目次
リベラルな電波グラビア館
俳優・宇梶《うかじ》剛士《たかし》の母がアイヌを語る
小沢一郎にハマる中高年左翼たちの謎
追跡 大阪土地差別調査事件
追跡 大阪土地差別調査事件
「隠蔽《いんぺい》」と「暴露《ばくろ》」
同和地区が個人情報であるという拡大解釈
糾弾はビジネス? 企業が入会をすすめられる「同企連」の会費は○○万円
ワイド 大阪同和大帝国
やっぱりあった“大阪府部落リスト” 作ったのはあの団体
同和奨学金返還業務は大阪市職員の墓場?
隣保館運営費等補助金は一般対策!?
豊中市同和住宅 一般化の意外な手法
大阪地域支援人権金融公社のなんでやねん? 極楽返済計画
興信所条例改正を迫る民主党にギブアップ気味の橋下府知事
自伝本はゴールできなかったサッカー日本代表・李(り)忠成(ただなり)
自伝本はゴールできなかったサッカー日本代表・李《り》忠成《ただなり》
声に出して読みたい「同和と在日」文献の旅
第1回「大阪の部落史第7巻」
草津市ゴージャス隣保館ぶっちゃけ裏事情
自立したくても自立できない、甘やかしと甘えの構造
同和地区と一般地区に立ちふさがる壁
滋賀県同和行政バトル日記⑤
第2回口頭弁論「公営住宅の名称と位置は個人情報か?」

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俳優・宇梶《うかじ》剛士《たかし》の母がアイヌを語る


アイヌ運動家の間でも一目置かれる宇梶氏。若い活動家からは母親のように慕われていた。
 ひょっとしたら本誌、「同和と在日」もいつかは「同和と在日とアイヌ」になるかもしれない。というのも実に問題の本質が酷似しているからだ。アイヌ問題は、これから先、第2の同和になる可能性がある。北海道は、平成18年度北海道アイヌ生活実態調査を実施。実はこの調査自体が“実態”であったのか、とても疑わしい。平成18年度で2万3782人のアイヌがいたことを報告したこの調査。ところが誰に聞いたかと言えば、「地域社会でアイヌの血を受け継いでいると思われる方、また、婚姻・養子縁組等によりそれらの方と同一の生計を営んでいる方」としている。つまり誰がアイヌかと明確に定義していないのだ。
 何か昭和40年の同和対策審議会の回答を思わす“定義の曖昧さ”である。2008年6月6日に衆参両議院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択されて以来、アイヌ活動家たちの声が強まっている。2月19日、「国連人種差別撤廃委員会の勧告を実現! 先住民族アイヌの権利回復・審議会の設置を!「在日」・沖縄・あらゆる差別の撤廃!」でもアイヌ活動家が続々、登壇。その中心的な人物であるアイヌ・ウタリ連絡会代表の宇梶《うかじ》静江《しずえ》氏。この名を聞いてピンとくる人も多いはずだ。俳優の宇梶剛士《たかし》氏の母である。
 静江氏はアイヌに関する童話など作家としても活躍し、アイヌ運動家のシンボル的な存在だ。
「旧土人という名の下に隔離政策をやられて、それ以来困窮の一途をたどっています。自分のたちの大切な文化財産を自分たちの手で復元し、再現することができない。途中、しかし復元中ですね。私たちの誇りある伝統を皆さまとともに復元して、犯された心も仕事も復元して、社会作りの担い手になる。私たちは何をするにも学歴もないお金もない、あるのは先祖がくれた文化だけで、みなさんとともにこの文化を作っていきたい。アイヌの青年たちが勉強されて、大切なものを掘り起こして力を出していくといいと思います。心をわけあって、いくことが心の光りにつながっていくと思います」
 もっともこうした主張自体は、アイヌに限らず在日、同和でも共通するものだ。それよりも疑問に思うのが彼らのアイヌ擁護運動家たちの言説。谷口《たにぐち》滋《しげる》元東京都同和教育研究協議会会長はこんな話をする。
「学校で子供たちにアイヌについて教えていると、子供たちは“でも先生、純粋なアイヌ民族っていないんでしょ”といいます。私は“じゃあ君たち純粋な日本民族はいるのか。日本人だっていろいろな民族が交じり合ってできたんじゃないのか”こういうとみんな納得してくれます」
 実によくできた話である。実はこう尋ねた子供の方が“冷静”なのだ。そもそもこの話からすれば、子供たちは「日本民族」を訴えている訳ではない。ところが彼らは「アイヌ民族」を強調し、固有の民族と訴える。である以上“これがアイヌ民族である”という定義や証明が必要のはずだ。特に社会的地位の改善と言うならば「アイヌ民族」の定義が曖昧では、また同和事業の二の舞になりかねない。アイヌとは何か、そして同和とは何か、明確な定義を一度、谷口氏に聞いてみたいものである。(三)


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追跡 大阪土地差別調査事件

 先月号「“ザル条例”大阪府部落差別調査等規制等条例に企業はどう向き合うべきか」でレポートした大阪の「土地差別調査事件」。調査地域が同和地区であることをほのめかすような報告書を作ったとして糾弾された株式会社工業市場研究所に続き、さらに別の理由で糾弾された2社が判明した。大阪に本社がある三洋ホームズ株式会社と、東京に本社がある株式会社読売広告社である。
 未だに各社への糾弾は続いているのだが、肝心の糾弾された企業の名前については、関係者は口をつぐむ。そのため、残念ながら、本誌が特定できたのは前述の3社だけである。
 一方、条例の改正により、企業が同和地区の場所を調査する行為を「違法化」する動きも進行中である。2月21日に開かれた大阪府議会定例会では、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例一部改正が提案されることになっている。条例改正案は、去年の4月12日に行われた、大阪府と部落解放同盟大阪府連合会の政策懇談会で橋下《はしもと》徹《とおる》府知事が約束した、知事肝入りのものだ。
 人権を守るため、差別を防ぐため、その上“同和がらみ”の案件ともなれば、その中身について表立って批判的な議論が行われることは、今までの経験上期待できない。おそらく共産党の議員が反対討論し、最後は賛成多数で可決されるという、いつものパターンで終わる可能性が非常に高い。
 しかし、条例が可決するかどうかということ自体は、あまり大きな問題ではない。なぜなら、本誌で指摘してきた通り、条例は“ザル”だからだ。そしてもう1つの理由は、今回の条例の改正に関わらず、同和地区の場所を企業が調べる行為は既に「大阪府個人情報保護条例違反」して、府による指導の対象になっているからだ。つまり、何も現状は変わらないのである。
 それでは、糾弾を行っている解放同盟大阪府連の狙いは何なのか。この条例の制定により、いったい誰が得するのだろうか。その背景を追求するうちに、関係者の意外な思惑が見えてきた。


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「隠蔽《いんぺい》」と「暴露《ばくろ》」

 糾弾を受けた企業の関係者によれば、事実関係という点では、ほぼ解放新聞の通りであるという。例えば工業市場研究所は「地域下位地域」「問題を抱えるエリアが混在する事から評価は低い」「解放会館や墓地などが目立ち、地元では敬遠されているエリア」といった遠まわしな表現で同和地区を示していた。
 三洋ホームズと読売広告社の案件については、さらに具体的なことが分かった。
 まず、「土地差別調査」の舞台となった物件は、豊中市末広町3丁目にある「サンメゾン豊中末広町ELDO」である。確かに問題の物件のある地域は、同和地区である岡町北《おかまちきた》地区と隣接しており、同じ「克明《こくめい》小学校」の校区内にある。
 インターネット上のマンション口コミ掲示板「マンションコミュニティ」には、この物件について近隣住民によるものと思われる情報がいくつか書き込まれている。例えば、こんなものだ。

かなり前向きに検討しています。
モデルルームに行くと既に4割くらい契約済みでした。
駅近で他の豊中の物件と比較しても割安ですが、なにか理由あるのでしょうか?

阪急線の西側やからやないの。

いや、西側は安いでしょう。
まあお子さんいなければ気にしない人もいるでしょうが。

↑ 理由はなんとなくわかりますが、イマドキ時代遅れですね。
 子供もいますが、環境はいいです。てゆうか普通でしょう。
 まあ高級住宅地の末広町1丁目は別としても、周りは普通の住宅地です。
 中桜塚や東豊中、千里なんかよりはブランド力は落ちるでしょうが、
 当然ながら環境では大阪市内・大阪南部や豊中の南に比べたらやはりいいでしょうね。

↑が理由で安いなら私なんかは逆に買いたいですね。でも買えない・・・・

ルクシールは高級地区じゃないかと思われる価格だけど、ここは?
価格みるとアレだよねぇ。11さんは今時時代遅れというけど、あのへんのスーパーで(エトレのオアシスではない)
堂々と万引きするちびっこギャングに見てただけで囲まれたり、レジの列当たり前に
割り込まれたり、自分が住んでる東側の北のほうではありえない。
囲まれたのは一昨年だよ。いまだに怖いこと遭遇率高いよ(;_;)
事実だから荒らしじゃないよ。
だから、西側はエトレ以外絶対いかない。

そんなこと言い出したら大阪のほとんどのとこ行けまへんがな。以前は淀川区、現在は東灘区に住んでますけど、たちの悪いのはどこにでも居てます。あなたは自身が安全だと思いこんでる地域から出なければ良い。

北摂でマンションを探していますが親や親戚に宝塚の方向を向いて線路の左側地域は買わない方が良いと言われました。
服部から蛍池はの間はどこもそうだと言うことです。少し知識に入れて頂ければ・・。

残念ながら、それはもう常識の域に達しています。。。

 総合すると豊中市の阪急線の西側は「アレの地域」つまりは“同和地区”として地元では非常によく知られているようだ。実際、阪急宝塚線の西側には岡町北と、蛍池《ほたるがいけ》(麻田《あさだ》とも呼ばれる)という同和地区がある。
「アレの地域」とは解放同盟関係者からすれば、「差別」と指弾するような表現かもしれないが、そう言われるのも無理からぬ事情がある。地元事情通はこう語る。
「豊中市では『人権教育推進モデル校区事業』が実施されてきました。この事業は、モデルになる学校を公募で募集し、一校につき約380万円の予算を割り当てる制度です。2002年から開始され、10年度までに4千万円近く予算が投じられてきました。高価なAV機器を買ったり、中には『解放新聞』を購読していた学校もあったそうです。だから保護者としては“立場宣言(自ら部落民であることを告白する教育)やゼッケン登校のような同和教育をされるのはいやだ”とか“筋の悪い親がいるかもしれない”と思ってしまうのでしょう」
 克明小学校は宝塚線沿線のすぐ脇、岡町駅から北に5分ほど行ったところにある。実際、克明小学校もこの事業の指定校で、ホームページには「かがやき学習」というプログラムも組まれ、部落問題学習も盛り込まれている。
 また「府内で同和教育を推進する大阪府人権教育研究協議会 (大人教)の公開研究の対象になっているのも克明小学校」(同)という話もある。豊中市人権教育企画課は「人権教育推進モデル校区事業は、予算の編成上、不公平があってはならないということで4年後ごとに指定校を更新していたのを昨年から一年更新にしました。2011年度の予算については未定です。運動体の主張に偏った教育? そんなことはありません」というが、地区外の住民からすればそう勘ぐりたくなる心情も当然のことである。
 ネットで様々な噂をされつつも、サンメゾン豊中は人気物件だったようで、2008年の分譲開始から1年程度で完売となった。実際に現地に行ってみると、豊中駅から十分徒歩で通える距離でありながら、住宅地の少し奥まった場所にあり、非常に閑静である。さらに、1階には庭があり、ガーデニングを楽しむことができる。2005年に各地のマンションで構造計算書の偽造問題が発覚した、いわゆる「姉歯《あねは》事件」の直後で建築基準が最も厳しかった時期に建設されたことから、建物の品質にも問題はないと考えられ、申し分のない物件のように思えた。
 サンメゾン豊中のあった土地は、もとは市営住宅の跡地であった。それを三洋ホームズが買いあげて開発したわけである。関係者によれば、三洋ホームズの担当者はベテランで地元の事情に精通しており、当然ながら付近に同和地区があることも知っていた。それでいてマンションを建てて売り切ったのであるから、三洋ホームズには何ら落ち度はないように思える。
 問題とされたのは、サンメゾン豊中の販促のために作られた地図と、物件のある土地を調査した報告書であった。これらは三洋ホームズから広告業務を請け負った読売広告社によるものである。地元の部落解放同盟豊中市協議会が問題としたのは、地図に「豊中人権まちづくりセンター」を掲載しなかったことだ。
 一方で阪急岡町駅の案内図にはしっかり豊中人権まちづくりセンターも書かれている。豊中人権まちづくりセンターは、もとは「豊中解放会館」という名前であり、その名のとおり同和地区施設だ。路地の周辺案内図を見ると、もともと豊中解放会館と書かれた文字の上に「豊中人権まちづくりセンター」のシールが貼られている。場所によってはこのシールがはがれ解放会館が丸見えになっているところもある。つまり地域住民にとっては解放会館であろうと、センターであろうと早い話、どうでもいいのだろう。しかし、解放同盟豊中市協は、それを隠すということは、同和地区を忌避する意図があったのではないかと追求したのである。つまり、同和地区を「隠蔽」するな「暴露」せよというのだ。
 これは、同和地区を「暴露」するな「隠蔽」せよという府条例改正の動きと明らかに矛盾している。2つの動きは全く正反対といっていい。その点を解放同盟の関係者に指摘すると、意外にも矛盾があることをあっさりと認め、次のような経緯があったことを教えてくれた。
 業者が地図に人権まちづくりセンターを載せなかったことは、もとは一連の土地差別調査事件の糾弾とは全く別の問題であった。解放同盟豊中市協は、これは地元の問題として個別に対応するつもりであったという。しかし、解放同盟大阪府連が追求していた「土地差別調査事件」に、読売広告社も関わっていたことが分かった。読売広告社から依頼を受けた調査会社が、サンメゾン豊中の周辺地域について「市内最大の不人気地域と隣接」「不人気地域施設街区」「学校区(克明小・第五中)も市内最下位校」「ファミリーマンションとしては懸念のある地域性」といった内容の報告書を作成していたのである。そのため、一連の「事件」は市協の手を離れ、解放同盟大阪府連が一括して扱うということになってしまったという。
 地元豊中の解放同盟関係者に話を聞くと、府連の考え方とは隔たりがある。「土地差別調査事件」については、「企業の行為もおかしいが、府連もおかしい」と、不満を隠さない。例えば企業が同和地区にある物件の場所が同和地区かどうか顧客に聞かれた場合、どうすればよいのか問うと「同和地区だって言えばええやん」という。だだし、「言うなら責任持って言え」ということなのだ。
「同和地区かどうか聞かれて“う、それは…”となれば、やっぱり何かあるんだと疑われるし、また別の所で聞かれたらいずれ分かりますよ。“この地域は同和地区だけど別に何にも問題はありません”と話すのが業者の仕事のはずでしょう。それにまちづくりセンターに1階には保育園もある。地図から消されたら困る人も多いでしょ。それにセンターは街の目印にもなるんですよ。それを消すことに何の意味があるのか」
 また、業者による「市内最下位校」という表現にはこう反論する。
「豊中では克明小学校に行って、第五中学校に行って、豊中高校に行くのがエリートコース。だけど克明小学校も第五中学校も同和校」「普通は部落の学校だったら避けられるけど、あそこは逆で、よその校区から越境《えっきょう》して来るんですよ。そんな部落の学校はないですよ」
 同和校というのは、校区内に同和地区がある学校のことだ。大阪市では同和校を避けて、子供を別の校区の学校に越境入学させる親が多くて問題になり、かつては同和校の近くには「越境入学反対」というビラがいくつも貼られていたものだった。ところが豊中では逆で、市議会議員選挙の候補者も克明小学校や第五中学校の卒業生であることを売りにするくらいなのだという。
 豊中でも、狭山闘争が行われた1980年ごろには、同和校で立場宣言が行われたこともあったが、今は行われていない。豊中に限らず、同和教育から人権教育へという国の方針もあって、かつての同和校からも同和色がなくなってきているのが実情だ。

街角の案内図。はがれかけた「豊中人権まちづくりセンター」のシールの後ろに「解放会館」の文字が。


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