過激なダイエットは逆効果
ダイエット相談に来られる殆どの方が「何でもよいから、とにかくラクして痩せたいのですが・・・」というもので、この願いには応えられず、いつも困っています。
私共では、健康な体作りを目指しており、何でもよいから痩せたい!という、不健康になる方法を提案していないためです。
1ヶ月に3キロ以上も痩せることは、とても危険であり、どんどんと成人病体質を作ってしまいます。
痩せるために、皆さん食事制限をしたり、OOダイエットというように、特定の食品だけをとってしのぐ方法がありますが、摂取カロリーを減らすと、最初の30分は糖が利用されますがそれからは、アミノ酸を燃やしてエネルギー源を作ってゆきます。
なぜなら、無酸素でエネルギーを作り出すことができるのは、糖とアミノ酸だけだからです。
肝腎な脂肪は、有酸素状態・・・つまり、筋肉を動かして運動をしないと燃やしてエネルギー源を作り出すことができません。
従って、運動なしで食事制限をしていると、筋肉がどんどん痩せてゆき、体脂肪率はダイエットするたびに多くなってゆきます。
こうなると、水を飲んでも太るような代謝の悪い体になります。そればかりか、急激に、危険な内臓脂肪が増えてゆきます。
また、食事を制限しながら、運動していても、短期間に体重が減りすぎると体は危機感を感じ内臓脂肪を増やして、緊急時に対応しようとします。内臓脂肪というのは、脂肪酸を分泌し、摂食中枢が刺激されて、どんどんと甘いもの、油物を欲し易くします。また、インスリン抵抗性を高め、糖を入れても入れても、エネルギー源として利用されない体となり、ますます多食に拍車をかけます。
さらに、血液の粘性を高め、血栓を作ったり、アテローム硬化を促進する働きもあります。こうなると脳梗塞や心筋梗塞などの病気の原因になるばかりかガンや、感染症も誘発しやすくなります。
更年期の女性は、今まで女性ホルモンに守られていましたが、閉経前後は、女性ホルモンの減少により脂質代謝が変わり、特に内臓脂肪がつきやすいので注意が必要です。
歳をとるほど痩せにくくなり、ダイエットすればするほど内蔵脂肪がついて、病気を促進しますので、ムリなダイエットほど、体を損なうものはありません。
(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)05-07
お腹が張る原因
お腹がパンパンに張って苦しい・・・というご相談をよく受けることがあります。お腹が張る原因には、腹水や痞塊(腫瘍など)等もありますが、今回はガスによる鼓脹についてお話したいと思います。
臓腑においての腑は、袋をなすもので、胃袋、小腸、大腸、膀胱・・・などすべて内容物が溜まると、蠕動運動により排泄されて、空っぽになり、また次の内容物を受け入れるというしくみになっていますね。
腑は蠕動運動することがとても大切で、この動きが止まるといろいろな不具合が生じます。
消化管の蠕動運動が弱くなると、食べ物が長時間滞在して、そこで腐敗してガスが生じます。つまり、お腹が張るのは、消化管の動きが鈍くなっているためです。
では次に、消化管の動きを止めてしまう様々な原因について考えてみましょう。
1,お腹が冷えている=冷たいものを飲んだり食べたりしてお腹が冷えることの他に、甘いおやつやジュースを空腹時に摂ると、消化管が蠕動運動しなくても、ダイレクトにブドウ糖が吸収されてゆくので、消化管は動かなくなってしまいます。消化管が蠕動することにより、お腹は温まるので動きが悪くなるとさらにお腹が冷える・・・の悪循環にはまります。
2,油物を食べた=肉類の脂や、トランス脂肪酸、酸化された油などは、猛毒で消化吸収にダメージを与える他、消化が遅れて食べ物の滞在時間が長くなり、ガスが生じやすくなります。
3,精神的ストレスが入った=イヤな感情や不快な感情が生じると、腸管の動きはストップしてしまい、いっぺんにお腹が張ってきます。
4,肝の疲れ=肝臓は、食べ物や薬品、添加物の解毒の他、不快感情により生じた有害な神経伝達物質やホルモンなども解毒しています。様々な疲労が重なり、肝の働きが追いつかないと、腸内環境も乱れてお腹が張りやすくなります。
5,脾胃の疲れ=食べ過ぎや飲み過ぎが続き、胃腸機能が低下しているときや、必要な栄養が摂れていないとき、消化管の動きが悪くなりやすくなります。
6,運動不足・・・足の筋肉が使われていない=筋肉と胃腸の働きとは密接な関係があり、座りっぱなしなどで、運動が不十分だと胃腸が動きにくくなります。お腹が張って悩んでおられる方は上記のことに注意されるほか
★柑橘類、ジャスミン茶、日本蕎麦、らっきょう、春菊、三つ葉、セロリ、パセリ、香菜などの香りの強い食べ物で気を巡らす★ニラのお粥、シナモンティーなど、お腹を温め食材をとる★発酵食品を取入れる★しじみ、あさり、牡蠣あどの貝類や、イカ、タコなどで肝機能を助ける★お腹を温める手当てを取入れる★カラタチ、発酵紅参、万寿酵素、ナノ型乳酸菌などで、消化機能を後押ししてあげる・・・などもご参考ください♪(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2017-07
代謝低下で起こるめまい
食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足などで代謝が低下するとめまい(眩暈)を起こすことがあります。
体の中に余分な水分が停滞すると、気の流れ、血の流れが妨げられ、頭部に栄養がいかず、代謝物が溜まりやすいのがこのタイプです。
このタイプのめまい(眩暈)の特徴は・・・
手足や体が重くだるい、いつも眠い、みぞおちあたりがスッキリせず、吐き気がある、食欲がない、頭が痛いまたは重いなどで、舌は腫れぼったく、歯痕がついていたり、全体的に白く、ベタッと粘りけのある白い苔がついている。
このタイプに良い食事は・・・
とにかく、食べ過ぎ、飲み過ぎを止めることです。とくに、甘い物、脂っこい物、生もの、冷たいものは控えましょう。その上で水はけをよくする、鳩麦、小豆、大根、トウガン、のり、こんぶ、干し椎茸、高野豆腐、麩などの乾物、春雨などをとりましょう。
緑豆春雨、チンゲンサイ、豆腐などを具にした、中華味のスープはとても美味しく、毒出しにお勧めです。
余分な水分と糖、コレステロール、中性脂肪等とサヨナラしてスッキリした体になりましょうね♪
(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)06-07
不快サヨナラ、痰濁のめまい
ここのところの不安定な気候で、今年は本当にめまいに悩まされる方が多いです。昼間は真夏のように暑いので、皆さんかなり水分をとっておられます。のどが渇いたときに、冷蔵庫から出してすぐの冷たいものを一気に飲むと、胃袋が氷嚢のようになって、動きが鈍ります。
夜も例年のように暑ければ、自然に水がはけてゆくのですが今年は夕方から西風~北風が吹き、秋~冬の冷えた風なのでいっぺんに体が冷えてしまいます。
夜は毛布が未だに離せないほどなので、昼間にとった水分はそのまま胃腸に停滞し、まるで体内氷嚢のように体を冷やします。
西洋医学的には、体が冷えて代謝が悪くなった状態です。
明け方はますます体が冷えて、朝から鼻水が止まらない、頭が重い、胸が痞える、吐き気がする、食欲がない、眠たく体に力が入らない、体がだるく重い・・・などの症状を伴うめまいが起きやすくなります。こんなとき、舌をみてみると、べたっと白い苔がついています。
このタイプのめまいは、とにかく胃腸を温めて、消化管を動かし、水はけを良くすることが大切です。
昼間に暑くても、冷たいものを一気のみせず、西瓜や、メロン、トマトなどの瓜類で喉の渇きを癒してください。
また、温かい飲み物の方が吸収されやすく、喉の渇きを素早くとってくれます。
どうしても冷たい物が欲しい人は、ゆっくり一口ずつ飲んでください。
また、そうめんや、冷や麦なども、勢いよくズルズルと流し込むのは胃腸を傷める元!少し噛んでから飲み込まれた方が宜しいですね。
(文:薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)07-07
熱中症予防に『熱さ指数』
ジリジリと照りつける太陽。あっという間に汗ばむ気節がやってきました。この時期気をつけなくてはいけないのが熱中症。 環境省のホームページによると熱中症とは、『高温環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破たんするなどして発症する障害の総称』だそうです。
熱中症は四つの種類に分けられます。まずは熱失神。皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少します。症状としては、立ちくらみや失神、顔面そう白や唇のしびれ、呼吸回数の増加などが挙げられます。次に熱疲労。大量の汗をかき脱水症状をおこします。脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがおきます。
これら熱失神や熱疲労を発症した場合の応急処置は、涼しい場所に移動し、水分を補給すること。吐き気やおう吐で水分補給が出来ない場合は病院に運びましょう。
長時間スポーツをする人に多いのが、熱けいれん。大量に汗をかき、水だけを補給して血液中の塩分が低下すると、足・腕・腹部の筋肉にけいれんがおきます。この場合は塩分を0.9%含んだ水を飲むと症状が改善します。具体的には1リットルの水に対して2グラムの食塩を溶かします。
最後に熱射病。これが一番危険です。体温の上昇のため、中枢機能に異常をきたします。意識障害があらわれ、頭痛、吐き気、めまいなどが起こり、最悪の場合、脳・心臓・肺などの臓器障害をおこして死に至ります。熱射病と思われる場合は直ちに救急車を呼び、待っている間に全身に水をかけたり濡れタオルをあて
たりして体を冷やしてあげてください。
このような熱中症にかからないためには、薄着を心掛けること、熱い日の外出は控えて冷房のきいた室内にいること、十分な睡眠をとって体調を整えることが大切です。
2013年、6月1日より環境省では『熱さ指数』のメール配信を実施しています。この情報を基に、自ら熱さ対策をするのも熱中症を防ぐことにつながると思います。
(フードアナリスト 愛川いつき/絵:そねたあゆみ)13-07