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はじめに


いなくなってからどれくらいの時間が経っていますか?


どこにいるか見つからなくて恐怖や悲しみに襲われることもあるでしょう。
探す気力がなくなることも、絶望することも、何度もあるでしょう。
そんなときは考えないようにしましょう。

心の中に猫の戻ってくるあたたかな部屋を用意しましょう。

そこに戻ってきてくれるよう祈りながら探しましょう。

人に受け入れられて餌と寝床を提供されたときから、
その猫は快適さを与えられることによって自然から引き離されています。
その猫がどうして望んでほかのところを目指す理由があるのでしょう…


猫がいなくなったと打ち明けると、普通はこんなことを云います。
「死期をさとると姿を消す」

「愛想を尽かす」

「メス猫を求めていった」

そうした定例の説は一度忘れててかまいません。そんなことは問題ではないのです。
もう一度会いたいと思いますか? そう思えないなら諦めましょう。
もう一度会いたいですか? そう思うなら探しましょう。

そして、誰がその猫の飼い主でしょうか。

いなくなったからと、もう飼い主の義務を放棄していいのでしょうか。

愛しているか、それだけの問題ではないのです。

例えすぐには見つからなくても、できることがたくさんあります。
この本はその「できること」をただひたすら提案するマニュアルです。


見つかるかどうか、それは運命の決めることです。

けれど、できることをやるかどうか。

それは自分で決めることができます。


できることをすることによって、確実に再会の確率は上がります。

涙に暮れるよりも、「探す」習慣を日常に取り入れることで、再会の確率が高まります。


どうか探し続けてください。
そのことで少しでも安心してください。

安心して楽観的になること。それが第一です。

その余裕があれば戻ってくるかもしれないのです。

そうして、安らいだ心のなかになら、猫はきっと戻ってきます。
もう戻ってこないと思い込んでいる人のところには、

猫も戻りにくくなってしまうかもしれません。

猫ってそういう生き物だと思いませんか?


暑いときは涼しいところ、寒いときは暖かいところ…

いつでも、彼らは彼らにとって居心地のいい場所をみつけるのが得意です。




猫を探し出す3つのコツ

コツをみっつにまとめましょう。

1.足で探す
いなくなったと気づいた日、その最初の日の行動が大事です。
どうしますか? ビラを貼りますか? 保健所や警察に連絡しますか? 
それらはとても大事です。けれども、後回しにしましょう。
まずは家を飛び出して探してみましょう。庭にいるかもしれません。
見つかりませんか?
では、どこにいるのか見当をつけましょう。

「見当をつける」ことはとても大事です。
全然見当たらない…

ちらっとでも姿を見かけたけれども逃げられてしまった…

ということもあるかもしれません。

諦めないようにしましょう。
見つかって、すぐに保護できた人にはおめでとうを言います!

いなくなってから、どれくらいの時間が経っていますか?

その時間に比例して捜索範囲は広げる必要があります。


どこにも見当たらなかったら、家に戻りましょう。

休んでからまた探しに行くためです。

体力のある方なら、止めはしません。


どのあたりにいるか見当をつけるため何度も外を探すことは大事です。

探すだけでなく、猫の居場所を見極めるために近隣を観察するのです。


具体的な探し方については後述します。
探すことは単調な作業です。けれどもこれが最重要項目です。



2.記録をつける
ノー トでもツイッターでもかまいません。

いなくなったと自分が気づいた時間、

実際にいなくなったと思われる時間帯を推測しましょう。

どこから出て行ったと思うか、

家の中はどうなっていたか、

自分は何をしていたか、

家族はどうしていたか、

ほかに飼っている猫がいるなら、どんな様子だったか…

家のまわりはどんな状況だったか。

簡単でいいのです。


自分が探すために何をしたか、

時間の経緯ごとに記していきましょう。


そうすると…満足感がえられます。

そして、時間がたつにつれて、「していないこと」が今度は見えてきます。


探そうと決めてから、

私の場合、まずは捜索用にツイッターのアカウントを取得しました。
もちろん、拡散によって探してもらうことを他者に期待したわけではありません。


探す履歴を記録につけることによって、

自分のしたことに安堵し、

それから冷静にどうすればいいか、

今後の方策を練れるようにするためです。

猫がいないということは非日常の事態です。
すぐに自分の手に負える事態ではありません。

一人きりでは難しいことです。

けれども探す人間が捜索についての状況を把握することは大切です。


記録することで冷静になれます。

冷静になるとは、俯瞰的視点を手に入れるということです。

ツイッターでは、

同じように猫を探している人とつながることによって、

同じ悩みを共有することができます。

情報の共有よりも、

同じ気持ち、同じ悩みを共有することは何より強みです。


いなくなってから時間がたっているけど、記録をつけていないという方は…

今までしたことを思い出せる限り、

その時間帯や、どれくらいの時間行なったかを箇条書きにしてみてください。


思った以上に「行動」は少ないことに気づくかもしれません。




3.ビラをつくる
ビラをつくるのも時間がかかります。

まず、どの写真を使うかということ、

文面をどうするべきかということを考える必要があります。


搜索の合間に、写真を選んでおきましょう。
文章については、すぐ文章にできるように、簡単なメモをとっておきましょう。

あとの作業が楽になります。


パソコンを持っているなら、とてもいいことですね。

画像とテキストを配置させ、ビラをつくる作業が簡単にできるなら、なおさらです。


パソコンを持っていなくても、作業はラクです。
紙に写真を張って、文章を書き込み、どこかでコピーしましょう。

無理にオールカラーにする必要はありません。

白黒のビラしかつくれないなら、文章やレイアウトで丁寧に伝えればいいのです。


無理にお金をかけたり、探偵社や印刷会社に頼み込んでビラをつくる必要はありません。

むしろ、ビラを無駄にばらまく数が増えるほど、

あなたの迷い猫を求める情報は、

世の中の人にとって、

ほかのさまざまな煩瑣な情報のなかに埋没してしまう可能性があります。


それができないから、それをしないためにも、その代わり、足を使うのです。


つまり…広範に渡るバラマキよりも、

受け取ってもらえそうな地域、

人々に対して敬意と礼儀を払い、

注意深さをもって接するのです。


もちろん協力者がたくさん得られたら、どんどんお願いしてもかまいません。

複合的に明るい要素はどんどん取り入れて探すための糧にしましょう。


写真を選んで貼り付けて、文章を書き込む。

そうした作業に、すぐに取り掛かる必要はないかも知れません。

けれど、つくっておくことが大切です。

作り方については後述します。

 

さて、つくるところまでで、まずは充分です。

「ビラを貼る」ことについては、慎重になりましょう。


猫がいないくらいでビラを貼るなんて、と

笑われるのではないだろうかと常識的な人なら考えます。


猫のために必死になることについて、つきまとう感情があります。

「恥ずかしい」というものです。

恥ずかしさを克服できない人のとる行動が、

「どうしていいかわからない」「いなくなって悲しい」と泣くことです。

本当はどうすればいいかわかっているけれども、恥ずかしくて、その行動がとれない。


では、ビラを貼るとは具体的にはどのようなことでしょうか。

逆にいえば、どんな方法なら恥ずかしくないでしょうか。
他人に迷惑がかからないよう、やり方を替えればいいのです。

そして、それは猫を探す上でも効率がいいのです。


実は私は家の近隣、向こう三軒…といった界隈には一枚もビラを貼っていません。

その界隈に猫がいるなら自力で戻ってくるか、見つけ出すかできている可能性が高いからです。

そのことに気づいたとき、私は正直安心しました。

自分を見知らぬ他者から特定されることは、今の時代、結構いやなものです。

けれど、考えすぎる必要はありません。

恥ずかしいと感じるほどの近所には猫はいないのです。


だからといって、普段関わりのない地域であれば、

恥知らずなマネをいくらしても許されるということにはなりませんから、

それは重々自覚しましょう。


他人から見たらたった一日でも、自分にとっては長い長い24時間でしょう。


実際、恥ずかしいからビラを貼らないという選択肢もあります。
けれども、家でビラをつくっておくという行為はどうでしょうか。
きっと、たやすくできることだと思います。
つくることによって、少しだけ安心できるはずです。

写真については、今後の捜索のために何枚か携帯するための写真も選びましょう。
これで大丈夫です。
猫ともう一度会うための準備が整いました。


ビラを貼ること、配ることについては慎重になりましょう。

自分の恥ずかしさのためだけではありません。

何故恥ずかしいのか…それは受取り手にとって迷惑になる可能性があるからです。


パッと派手にチラシを手当り次第に撒けば見つかるものでしょうか。

それで見つかる場合とはどんな事例でしょうか…考えてみます。

まず、普通の人は猫に注目しません。


近所の人が見つけているなら、自分にも見つけられているはずです。

それ以前に猫は自力で戻ってこれるのではないでしょうか。

自宅の向こう3軒、といった界隈はその時点で捜索範囲からは外していいかもしれません。


手当たりしだいに近所でチラシを撒いて情報が得られるケース…
該当するケースがあるとすれば、

恐らく猫が保護されていれば、すぐに連絡がくるのではないでしょうか。

そのような幸運な可能性にまっさきに賭けるのもいいかもしれませんが…

まずは足で探しましょう。

捜索する地域を特定すること。

観察することです。


これらの手立てについては後述します。




猫を探し出す3つのコツ 2

事実を示しましょう。
見つけ出した過程を簡単に報告しておきます。
2011.4/10 午前1-3時頃不明になりました。
近隣を時間帯を変えて捜しているうちに、夜中、ある地域で鳴き声が聞こえまし
翌日、その地域重点を置いてビラ貼りをしました。
4/14 午前7時半頃150メートル内のアパート付近住民より情報がありました。
駆けつけて、保護に至りました。

いなくなったと気づいたらすぐに探すことです。
地図をみること、足で捜すことです。
「いそう」か「いそうにない」か見当をつけることも大事です。 

最初、その猫を捜しているのは世界に自分ひとりだけでした
けれども、見つけだすのは一人の力だけではムリだということが、探しているうちによくわかりました

私の場合、鳴き声が聞こえた、という分かれ目でした
あの鳴き声を聞き取っていなかったら見つけ出せなかったかもしれません
もちろん、自分の力なくして見つけ出せはしませんでした。
けれど、一人きりの力だけでも保護はできなかったことでしょう
猫が鳴いてくれたおかげです。
知らせてくれた人がいたからです。
そして、人々が心配してくれる気持ちに、探している過程で励まされたからです。
それは捜すうちによく実感できたことでした。



猫がいなくなった時のこと

まずは私の猫についてお話しておきます。
いなくなったのは「老齢」で「雌」の雑種です。

活動範囲は自宅のアパートの室内と、その付近、それもごく狭い範囲に限られていました

来歴は7年ほど。我が家に来た時点で相当の高齢でした。
野良猫としての生活が長かったす。推定年齢は1416才程。

飼い始めた頃は腎臓と肝臓が弱っていました。

腎臓は老齢猫にありがちな症例です
肝臓は野良生活の影響とみられました。
獣医にも匙を投げられました
けれど、「イ/////ス」という薬で見事回復しました

猫に多い突然変異で通常7本の背骨がひとつ少ない6本のみ。
腸が短い影響で便秘しやすく、便秘が痙攣を引き起こすことがしばしばありました。

我が家にきたときは近所の広い範囲や壁の上を散歩することもよくありました。
活動範囲は年とともにせばまり、
週に何度か外にでても5分から10分ほどで戻ってくるようになりました。

現在、戻ってきてからは外出するときは必ず一緒に出て目を離さないようにしています。

4月10日のことです
夜中、私はアパートのドアを少しだけ開いていました。
そこからもう一頭の猫が自由に出入りできるようにしています。
時折、いなくなった猫もそこから出入りすることがあるのです。
それでもすぐに戻ってくるので、その日もそのようにしていました。
その夜、いなくなった猫が私に何か訴えるように鳴いてきました。
私は手元のパソコンでの作業に集中していたため、また、よくあることなので放っておきました。

この「無視」が後々、どれほど私をさいなむことになったことかわかりません。

私をじっと見たあと、猫はいつものように外へ出ました。
いつもなら10分以内には戻ってくるため、放っておきました。

そして、作業に没頭し…
深夜3時頃、ふと、まだ戻っていないという懸念が頭をよぎりました。
けれども、きっと待っていれば戻るだろうと鈍い考えで解決させようとしました。

けれど、5時頃になっても、猫は戻りませんでした。
驚きと恐怖にとらわれながらも、この時点で充分危機感を感じていたのですが…
焦燥のうちにも眠りこんでしまいました

今思えば、
日常からかけ離れたことが起きたときの第一歩として、
どうしていいかわからなかったのです。






猫がいなくなったことに気づいたら…

目が覚めてから、改めて恐慌状態に陥ってしまいました。

 

弱い状態の猫を見失うことは恐ろしいことです。



絶望しきった状態ですが、たやすく友人知人に漏らすことのできる話でもありません…
心配をかけてしまうだけです。
そこで、普段から利用してるtwitterで猫がいなくなったことをつぶやきました。

 

すると、同じように猫が行方不明になった経験のあるフォロワーさんから、
すぐに保健所などの機関に連絡するようアドバイスをいただきました。

 

それを見て私ははっとしました。
このときのフォロワーさんの一言には今でも感謝しています。

泣いている場合ではありませんでした。

私の場合はたまたまtwitterでした。
けれどもご家族がいるなら、まずはご家族に話してみるのがいい手立てだと思います。
そして、今後探したい気持ちがあるなら意思表示しましょう。
長期的に探すにはどうすればいいか…それは歩いて探すことです。
チラシ作成や捜索にご家族が協力的なら、それはとてもありがたいことだと思います。
もしも協力が得られる見込みがないなら、
諦めるように説得される前に、まずは自分で歩いて探せばいいのです。




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