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1 新任職員のあなたへ
児童養護施設で働き始めた、その日から、あなたは、福祉従事者としてのプロ(専門家)です。子どもたちも、その保護者も、更に関係機関も、そのように見ます。プロは、その業務に関して、常に勤勉であることが求められます。児童養護施設では現場の職員を「直接処遇職員」と呼びますが、直接処遇とは、子どもたちに対しての直接処遇であり、つまり、あなたは、子どもたちへの対応に関して、常に学び、分からない時は、書籍やその他の専門家からアドバイスを求めることが重要です。勿論、同僚からアドバイスを貰う時もあることでしょう。その際、そのアドバイスを真摯に受け止め活用していく柔軟性も求められます。
あなたは、子どもたちへの対応を工夫していく専門家です。その工夫が上手くいった時、保護者にフィードバックしていく、そこに専門家としての醍醐味が見いだせます。保護者が家庭において対応困難と認めざるを得なかった子どももいることでしょう。そんな、子どもや家族において、児童養護施設は、救いの場ではないでしょうか。
常に、初心に戻りましょう。「子どもたちのために働きたい」、誰もが、夢と希望を持って働き始めたことでしょう。子どもたちへの対応が難しければ難しいほど、子どもたちから学ぶことは、たくさんあると思います。それが「共育」(共に育つ)なのです。
プロとして最も基本的な内容は、「仕事に私情を挟まない」と言う事です。私たちは、つい、プライベートでイライラする事柄が生じると、それを仕事の時間まで引きずってしまったり、チームワークの中で、職員関係が偏ってしまったり、昨日遅くまで飲んでしまい仕事の時に居眠りをしたり、やる気を失っていたり等が、人間だからありえます。
しかし、私たちは、プロです。例え、心の中では、泣いていても、子どもたちには、笑顔で対応するくらいの意識を持てるくらい自分を鍛えていくこと、そのプロセスを自覚と表現できます。また、プロゆえに普段の健康管理も大切になります。体調を崩すと意欲の低下に繋がり、それは、子どもたちや他の職員に迷惑をかけることに繋がります。
私たちの役割で最も重要なことの一つに子どもたちと時間を共有することが挙げられます。それは、仕事的には、サボタージュに見られそうですが、明らかな勘違いです。生活の中の心のケアとして重要なことは、さりげないコミュニケーションです。
「どうせ私のことなんか見てくれてない」「気が向いた時だけ関わるのはやめて」、子どもたちの心の声が聞こえてきませんか。私たちは、積極的に子どもたちに関わることが大切です。必要な時だけとか時々とかでは、子どもたちは、満足しません。細く長く、つまり継続的に関わっていくことが重要なのです。「いつも、私のことを見てくれているんだ。気にしてくれているんだ。」の感覚が子どもたちを安心へと導いていくことでしょう。
話題は、どこにでも転がっています。服装・ニュース・TV番組・行事・趣味・天気・体調・遊び等々です。時には、夢を語り合うこともいいでしょう。また、駄洒落に代表される無駄話も大切です。無駄話をきっかけに笑いが生じ、それが笑顔へと繋がっていくからです。結局、コミュニケーションの最終形態は、「笑顔」と言う事になります。
子どもたちに対応する時、知識に頼ろうとしていませんか。あるいは、考えすぎていませんか。勿論、専門的な知識も確かに大切です。しかし、まず私たちが会得しなければいけないことは、子どもたちとの付き合い方の「感覚」では、ないでしょうか。具体的には、
①言葉がけによる、表情・仕草・言動・体調の変化。
②お話・注意・叱責時に於ける、表情・仕草・言動・体調の変化。
③スキンシップ(握手・ハイタッチ・だっこ・おんぶ・肩車・体を洗ってあげる・くすぐる・プロレスごっこ・添え寝・ほっぺに触れる・頭を撫でる等々)による表情・仕草・言動・体調の変化。
④対応のタイミングに於ける表情・仕草・言動・体調の変化。
⑤情緒的不安定の状態。
⑥本当に体調が悪いのか?体調が悪いと自分で追い込んでいるのか。風邪等の疾患の予兆なのか。仮病なのか等々の判断。
⑦幼少期・少女少年期・思春期・青年期、様々な時期の子どもたちの心の揺れ。
⑧まだまだ、いろいろあると思いますが、ここでは、省略します。
これらの状況は、知識だけでは、臨機応変対応できません。各々の職員が感覚的に会得し、そのためには、様々な対応を試行錯誤する必要があります。只、引継ぎに於いて感覚的な部分は、難しい場合があります。そのような時は、客観的事実を引き継げば、よいでしょう。
あなたは、研修に参加することもあります。そこに参加費・交通費・日当・宿泊費等のコストが掛かっています。その費用は、措置費つまり税金から工面される訳です。つまり、マンパワーの育成と言う観点から国民が投資していると考えても過言ではないでしょう。従って、研修中に居眠りをしたり、退出して観光したりはもっての外の行為です。また、研修後は、その情報を職場に還元することが義務です。「研修報告書」を確実に提出しましょう。
児童福祉に対する意欲を持続し働ける職場、これが児童養護施設でありたいと望みます。そのために必要なことの一つに、同僚間の励まし合いが挙げられます。「褒める」「認める」「力づける」「助言する」「補助する」「フォローする」そして、時には「叱咤激励」する。失敗したときは、振り返って失敗理由を探したり、慰め合ったり、協力しあったりなどなど、このようなシーンの積み重ねが職場を活性化し、職場全体がレベルアップしていく原動力になることでしょう。まずは、同僚を認め信頼しあうことから始めましょう。
最後に、子どもたちは、大人に成長するとき、人生について次の根本的な疑問に対して、解答を求める必要があります。
①私は何なのか:自己の確立
②私は何故生きているのか:人生の意義
③私は何をなすべきか:人生の目的
そして、子どもたちの大人への成長に関わっていくのが、私たちワーカーです。子どもたちは、日々大人に向かって成長しています。一日たりとも無駄にはできないわけです。「共育」、私たちも子どもたちと共に、自己の確立、人生の意義、人生の目的について解答を求めていき、互いに成長していきましょう。
あなたは、子どもたちへの対応を工夫していく専門家です。その工夫が上手くいった時、保護者にフィードバックしていく、そこに専門家としての醍醐味が見いだせます。保護者が家庭において対応困難と認めざるを得なかった子どももいることでしょう。そんな、子どもや家族において、児童養護施設は、救いの場ではないでしょうか。
常に、初心に戻りましょう。「子どもたちのために働きたい」、誰もが、夢と希望を持って働き始めたことでしょう。子どもたちへの対応が難しければ難しいほど、子どもたちから学ぶことは、たくさんあると思います。それが「共育」(共に育つ)なのです。
プロとして最も基本的な内容は、「仕事に私情を挟まない」と言う事です。私たちは、つい、プライベートでイライラする事柄が生じると、それを仕事の時間まで引きずってしまったり、チームワークの中で、職員関係が偏ってしまったり、昨日遅くまで飲んでしまい仕事の時に居眠りをしたり、やる気を失っていたり等が、人間だからありえます。
しかし、私たちは、プロです。例え、心の中では、泣いていても、子どもたちには、笑顔で対応するくらいの意識を持てるくらい自分を鍛えていくこと、そのプロセスを自覚と表現できます。また、プロゆえに普段の健康管理も大切になります。体調を崩すと意欲の低下に繋がり、それは、子どもたちや他の職員に迷惑をかけることに繋がります。
私たちの役割で最も重要なことの一つに子どもたちと時間を共有することが挙げられます。それは、仕事的には、サボタージュに見られそうですが、明らかな勘違いです。生活の中の心のケアとして重要なことは、さりげないコミュニケーションです。
「どうせ私のことなんか見てくれてない」「気が向いた時だけ関わるのはやめて」、子どもたちの心の声が聞こえてきませんか。私たちは、積極的に子どもたちに関わることが大切です。必要な時だけとか時々とかでは、子どもたちは、満足しません。細く長く、つまり継続的に関わっていくことが重要なのです。「いつも、私のことを見てくれているんだ。気にしてくれているんだ。」の感覚が子どもたちを安心へと導いていくことでしょう。
話題は、どこにでも転がっています。服装・ニュース・TV番組・行事・趣味・天気・体調・遊び等々です。時には、夢を語り合うこともいいでしょう。また、駄洒落に代表される無駄話も大切です。無駄話をきっかけに笑いが生じ、それが笑顔へと繋がっていくからです。結局、コミュニケーションの最終形態は、「笑顔」と言う事になります。
子どもたちに対応する時、知識に頼ろうとしていませんか。あるいは、考えすぎていませんか。勿論、専門的な知識も確かに大切です。しかし、まず私たちが会得しなければいけないことは、子どもたちとの付き合い方の「感覚」では、ないでしょうか。具体的には、
①言葉がけによる、表情・仕草・言動・体調の変化。
②お話・注意・叱責時に於ける、表情・仕草・言動・体調の変化。
③スキンシップ(握手・ハイタッチ・だっこ・おんぶ・肩車・体を洗ってあげる・くすぐる・プロレスごっこ・添え寝・ほっぺに触れる・頭を撫でる等々)による表情・仕草・言動・体調の変化。
④対応のタイミングに於ける表情・仕草・言動・体調の変化。
⑤情緒的不安定の状態。
⑥本当に体調が悪いのか?体調が悪いと自分で追い込んでいるのか。風邪等の疾患の予兆なのか。仮病なのか等々の判断。
⑦幼少期・少女少年期・思春期・青年期、様々な時期の子どもたちの心の揺れ。
⑧まだまだ、いろいろあると思いますが、ここでは、省略します。
これらの状況は、知識だけでは、臨機応変対応できません。各々の職員が感覚的に会得し、そのためには、様々な対応を試行錯誤する必要があります。只、引継ぎに於いて感覚的な部分は、難しい場合があります。そのような時は、客観的事実を引き継げば、よいでしょう。
あなたは、研修に参加することもあります。そこに参加費・交通費・日当・宿泊費等のコストが掛かっています。その費用は、措置費つまり税金から工面される訳です。つまり、マンパワーの育成と言う観点から国民が投資していると考えても過言ではないでしょう。従って、研修中に居眠りをしたり、退出して観光したりはもっての外の行為です。また、研修後は、その情報を職場に還元することが義務です。「研修報告書」を確実に提出しましょう。
児童福祉に対する意欲を持続し働ける職場、これが児童養護施設でありたいと望みます。そのために必要なことの一つに、同僚間の励まし合いが挙げられます。「褒める」「認める」「力づける」「助言する」「補助する」「フォローする」そして、時には「叱咤激励」する。失敗したときは、振り返って失敗理由を探したり、慰め合ったり、協力しあったりなどなど、このようなシーンの積み重ねが職場を活性化し、職場全体がレベルアップしていく原動力になることでしょう。まずは、同僚を認め信頼しあうことから始めましょう。
最後に、子どもたちは、大人に成長するとき、人生について次の根本的な疑問に対して、解答を求める必要があります。
①私は何なのか:自己の確立
②私は何故生きているのか:人生の意義
③私は何をなすべきか:人生の目的
そして、子どもたちの大人への成長に関わっていくのが、私たちワーカーです。子どもたちは、日々大人に向かって成長しています。一日たりとも無駄にはできないわけです。「共育」、私たちも子どもたちと共に、自己の確立、人生の意義、人生の目的について解答を求めていき、互いに成長していきましょう。