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販売価格299円(税込)
作者 斎藤忍 状態 完成
カテゴリー 小説・ノンフィクション SF 価格 299円(税込) ページ数 75ページ
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なるほどそうだ!いや、待てよ?と考えているうちに、どんどんとぶっ飛んでいくストリー展開。その情景をイメージして笑いが止まらなくなるシーンが満載。
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巡航ミサイル

巡航ミサイルは全長が6mあり、ホテルの回転式の入り口からは入ることはできない。隣に自動ドアがあった。自動ドアの前で巡航ミ サイルはホバーリング用の下向きのエンジンの出力を上げた。重量が2tを超えるミサイルを空中に浮かばせておくだけのパワーがあるので自動ドアぐらいは簡 単に開けられそうなものであるが、不幸にもこのホバーリング用のエンジンは翼の付けね付近にあるため、自動ドアのスイッチ、つまり人が乗る部分からは 1.5mほど 離れた位置にまでしか届かないのであった。この距離から少なくとも数十kgの 圧力を感知させるためには相当なパワーが必要である。

周りにあったプランターを倒し、ダスキンを空中に舞上げた末、やっと自動ドアが開いた。「さあ、入るぞ!」と勇んで前進しようとした巡 航ミサイルであったが、ホバーリング用のエンジンの出力を上げすぎたため、ミサイル自身も地上4mぐらいのところまで上昇していた。あわてて出力を下げ、 高度を落とし、地面ぎりぎりのところでまた出力を戻し、ホテルのロビーに頭を突っ込んだ時にはドアは閉まり初めていた。腰のあたりをドアに挟まれ、左右に ふにゃっと揺れてしまい、最新ハイテク兵器らしからぬ失態を披露してしまった巡航ミサイルであったが、なんとかレセプションの前までたどり着いた。

カウンター越しに頭半分突っ込み、空中で静止した巡航ミサイルは、その先端上部の蓋を開け、6インチのLCDモニターをにゅ〜と突き出 した。そこにはターゲットの写真が映し出されている。これを目の前にしたレセプションの若い女は、驚きのあまり、ただただかぶりを振り続けた。隣にいた年 配の女は腰はほぼ抜けていたものの、若い女よりは冷静なようで、「ねえ、これってミサイルじゃない!ちゃんと教えてあげないと怒って爆発するわよ!」と 言った。

これを聞いた巡航ミサイルは、この年配のほうに向きを変え、ゆっくりと全身を先端を下にして3度ほど傾け、またゆっくりと水平に戻った。うなずい たのである。若いほうは、人間の爆発とは意味が違うことを悟り、ことの重大さに気付き急に喋り始めた「えっ、あっ、あの、このお客様なら、そのテレビとは 違って、ひっ、ひっ、髭をはやはやはやかして、いっ、いますが、いま、おっ、おっ、お泊ですが、ひるまは、いっ、いつもがい、外出して、...」ここまで 聞くと巡航ミサイルはゆっくりと後方に移動し、方向転換し先ほどの自動ドアに向かおうとした。

人間の殺し屋であれば、ホテルのロビーでターゲットが帰って来るのを待てばよいのだが、巡航ミサイルの場合燃費の関係上、ターゲットの 行く先々を追いかけて行かないとガス欠になってしまうのである。ガソリンスタンドでも巡航ミサイル用の燃料は売っていないし、かりに売っていたとしても現 金の持ち合わせがないし、滅多に来ないのでカードも持っていない。

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最終更新日 : 2012-01-08 01:04:55

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ロボット

しかしここからなかなか前へ進まない。手足はまさに歩くがごとく動かしているのだが身体の位置はそのままなのだ。どうやら頭がつかえているらしい。ここの出口は高さが176cmのはずである。ちゃんと計ったのだ。

・・・・出れないはずである。足の裏に後からローラーをつけたのを忘れていた。そのぶん2cmは高くなっている。だから上記のスペックでの身長175cmは誤りで正しくは177cmだ。ロボットはまだ出られないでいる。このまま一生部屋からでられないのか?

そんなことはない。「頭を下げろ!」とロボットに言った。ロボットは亀ではないので首を平行移動で縮めて頭を下げることはできない。首の関節を支点にして回転運動で、顔面が床を見る方向に頭を下げるしかない。

しかし不幸にしてロボットの頭は立方体である。つまり横から見ると正方形である。正方形は、その支点の位置で条件は若干異なるが、押並べ て回転するとその途中で高さが高くなるのだ。ロボットでいえば後頭部のカドが前に移動するのと同時に上にも行くのだ。しかも頭の一点が接触してるため身体 は後ろの方に強制される。しかしロボットは前に進もうとして手足を動かしている。

各関節のモーターに相当なストレスが溜まり始めているはずである。早速セルモーターが始動してダイナモが回りはじめた。ラジコン用のエンジンが回るということは内燃機関が稼働しているので排気ガスも出る。排気ガスが出ればガス漏れ感知器が黙ってはいない。

だんだん凄まじい光景になってきたのでロボットに命令した「膝もまげろ!」これを聞いてロボットはいきなり膝を曲げたので一瞬にして外にでられた。あまりの一瞬さに消えたのかと思った。

廊下に出たロボットは頭を下げ、膝を曲げたままジーコジーコと苦しそうに歩いていた。膝を曲げたまま歩くためにはかなり高度な平行感覚維 持の制御が必要で常時膨大な量の演算処理を続ける必要があり消費電力もアップするためダイナモは回り続けることになりガス漏れ感知器もビービー鳴りっぱな しとなる。

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最終更新日 : 2012-01-07 22:38:11

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