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販売価格100円(税込)
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| 作者 | 斎藤忍 | 状態 | 完成 | ||
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| カテゴリー | 小説・ノンフィクション (ノンフィクション, SF) | 価格 | 100円(税込) | ページ数 | 16ページ |
| タグ |
大学 Dream 睡眠 サルカニ合戦 斎藤忍 |
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曽根山工科大学映像心理学研究室の棚網教授が夢を映像化しようとする実験を重ねる話です。かなりめちゃくちゃな方法で映像化を試みます。夢というのは見えているようで見えていない。わかっているようで非常にわかりづらいものです。そこを何とかしようと積極果敢に色々な実験を試みますが、なかなか上手く映像化できません。とはいえもっともらしい実験装置や映像化する理論は、「それじゃ到底無理だろ!」というものばかり。実験に協力した人たちはとんでもない目にあっていきます。
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夢を映像化しようとする試みは色々と行われてきたのだが、これが完全に成功したという例はない。一般的には非常に曖昧で一貫性の無い夢というものを客観的に見て辻褄の合う一定のルールに基づいた映像にするのは難しいとされてきたが、基本的には一人の人間の脳の中というクローズドな世界で展開されるものなの で、その一人の脳の中の情報を漏れなく抽出することができれば、理論的にはそれほど難しいことではない、というのが曽根山工科大学映像心理学研究室の棚網教授の考えであった。
ということで棚網教授は早速実験に取りかかった。研究室の学生に徹夜でレポートを書かせ、極度な寝不足のまま研究室に呼び出しレーポートをベタ誉めしたあと研究室内のソファーで仮眠するように指示した。予め夢の映像化の実験をする旨を実験台の学生に説明しておくと、心理的影響が実験結果に及ぶのを回避するためであった。
学生が熟睡したであろうことを確認した後、棚網教授は助手に電話する。助手の研究員2名が機材を満載したラックを転がしながら研究室にそおっと入ってきた。3段式のラックの下段には消音装置付きの発電機、中の段にはコンピュータが3台、上段にはオシロスコープとテスターの先端に超小型マイクロスコープを内蔵した針が数本、それと映像を確認するための小型液晶モニター、その他記録用のコンピュータ周辺機器が数台整然とセットされていた。またラックのパイプ部分には小型のスポットライトが3台取付けられていた。
夢を見るときに生じる脳波は非常に微量であるため、電圧の安定しない部屋の電源は全て落とし発電機から変動の少ない定電圧でコンピュータを動作させる必要があった。夢そのもののストーリー展開が周囲の電流や磁力によって大きく左右されることは予備実験で実証されていたため、電気の他、磁力が影響しそうな室内にあった金属やカーボン系の備品や家具も予め排除しておいた。
助手の一人が廊下にあるブレーカーを落とす。同時に棚網教授が発電機のスイッチを入れると3台のスポットライトが熟睡している学生の頭部を照らし出した。
そして棚網教授が慎重に学生の前頭葉部分にテスターの先端の針を刺す。ぐさっ。「イテテテテテテ!」と叫んで学生が飛び起き、ラックを蹴飛ばし、金属が使えないため、プラスチックのパイプでできたロヂャースで買ってきた1280円のラックは一瞬ヘナっと傾いたと思った次の瞬間にバタっと無惨にも床に倒れ、乗っていた機材一式も先を争うように床に落下し、その大半は見た目に明らかに分かる程度に破損した。
「教授、麻酔とかしたほうが良かったですね。」助手の一人が言う。




