱い店でも、ほぼ同じです。

パブーのマニュアル では、電子書籍について分かりやすく解説されています。もくじを見て、自分に必要な部分だけをお読みください。

上で説明しなかったスマートフォンやタブレット端末(電子書籍リーダー)での読み方も書いてあります。つまり、iPhone・iPad・Android端末・SONY Reader・kindle などを使っての読み方です。

     *

どうでしょう。お分かりいただけたでしょうか?

繰り返しますが、以上は、私が利用している 「ブクログのパブー」 での電子書籍の買い方と読み方の説明です。他の電子書籍店や電子書籍扱い店でも、ほぼ同じです。

「パブーのマニュアル」では、電子書籍について分かりやすく解説されています。もくじを見て、自分に必要な部分だけをお読みください。

上で説明しなかったスマートフォンやタブレット端末(電子書籍リーダー)での読み方も書いてあります。つまり、iPhone・iPad・Android端末・SONY Reader・kindle などを使っての読み方です。

     *

パブー内にある私専用の「マイページ 」には、小説6編とエッセイ集16編が収めてあります。

当初は、一部を除く本を有料にしていました。現在(2012年)は、

全作品を無料

にしています。

なぜ、無料にしたのか

は、本書で徐々にお話しします。

     *

試しにオンラインで、あるいは PDF や ePub をダウンロードする方法で、無料の電子書籍を読んでみませんか。私の本は 

全部無料

ですよ。なんて宣伝してしまいました。以下に、関連のリンクを紹介しておきます。










3.電子書籍は、なぜ安いのか?

みなさん、ネット上の電子書籍専門店や、電子書籍を扱っている書店を、PCや携帯やスマホで訪ねたことがありますか? 初めて、バーチャルなお店に入って気付くことは、まず本の値段が安いことでしょう。 

へーっつ、やっすいなー、と思うに違いありません。

宣伝になってしまうので、具体的なお店の名や書籍名は書けませんが、だいたい次のような価格です。

そうですねえ、 

単行本の2分の1か、3分の1くらい。文庫本の70%前後でしょうか。

なかには、無料本を置いてあるサイトもあります。 

なぜ、そんなに安いのでしょう?

電子書籍についてよく知らない人でも、ちょっと考えれば分かると思います。

電子書籍の前に、紙の書籍から考えてみましょう。

     *

かつて自分の書いた小説を紙の本にしたくて、出版業界の人を訪ねたことがあります。

――あのう、この小説を出版したいのですが……。
――無名の君が本を出すんだよね。
――あ、はい、そうです。
――君、いくら出せる? 
――はあ? 私がですか。
――他に誰かいる? 
――誰って、私の家族とか親戚という意味ですか。
――まあ、そう思ってくれてもいいけど、いくら出せる?
――あのう、出版社さんのほうは出してくれないんですか。
――無名の作家の君にかい? まさか、出すわけがないじゃない。1編の本を出版するのに、いくらかかるると思う?
――さあ?
――その原稿の量だと、最低300万円は必要だね。それだけのお金を、君か君の親御さんが負担してくれるのなら、たぶん出版できる。ただし、それは自費出版という形になる。自費出版の場合、本気で売るつもりなら、宣伝費にもっとお金がかかる。だから、300万出せないのなら、諦めるんだね。
――あ、はい……。
――それより、君、文芸誌を出している出版社主催の新人文学賞に応募してみればいいのに。それが、一番手っ取り早い方法だろうね。で、受賞する自信はある?
―― いえ……。お忙しいところを、どうもありがとうございました。

以上です。

     *

早い話が、紙の本を1編出版するのには、

最低300万円かかる

ということですね。

その300万円には、人件費(編集者・その助手・校正者など)、印刷費(紙やインクや機械の稼働費や人件費を含む)、広告費(新聞・雑誌・その他のメディアにタイトル・著者名・キャッチフレーズなどを載せる)、運搬費(紙の本を印刷所から出版社や書店へとトラックなどで運ぶ)、書店内で本が目立ついい場所に置くための費用(いわゆる平積みするためにはお金がかかる)などが入っているらしいのです。

私は業界人ではありませんから、自分の体験と、他の作家志望者の方々から聞いた話を、上で再構成してみました。

300万円という金額にも、数々の異論があるに違いありません。

     *

さて、電子書籍です。

上記の300万円の内訳に、もう一度目を通してください。無名の書き手が、自分でできそうな作業はありませんか? 人にもよりますが、紙の本なら難しいですよね。

たとえば、あなたは北海道から沖縄にいたる多数の書店に、トラックで自分の本を運ぶことができますか?

でも、 

コンテンツ(作品・原稿)さえあれば、電子書籍の作成と販売は0円で可能です。そういうサイトがあります。

ただし、 

編集・校正・宣伝を自分でできる人は限られている

と思います。

そうであれば、自分の不得意な作業だけを専門家にお金を払って任せる手もあるでしょう。その場合には、それほど大金はかからないと思われます。

みなさん、次のように考えてみてください。

自分が小説なり、論文なりを書く。それをワード文書にする。そのワード文書をPDFに落とす。

それで出来上がったPDF文書は、立派な電子書籍です。

あとは、それをダウンロードという形で、ネット上の店からお客さんたちに配信し、さらに課金・決済を代行してくれる、多数の業者のうちで良心的なお店を選ぶ。

それだけです。どうですか? 安くできますよね。

紙の本を出している大手や中小の出版社も、基本的にはそうやって電子書籍を出しているのです。インディーで、つまり個人で電子書籍を発行(出版)している人たちも同じです。簡単に言えば、そういうことです。

だから、電子書籍は安いのです。

個人と業者、無名と有名、素人と玄人、アマ or セミプロ or プロ――。今後は、そうした境い目があいまいになってくると言われています。

     *

最後に最も大切なことを挙げます。

1)書き手は、コンテンツ(本の中身)とそのクオリティ(質)を、どれだけでも良いものにすることに専念するのが理想である。

2)本作りにおいて、書き手が苦手な作業は、良心的な業者や、プロではないがそこそこのノウハウを持った人にお金を払って任せるのが賢明だと言える。

これまでに、私は電子書籍で小説を6編とエッセイ集を11巻出しました。それで得た最大の教訓は、

宣伝は難しい

です。というか、

めちゃくちゃ難しい

です。

びっくりするほど、電子書籍というものは売れないのです。

宣伝が不十分であれば、当たり前ですよね。

特に

無名の個人

の場合には悲惨です。半端じゃなく骨が折れます。これを日々痛感しております。

めちゃくちゃ簡単につくれるが、めちゃくちゃ売るのが難しい。

ということです。








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