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5.1 まとめ

不況期において,企業は多くの人員を抱えることはできず,逆に,人材の質は今まで以上に重要となる。

現在,組織のスリム化や人員の削減,再配置による適正化が進んだ結果,少数精鋭型で,数少ない人員が第一線で活躍しているケースが多い。

そんな状況下において,団塊世代の大量退職,少子化の進行,また転職市場の活性によって,中堅社員が他社や海外に流出している。その為,優秀な人材の確保及び人材育成は,企業の競争力維持において,経営課題の一つであると考えられる。

そこで人材育成をテーマに,社内の現状及び各種記事の調査から以下の改善案を提案した。


(1) OJT制度のメリットを最大限に引き出すにあたり,人材育成基本コンセプト及び指導者条件の明確化、組織全体の育成の仕組みの整備、能力の把握、計画性が揃って無くてはならないことを提案した。

また整備,計画を立案するにあたり,基本骨格となる,企業理念を実現する人材育成コンセプトを明確化が重要であることを述べた。またV字回復を実現する人材育成基本コンセプトの提案として,9つの基本技能を修得が必要であると提案した。



(2) 第3章では,人材育成の設計思想として,対話の機会を創出する取り組みと,文書力教育についてまとめた。

コミュニケーション法を育成するために,定期的な教育と日常業務における実践を繰り返し,対話機会を創出することが必要である。

そこで,対話機会の創出目的として,ミーティング,ブレインストーミング等,低階層の会議,打合せもオープン化し,異なる部門及びグループ員も自由参加することを提案した。

また対話機会が大幅に増えるため,上記9つの基本技能に関連した思考法及び,コミュニケーション法が習得されていくと考えられる。

さらに,3.3節では文章教育の重要性について述べた。現在社内においては,先輩,所属長が,個人にかかりきりになり添削指導していた。これでは,作業ロスが生じる可能性がある。

そこで,文書力の基礎教育を行うことを提案した。業務における文書の位置づけと文書作成の基本技術,文書構成,表現,を教育することは,より高度レベルのビジネス文書作成ができるようになるだけでなく,業務スピードを向上させることができると考える。また,所属長の添削指導時間の軽減,文書力の底上が期待される。



(3) 第4章では教育効果測定の重要性について述べた。

人材育成評価は,教育直後のアンケートの良し悪しだけを評価の判断材料としている場合が多い。

人材育成を計画する場合,その育成プログラムが支払い労力やコスト以上の価値を生み出すか,教育効果を測定することが重要である,そこで定量的な評価項目として,米国のTraining Magazineが人材育成における優良企業ランキングを作成する際に参照している項目例を紹介した。教育効果測定に力を入れることで,人材育成費用の無駄を洗い出すことが出来る。





5.2 今後の課題

人材の重要性を強調する企業は多い。


しかし,個々の社員のパフォーマンスについて踏み込んで教育するのは容易ではない。

なぜなら,人材育成業務は,組織に横断的であり,現場における実作業よりは重要性は低い。

そして教育コストは目に見えるが,教育効果は見えにくい。

もしくは教育効果確認を最初から放置している。このような状況において,人材育成の責任は曖昧なものになる。

アメリカのクリエイティブ・リーダーシップ・センターの元研究員マイク・ロンバルト氏は,組織には学習能力という観点から見て,「積極的学習者(全体の10%)」「消極的学習者(全体の60%)」「学習拒否者(30%)」の3種類の人材がいると述べている(3

好景気時は,新人社員達を現場に放置しておいても,一部積極的学習者が成長して企業業績に貢献し,残り70%の人員をカバーしていた。

しかし経済不況期において,このやり方は,企業成長の大きなロスとなる。

消極的学習者及び学習拒否者の可能性を引き出すことは重要であり,人材育成において,他企業の差別化による競争優位性を確保できる。



経済不況期においては,人材育成が手薄になってしまい,質の面からも後々の人材不足の原因となりかねない。

今後,全社的に人の質を上げていく為,中長期の事業構想と実行する組織や人材のあり方,教育コスト面から,人材育成戦略を描き,それを全体に示していく必要があると考える。


奥付



不況期における企業を強くする人材育成術


http://p.booklog.jp/book/23008


著者 : snaker
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発行所 : ブクログのパブー(http://p.booklog.jp/
運営会社:株式会社paperboy&co.


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