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牛乳、パン、豆腐、水、弁当などが、東京近郊のスーパーやコンビ二からなくなった。レジには大量に食品を買い込んだ客の列があった。ありあまるほど食品があった時代から、明日の食事にも困る食料不足の時代へ。歴史の転換点は迫っている。食の恵み、命の継続を尊ぼう。
神様が海の果てで笑っている。僕は神様の顔を見ている。神様は海の上で踊り、津波を引き起こしている。僕の足元に津波が迫ってくる。僕は津波に飲まれる。神様は踊っている。僕は流されていく。神様の体が二つに裂けた。僕の体も二つに裂けた。
何故僕は助かったのか。何故私は今日も生きているのか。偶然だ。生き残ってしまっているという罪の意識を感じないようにするために、自分にできることを考えて、実行する。明日も生きて、活動する。
いつも朝のラッシュを避ける為、早めに家を出て電車に乗るのだが、今日は計画停電の影響か、早朝から満員電車だった。午後3時過ぎに電車に乗った際も、帰宅ラッシュ時のような混雑ぶり。今までどれだけ便利で快適な社会だったのかを痛感した。
排気ガスを取り込んで凶悪化したスギ花粉とともに、今日の東京には、はるばる福島の原発からやってきた放射能が飛散した。東京電力は、カフカの小説のごとくお役所的で不条理で、しどろもどろな対応を続けている。朝の丸の内線は大混雑だったが、帰りの丸の内線はすいていた。

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