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震災後の川北 3

 

 

・29・
「老人達はそれでいいだろうさ。だが、後に残された者達はどうなる?この負の遺産を背負って生きていけというのか?」川北は木下社長に言った。「…そこまでは、考えもしなかったな」力の抜けた様子で、木下社長は言った。「とぼけるんじゃねぇ!こうなるコトはわかってたハズだ!」 #twnovel

 

 


どんなところでも、生きていける…?

 

 

・30・

「どんなところでも、住んでいけますよ」笑顔で彼女は言った。「なぜ?僕の所に来ればいいのに」「…私の最愛の人は、ココでいなくなりました。まだ、生きているかも…」「そんなコト…」言葉を失う僕。彼女の目は哀しく潤んでいた。「もう私は、大切なモノは失いたくないんです!」 #twnovel

 

 


演説 3

 

 

・31・
「諸君!我々は失敗した…。誰の責任だと思う?」隊長は隊員を見渡す。「…申し訳ない!失敗の責任は全て私にある!…しかしまだコレが、完全な失敗だと決まった訳じゃない。もう一度、チカラを貸してくれ!信じてくれ!」隊長はアタマを下げる。「やろう。二度と失敗はしない!」 #twnovel

 

 


完璧な花畑

 

 

・32・
「花畑を作ろう」彼はそう決めた。全てを失った土地でも、花は咲く。彼はひたすら花を植え続けて一生を終えた。10年後、そこは景勝地として、観光客の訪れる場所となった。「…綺麗だ…」観光客達は思わず目を見張る。完璧に計画された花畑。それは世界にも例を見ないモノだった。 #twnovel

 

 


どんなところでも、生きていく…!

 

 

・33・

「…行くわ。いつか戻ってくるためにも」彼女は再び、力強さを取り戻していた。「確かにココに残っていても…私は静かに死んでいくだけ…」僕の左手を握りしめて言う。「生きるわ。ありがとう。私は、私のために生きる。そして伝えていく。彼の思い出を」僕は泣きそうになっていた。 #twnovel

 

 



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