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内陸都市 ウルムチ

2005年10月17日

上海虹橋国際空港に着いたのは午後3時ごろ、私にとっては実に9年ぶりになる空港だ。
浦東国際空港が開港してからは国内便がメインとなり、規模は大きくないものの中国人ビジネスマンの翼となっている。しかも市内から近い!日本でいうところの成田と羽田の比較にそっくりである。

なにせ古い空港なので設備もそれなりに貧弱だ。チェックインを済ませレストランでしばしのコーヒータイムをしている時にトイレに行きたくなった。大きいほう。50m以上先にあるトイレに小走りに向かい、運良く空いていた個室に腰を落とした。

「あ?ペーパーがない!」ホルダーすらそこには設置されていない。ティッシュはレストランに上着ごと置いてきたので持って来ていなかったのである。
慌てて財布の中を覗き、代わりになるものを探す。ようやく我が会社の従業員や得意先の電話番号が書いてある手のひらサイズのメモ紙を一枚発見、緊急時連絡用として常時携帯していたが現在別件で緊急事態!丸めて揉みほぐし股間の後方へと出動させた。
何となく拭き切れていない不快感が残っているので、レストランまで戻り再びここに戻って来ようと個室の扉を開け、次に待っている人と勤務交代する。すると洗面台の横にペーパーホルダーが備え付けられていた。
「先に取って入れって事かよ!」

*****

今回の旅は私の強い希望により実現した ウンチの旅 ウルムチの旅です。
云うまでもないが新疆ウイグル自治区にあり、世界でもっとも内陸にある都市。
旅の供は妻のアニー、我たちは一昨日婚礼を挙げたばかりなのでこれが新婚旅行ということになります。
アニーは海南島でリゾートライフしたいと主張していたのですが、いろいろともめた挙句私の勝利となりました。
シルクロードに興味を惹かれている私は、そこに行くには会社辞めるか結婚休暇しかないな、と切望していたのです。意外とその念願は早く訪れたのかも。

*****

アニーは初めての飛行機旅です。ワクワクしています。午前中、アニーとアニーの両親で最近できた近所のスーパーにて買い物をしました。
飲み物・薬・お菓子・・・これくらいは良いとしても、カップ麺6個、インスタントおかゆ2個、果物数種。
あんたどこ行くんだよ!
おかげで荷物はいやというほど多く、前途多難な想像にかられての出発でした。

皆さんご存知ですか?中国国内便に搭乗するにも外国人はパスポートが必要だっていうこと。私は知りませんでした。もちろん所持していたので問題はあ りませんでしたが。アニーも作ったばかりのパスポートを身分証明代わりとして搭乗手続きをしていました。中国人の場合、国民証でも良いようです。前に並ん でいた人がそれを提示していましたから。

「ハーイ」
搭乗を待つ私たち。ごきげんのアニーはデジカメで私の姿を撮りました。今回私はビデオ動画担当なのでスチル画像はアニーに任せることになっています。
デジカメの液晶モニターに映る私の顔。ん!?なになに???顔の前に何か表示されてる。
"NO CARD"

「Camera OK?」
アニーの家で準備している時、念押ししていたにもかかわらず、カメラ電池の充電器を忘れかけ、カバンにしまったのは私。にもかかわらずアニーはメモリーを装填し忘れてきたのです。
搭乗開始になり、座席に着いてもアニーはしばらく黙り続けていました。かなりショックだったようです。って私もですけど。
ウルムチに着いたらいち早く買える場所を探そうということで落ち着き、この話題はしばらく休止に。

海南航空 西安経由ウルムチ地窩鋪国際空港行き。

map_wulumuqi.jpg

「不舒服(気持ち悪い)」
アニーは上空で飛行機酔いし、気を紛らわせるためオレンジジュースをガブ飲みし、トイレに何回も並んでいます。
そうか!今回の一番大きな荷物はアニーなんだ。

西安咸陽国際空港に着陸するとほとんどの客は降り、ウルムチに行く客はそのまま搭乗。残った乗客は10名くらい(?)。約30分の機内整備を完了す ると新たにフライトナンバーが変わり、ウルムチまでの乗客が乗り込んできました。上海→西安までの客層とはかなり異なり、やたらと地味な人たちで埋め尽く されました。

ちなみに機内食は西安までで1回、ウルムチまでで1回。紙の箱に入ったごく普通の内容でしたが、箱には『清真』『MUSLIM』、それとウイグル語で(何と書かれているか読めないが)イスラム教徒に配慮しているシールが貼ってありました。
所要約6時間半を経てウルムチにようやく到着。現在夜11:40(北京標準時)。
機外に出ると、「さ、寒い!!」
上海では半袖で充分だったのにここではとても無理!
私たちはジャンバーを羽織り、到着ロビーへと向かいました。

アニーの名前を書いた紙を持っている女性を発見。おや?漢族ではないぞ!
中国の旧紙幣に描かれているような特徴のある顔。ウイグル族のようだ。
女性が私たちに気付き難なく合流。ウルムチ滞在の始まりです。

*****

「ようこそ新疆へ。私はムニアと申します。ウイグル族です。ここウルムチは公共の場では北京標準時で表示していますが、実際はそれより2時間遅い新 疆時刻で生活しています。でもこれからの日程では北京標準時で案内します」などなどホテルへ向かうワゴン車の中で説明してくれています。運転手もウイグル 族のおじさん。明日からはすでに来ている上海人の若夫婦と一緒に行動とのこと。

「あれ?もう到着???」ほんの10分ほどしか乗っていないのにホテルに到着。時刻は12時を少し過ぎていました。
明日は9時出発、モーニングコールは8時。私とアニーは明日の準備をし早々と就寝することに。
『トゥルルルルル・・・・・』
な、なんだ?電話の受話器を取ると・・・ここでもこれかよ!!!!!
『マッサージ』のご案内でした。。。アニーがいない時に電話してきてくれよ(嘘
電話のモジュラー線を外し、壁越しに聞こえる隣の客に何度もかかるコール音を子守唄代わりに眠りに就きました。

*****

翌朝8時、モーニングコール無しに目が覚めた私、外の景色を見ようとカーテンをめくってみると、そこはまだ真っ暗な闇世界。

中国って広すぎる・・・

投稿者 keidoh : November 16, 2005 08:57 PM


コメント

いよいよウルムチ編のスタートですね!
やはりウルムチにもハニーが・・・(笑
きっと、keidoh さんは何処に行っても逃れられない宿命なのでしょう♪

投稿者 けん : November 16, 2005 10:14 PM


天空の湖 天池

宿泊している国泰大飯店の窓外が明るくなってきたのは8時半ごろ。
哀しくなるほど不味い朝食を済ませ、9時に1階ロビーに下りた頃はすっかり明るくなっていました。
本日の天気予報:晴れ時々曇り 予想最高気温:18度
しかし、今日の日中に訪れる天池は標高1980メートルに位置するのでもっと寒いはずです。

天池: ウルムチから北東に約90キロ。モンゴル語で『聖なる山』を意味するボゴダ峰(5445メートル)の中腹にある半月型の湖。 表面積380平方キロメートル、最深部105メートル。 中国のスイスといわれ、一帯はカザフ族の居住エリアになっている。

以後の日程は私とアニー、そしてもう一組の上海の若夫婦との4人で一緒に行動します。
ワゴン車が出発し、係員のムニアさんは今日の日程を説明してくれています。約1時間で到着するそうです。私はビデオカメラをいつものごとく首に掛け、辺り をキョロキョロ見回していると、10~15分で都会から外れ、荒野の上を車道がただひたすら真っ直ぐに延びた世界へと変化しました。
途中、羊・山羊などの群れがいて景色は劇的に変化はしないものの退屈はしません。

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しかしアニーはすでに私の肩にもたれかかり、寝ています。窓際に座っているんだからそっちに寄りかかればいいのに。重くてしょうがない。(翌日肩が痛かった)
しかも私たちの後ろに座っている若夫婦の旦那は私の頭上を飛び越え、助手席に座っているムニアさんと早口でベラベラ大声で話していてうざったい。携帯電話も何度もかかってきてうるさい。落ち着いたと思うと今度は女房がしゃべり始める。まったく何しに来ているんだか・・・
私はガイドブックを読み返し、着いた時に感動を味わえるよう努力していました。

途中、悪路に変わり、大きく揺れる車。天池に近付くにつれ次第に壮観な山々が顔を出し始めます。馬に乗った人たちが川沿いの道を行く姿や羊の横断に よる自然赤信号などあり見所満点に。カザフ族のテント式住居『キーグズイ』がたちまち増え始め、この先に観光地などあるのだろうか?もういいからここで停 車してゆっくりしたい、と思うほど初めて目にする魅力的な世界が広がっています。
アスファルトに落ちているたくさんの糞を踏みつけながら私たちの車はさらに進み、観光入り口に着きました。

車を降りるとすぐに歓迎セレモニー。それはというとカザフ族の観光案内屋の群れ。しかし私たちにはムニアさんがついてくれていることもあり一人の女 性が話しかけて来ただけでした。このカザフ族、遠目で見ると漢族と大差ないのですが近くに寄ると瞳の茶色い人が多いのです。それが特徴なのかは勉強不足で すが。

観光専用マイクロバスに乗り換えた私たちは、前方で説明してくれているお姉さんの話を聞きながら険しい山をジグザグに上っていきます。
途中、小天池と呼ばれるコバルトブルーに輝いた小さな池があったり、ボゴダ峰の山々を遠くに見ながら辿って行くのでそれなりに楽しめました。
バスを降りるとパノラマに広がる天池・・・ではなく、そこから10分ほど坂を上ることに。
空気は澄み、吐く息は白く、土の上には所々雪が被さり、とても乾燥気候の地域とは思えません。24時間前にはこんなジャンバーなど羽織る必要のない温暖な場所にいたのに・・・そんなことをこの時考えていました。

湖が視界に広がるとアニーは一目散に駆けて行き、その水を両手にすくい取りました。
私も真似をして水面に手のひらを差し入れると、
「ひやぁ、冷てぇ!!!」
というより『痛い!』が正しいのでしょうか。氷水の中に手を入れた感触でした。さすがに飲むことまではしませんでしたが、『ボゴダ峰のおいしい水』が発売される日が近いかもしれません。

カザフ族がこの地を誇りに思うのがしみじみと分かります。絶景とはまさにこのことです。今日は残念ながら快晴ではないのですが、この山々を見て、日本人が富士山を崇拝するのと同様の価値観なんだろうなと勝手に思ったりしました。

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投稿者 keidoh : November 20, 2005 07:52 PM


カザフ族の住居での昼食

天池での観光を終え、来た時と同じ道を下っていくとカザフ族の住居『キーグズイ』の前には、我々の車を手招きするカザフ族の人々がたくさんいます。
現在午後2時、ホテルでの朝食を余儀なく控えめにされてしまってので(理由:不味い)すでに空腹の限界を超えています。

運転手は車道上で堂々と手招くカザフ族に戸惑うこともなくハンドルを返して除け、目的と思われるキーグズイの前で停車しました。たぶん旅行社提携先なのでしょうがキーグズイで昼食です。

カザフ族の民族衣装を纏った3人娘がお出迎え。と思いきやその横からオバちゃんが出て来て、ムニアさんと何やら会話しています。

3girls.jpg

オバちゃんはせわしそうに3人娘を1房のキーグズイに入れると、中からは男の歓声が!

おお!!!これはいいぞ。日も暮れる前から艶やかな宴だ!昼真っから『飲めや歌えや』ってか!?(カザフ族は基本的に飲酒しません)

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川原の調理場で作られている料理を見て何を食べるか決め、私たちもキーグズイの中へと案内されました。

ん?さっきの3人娘が入っていった房より小さいなぁ・・・
それでも中は結構広々として、私とアニー、若夫婦の4人で食べるには充分なスペースです。しかも暖かい。

fang.jpg yangmao.jpg

羊毛の壁で覆われ、屋根に煙突が突き出たストーブ。キーグズイ自体は2万元で作れるとのことです。部屋にはテレビもあり、一段高くなっているオンドルのような場所にテーブルが置かれています。

何でこんなに昼食が遅いんだ!?
よく考えると新疆時刻では現在12時過ぎ、丁度昼時だったのですがこの時そんな思考力はなく、私の腹時計は夕食時でした。
テーブルの上にはすでにパンや豆菓子がありますが、パンはすでに乾燥していて硬くて美味いものではありません。それでも空腹に負けて食べていましたが。
オバちゃんがミルクティを紙コップに注いでくれ、私たちは料理を注文し(ちなみにツアーといえども食事はホテルの朝食以外別料金なのです)、私以外の3人は上海語で話し始めました。その退屈さが空腹感をさらに高めたのは言うまでもありません。

kazafu_foods.jpg

やっと出てきた料理群。ご紹介すると、
上段左:砂糖の衣のついた豆菓子とフランスパンに似たパン。=硬くて食べにくい
上段右:羊肉串=新疆定番の一品、こちらの羊肉は柔らかくてジューシーで最高!上海などの羊とは品種が違うらしい。
下段左:新疆炒飯(ウイグルでは『ポロ』という)。油っぽいので個人的には中華炒飯のほうが好きなのだが。
下段右:羊の背骨肉の蒸し物。生玉葱が上にトッピングされている。この中で私的に一番だった。

どの品も大皿で盛られてくるので4人いて良かったです。写真にはありませんが丸鶏のスープも注文しました。共同で注文したのでこれだけの品が賞味できたのです。私とアニーだけでは2品頼んでも残してしまったかも。
でもよくよく考えてみると、店側も皿の大きさを大小取り揃えたほうがいいのに。団体客ばかりこの地に訪れるわけじゃないんだから。

いやあ、食った食った。。。

「あら?そんなに残っちゃったの???」カザフ族のオバちゃんがお会計に訪れてそのように言いました。
しかも料金を聞いてちょっとビックリ。200元以上でした。まあ仕方ないか、観光地だからねぇ・・・

いや、高えよ!!!
結局、あの3人娘もこの房に来ることなく、我々4人衆はこの高地を下っていきました。

投稿者 keidoh : November 22, 2005 08:36 PM


ウルムチ市 ウイグル風情を堪能

自分たちの泊まっているホテル周辺は、ごく普通の中国の街並み。
異なるところといえば中国語表記の下にウイグル文字が書かれているくらいです。
昨日到着した空港の看板に『乌鲁木齐』の隣に書かれているウイグル文字を見て感激しましたが、それ以外は新疆的な雰囲気を探すには繁華街に行くしかありません。

*****

天池観光を終え、ウルムチ市内に私たちは戻ってきました。
お約束の旅行社提携先の宝石店に案内されましたが、興味のない私とアニー。見ることもなくソファーに座り、同行している若夫婦が見終わるのを待っていました。店内は観光客で溢れています。(ほとんどが漢族だとおもう)
その後あっさりとその店を出てエスカレーターを下りると1階は貴金属店。先頭を歩くムニアさんを呼び止め店内に入っていく若夫婦。なぜかアニーまで・・・
興味のない私は一人、店前のドアーにもたれかかり、歩道を眺めていました。
私の目の前に翡翠や飾り物を揺らし、「○○元でどう?」と売る青年。
歩いている人の前に腰掛けを差し出し、「靴を磨きますよ」とひざまずく少年。
「こっちのほうが全然面白いのに。宝石・貴金属なんてどこで買っても同じだろ!?」
自分の旅スタイルと違う若夫婦とアニーに私は半ば呆れていました。
15分は待ったと思います。やっと出て来たムニアさん含む4人。ワゴン車に乗った時、私は若夫婦の妻が発した言葉に唖然としました。
「上海のほうが安いよ」
・・・・・今の15分間を返せ!

しかしアニーが忘れたカメラのメモリーを買いに寄って15分ほど無駄時間を費やしたのでひとまず判定はドローに。

人で溢れかえる国際大バザール周辺に着き、わりと自由なショッピングタイム。
ショッピングモールのほかにイスラム寺院もあり、そこが生活と密接していることがわかります。

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ウイグル帽を被り商売をしている男性。顔をスカーフで隠し買い物をする女性。カメラを片手にあちこちを見回している観光客(日本人約1名)。
これこそ私が求めていたウルムチの旅なのです。

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イスラム寺院(上)とラクダに乗った ブタ アニー(下)。


ショッピングモール『二道橋』に入り、上海・東京への各お土産を買い漁りました。
スカーフ、ウイグルナイフ、ウイグル帽、月並みな商品ではありますがそれなりに楽しめました。

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装飾品売り場にて。この帽子の最初の売り値は35元。値切って値切って10元で購入。ママさんゴメンね。


さらに私たちはオプションで頼んだ歌謡ショーを観覧することに。
ここであの若夫婦とは別行動になり、ムニアさんは私たちを国際大バザール内のホールに連れて行ってくれました。
エレベータを降りるとそこにはもの凄い、いや!世界一と言い切れるほど綺麗な案内嬢。
ウイグル美人とはこのことを言うのか?達坂城の娘はこんな感じなのか?男の本能の恐ろしさを改めて実感しました。(プチ嘘)

座席に案内され、バイキング形式の料理をアニーと二人で確保し、1時間後に始まるショータイムのための腹ごしらえを。
この時、私は始めてオレンジジュースのホットっていうヤツを飲みましたが結構イケる!何杯もお代わりしてしまいました。新疆とはいえ漢族が多数生活するこ の地域ではビールも別途料金で販売していますが、ショーが始まってから何度もトイレに行くのは不本意なのでここはじっと我慢。(ここの羊肉串を食べている 時、誘惑に負けそうでした。笑)

*****

始まりました。ショータイム。

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ヨッ!中国一! ん? あれ?
お、おい!そこの前の客 邪魔だ!! ショー中に立ち歩くんじゃねえ!!!写真撮るなら座って撮れよ!
うるせー!静かにしろよ!お前ら黙って見てられねぇのか?

は?何だよ?えっ?スイカ持って来い??
食事が一息ついた頃、ついにアニーが私をこき使い始めました。初めは断っていたのですがふて腐れている態度にちょっと負けてしまい、一度のつもりで家庭サービス。
せっかく楽しんでいたショーの途中わざわざ自分で運んで来たので、いつもは食べない(嫌いな)スイカを一切れパクっと。

う、、、甘い!スイカってこんなに美味かったんだっけ?

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おそらく私のこんな表情が撮れるのは新疆だけでしょう。このあと何度もスイカを自ら進んで取りに行きました。

投稿者 keidoh : December 2, 2005 08:44 PM


トルファン 達坂城的姑娘(その1)

10月19日
ウルムチのホテルを出たのは9時。外はひんやりとしていて、これから向かうトルファンの日中の予想最高気温が22度なんて想像もできません。
昨日の朝食に懲りているアニーは、ここぞとばかりに上海から持って来たインスタントお粥を時間ギリギリ・・・いや出発した車内で食べています。(私はとい えば一人食堂で済ませ、部屋に戻って来ても出発準備のまだできていない布団にくるまった『ねぼすけアニー』に立腹していたわけですが・・・)

出発してから15分ほど経ったころ、荒野の真ん中をどこまでも続く直線道路に変わりました。昨日行った天池までの道もこんな感じの風景でした。トルファンまでは3時間を要するので気長にゆったりした車の旅になります。

約1時間後に休憩場所として着いた所は風力発電地帯。この地域は年間を通じて偏西風が吹いているので適しているそうです。ボゴダ峰がそびえる手前にプロペラをつけた何本もの柱が林立していました。電力の約30%がウルムチに供給されているそうです。

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この時まだ寒く、足早に車の中に戻り込みました。

*****

さらに1時間を過ぎたころだったと思います。ムニアさんが『今から唄を歌います』と私たちのほうを振り返りました。

【達坂城的姑娘】
♪达坂城的石路硬又平啦 西瓜呀是大又甜啦 达坂城的姑娘辫子长呀 两个眼睛真漂亮 你要是嫁人 不要嫁给别人 一定要嫁给我・・・

王洛賓(音楽家)がこの新疆民謡を漢語に訳すようご当地にお願いしたところ、『新疆的姑娘』が『達坂城的姑娘』と訳されたそうです。(アニー談)ち なみにアニーが歌うと歌詞が微妙に違います。子供のころお父さんから色々な唄を教わったうちの一つだそうです。私はこの曲、女子十二楽坊の上海公演に当ス タッフらと鑑賞しに行ったとき初めて聞いた歌で、今でもそちらのロック風(?)ヴァージョンのほうが印象が強いのです。ムニアさんの歌うヴァージョンはい かにも歌い継がれてきた民謡調で最後に『ヘイ!』と入りました。

そしてこの達坂城的姑娘、実は決して美人ではないそうです。というのは人口がごく僅かの集落であったため大多数が近親婚を選択してしまい、美形とは遠い姿になっていってしまいました。
これに反して現在のウイグル族は7親等以上離れていなければ結婚はできないそうです。(ムニアさん談)
アニーは寝ていたのでムニアさんの歌を聴くことができませんでした。

*****

トルファン(吐魯番):世界でも有数の低地であるトルファン盆地の中央部に位置する。古くはシルクロードの天山南路と天山北路を連絡する要衝地点として栄えた。 人口の約80%がウイグル族、残りが漢民族やその他の小民族からなる。清代にできた植民都市ウルムチと異なって、トルファンは砂漠のオアシスとして昔から栄えてきた町である。

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左の車窓に火焔山が見えてきました。立ち上る陽炎で山が燃え上がるように見えたところから付けられたこの山は、真夏には地表温度が70度以上になることもあるといいます。日本では西遊記に登場した事でも有名。

丁度正午になったころ、着いたところは『高昌故城』という城址遺跡。この時すでに私はTシャツ姿で車外に出ていました。本当に暖かい!
車から降りるやいなや子供たちの歓迎セレモニー。

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左右の眉毛を眉墨で繋げるように塗った伝統的化粧『オスマン』でおめかしした子供たち。装飾品を見せ『綺麗でしょ?○○元でどう?』などと言いなが ら私たちの後ろをついて来ます。それほどしつこくつきまとっては来ませんでしたが、この子たち学校はどうしているんでしょう?行ってないのかな?

観光入り口で料金を払い、ムニアさんの後ろをついて行くとロバ車に乗って移動することに。

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ロバ車は屋根付きの車に絨毯が敷かれていてお世辞にも座り心地が良いものではありません。しかも轍にハマり車体はグラグラ揺れます。
私は屋根を支える柱に摑まりながら振り落とされそうになるのを耐えていましたが、アニーは真ん中に座っているので私に摑まっています。これじゃ二人とも落っこちちゃうよ!そんな中でもカメラのシャッターを切る私。エライでしょ?

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6世紀初めの麹氏高昌国から高昌ウイグル帝国にかけての1000年の間、国都として繁栄期を迎えた城址遺跡。総面積200万平方メートル。玄奘三蔵がインドに仏典を求める途中、2ヶ月ほど滞在し1ヶ月にわたり説法を行なったことで有名。(ガイドブック要約)

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口元にバイクのチェーンをされたラクダたち(写真上)。アニーと係員のムニアさん(写真下)

乾燥気候のせいか建築物の損傷が激しくて当時の様子など想像できず「ふーん」といった感じで終わってしまったというのが正直なところでした。アニーも私も「ロバとラクダが可愛かったね」だって・・・頭の悪い夫婦です。。。

*****

腹減ったー!!北京標準時刻で行動しているとはいえ、食事はいつも新疆時刻、ようやく昼食に案内されたのはここでも2時を回ったころでした。旅行社提携先のイスラム料理店です。
ここでも別料金なので私たちと若夫婦は割り勘で一緒に食べようということになり、何でも食べる私は注文担当から外れることに。というかどんな料理か訊くこともできないので。

その時でした。いきなり店内に大音量の音楽とともに一人の踊り子が登場。

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うーん、綺麗だ。でもここはレストラン。そんなに踊ったら埃が立つでしょ?一人で踊って恥ずかしくない?などと考えているけどきちんとカメラは回し ているんです。すでにすっかり新疆(の娘)にハマっている私でした。次の曲に変わると彼女は一目散に奥へ駆け込み、音楽を止めていました。
本当にあなた一人でやっているのね、ご苦労様。

羊肉を中心とした料理に舌鼓を打っている最中、アニーがこんなことを言い出しました。
「ムニアさんと運転手さんは無料、私たちは高い料金を支払って食べているのに・・・ムニアさんたちの料金も上乗せされているんだね」
確かにメニューに書かれていた料金は旅行客専用といった感じの結構な値段です。私はすかさず言葉を返しました。
「いやあ、あの踊り子の食費が含まれているんだよ」

(その2)につづく

投稿者 keidoh : December 14, 2005 08:59 PM



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