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1


俺の名は修(オサム)。

今年の春に大学を卒業して、某大手企業に就職した新米社員ってやつだ。


右も左もわからないまま、何とか与えられる仕事をこなす毎日。
学生のときとは違う緊張感にも、もう少しで3ヶ月ってこともあり少しずつ慣れてきていた。

それと同時に、仕事を任されると同時に残業も少しずつ多くなる。
最初はすごいと感じた白を基調とした小綺麗なオフィスの内装も、いい加減見飽きていた。
会社の地味な仕事にもそろそろ嫌気がさしていたが、俺にも唯一の楽しみがあった。


それは、美人女子社員を観察すること。


女のスーツ姿や制服姿を好きな俺には昔から非常にたまらないことで、まして俺がこの会社に入ったのは、美人率が高いからと評判だったからだ。
そのために、嫌な勉強も人一倍やった。

そして、その評判は噂を違わぬどころか想像以上だった。


昔からOL好きだった俺は、この会社に入るために血の滲む努力も惜しまなかった。
つまらない仕事の毎日も、見た目が美人なOLがわんさかいればそれだけでテンションは上がる。


だが、見た目はもちろんのこと、中身や仕事ぶりも格段に上レベルなOLばかりなので、この約3ヶ月の間は、期待とは裏腹に一切何事もなく過ぎていた。



しかし、それが覆るような出来事が起こる。
それは、梅雨真っ只中の6月の終わり…雨が激しい日のことだった…。





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2


「あーあ…」
時刻は夜8時を過ぎ、俺は少しだらけながら残業をこなしていた。
本来7時には終わるだろう仕事も、給湯室にてコーヒーを作ってはダラダラとしていたこともあり、終わりかけになっていた。


「やっぱりこーゆー会社は事務仕事がめんどいよなー…」
コーヒーを口にしながら窓の外を見ると、夜8時の暗闇でもハッキリとわかるくらいの無数の雨の粒が地面へと落ちていくのがわかる。
防音のかなり効いてるこのオフィスでも凄まじい雨音が聞こえるほど、今日の天気は最悪だった。
それは、まるでここ半月の俺のハートを絵にしているようだった。


「部署のみんなは帰って、俺はひとり…。あーつまらんっ!」
そう言ってた時だった。
突然、「ガチャリ」と入り口のドアノブをいじる音が聞こえる。

「??」
俺は気になりだし、ドアの方をただただ見た。
すると、ドアはゆっくりと向こうの廊下側に引かれていく。


『えっ!?』


俺は心の中で驚きの声を上げながら目を疑った。


「参ったわ…」
開かれたドアの向こうからは、「ヒタヒタ」という足音とともに、不思議なほど水気を帯びたスカートスーツ姿の女の人が鞄を抱えながら姿を現した。

髪の毛が相当濡れていたのもあり判別がつかなかったので、俺はじっと彼女を見てみる。
すると、彼女は俺の存在とその視線に今さら気づく。


「佐々木くん」
彼女は俺の苗字を呼んだ。

「神田さん、お疲れ様です」
俺は彼女…神田さんにそう返した。


「お疲れ様。佐々木くん、残業だった?」
「あっ、はい。神田さんこそ、どうしたんですか?」
「うん、ちょっと忘れ物しちゃって戻ってきたんだけどさ。突然すごい大雨降ってきたから、もうびしょびしょ!」
「た、大変でしたね」

俺は、ずぶ濡れになっている目の前の彼女の姿で、あらためて今日の大雨の凄さを思い知らされたような気がした。


「佐々木くん、お願いなんだけど、奥の給湯室からタオル持ってきてくれるかな」
「あっ、はい」
いそいそする神田さんに頼まれ、俺は二つ返事で給湯室へと駆けていった。
いつもはクールな才女としての彼女の姿しか見たことのない俺には、今の慌てた彼女はどこか新鮮なものだった。


「ありがとう佐々木くん」
タオルを受けとった神田さんは、雨に濡れた長い髪やスーツの水滴を丹念に拭いていた。

「やだ、もうスーツすごいびしょびしょだわ」
彼女がそうつぶやいてるので、俺はあらためて彼女の姿を見た。

今日一日の仕事でずっと着ていたストライプ入りの黒いスーツは、ラインが見えないほどぐっしょり濡れている。
膝が絶妙にギリギリ見えるタイトスカートからは、拭き取れてない水滴が時折ポタポタと床に滴る。
それが、俺の目には美人な彼女をさらにエキゾチックに引き立てる演出のようにすら見えた。



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3

「つっめたい…脱いじゃおっ」
神田さんは、上半身に羽織っているスーツのジャケットをスルリと脱いでいく。
ジャケットに通していた腕もすっかり戻し、彼女の上半身は淡いピンク色のブラウスのみとなる。


『うっわ…』


俺は彼女を見て思わずそう言いそうになった。
今日の雨は本当に強烈だったのか、その浸食はそのピンク色のブラウスにまで至っていた。

彼女のブラウスにへばりつく多量の雨水がそれを透けさせ、普段からパンパンに張ってる胸と下着のラインを浮き彫りにしていく。
俺の目に狂いがなければ、そのラインは黒に間違いなかった。

そして、多量の雨水が浸食したのは、彼女の下半身を取り巻くタイトスカートも例外でなかった。
普段からスタイルの良さでスカートに浮き出るヒップやウエストのラインは、濡れてピッタリしているのもあり、より美しく象った曲線を強調をしていた。



濡れた髪の毛…

透けている胸の膨らむブラウス…

下半身にピタリとまとわり付くタイトスカート…

何より、部署一の美人で才女の神田さん…


OL好きな俺にとって、まさか願ってもないような姿がそこにあった。



「佐々木くん?」
「ハッ」
神田さんに見とれていた俺は、我に返った。


「何見てるのよ」
「あ、いや…」
いざとなると、こうゆうとき何と返して良いかわからない俺。
しかし、ドギマギする俺を見ては、彼女はフッと笑った。


「えろ」
「すみません…」
とにかく、俺は謝った。
彼女みたいな『高嶺の花』が、俺みたいなぺーぺーのガキに見つめられて気分いいはずがない。
自分の胸や下半身を熱くしながら、俺は必死に理性的な自分を演じた。


すると、神田さんはニコリとしながら俺の方に歩み寄ってくる。



「佐々木くん?」
「は、はい」
いつもの仕事中のようなクールな彼女の声に、俺はドキドキしながら返事をする。

「大変ね、残業なんて」
「い、いや…」
「佐々木くん、仕事一所懸命だし頑張りやだけどさぁ…」
「はい」
少しずつ彼女の口調がいつもと違うと感じるのは気のせいだろうか?
すると、彼女は俺の方に一歩一歩と近づきながら思わぬ言葉を発した。



「彼女とか…いるの?」
「えっ」
想像しがたい言葉だった。

「いや、いません」
「いつから?」
間を置かずに次の質問を仕掛けてくる神田さん。

「学生のとき以来ですから、もう…一年くらいかなぁ」
「へぇー、かわいい顔してるのにもったいない」


俺が…かわいい?
まぁ、そこそこの顔だと自負はするが、まさか彼女に言われるなんて。

そう思っていたときには、すでに彼女の濡れた姿は俺の視界いっぱいにおさまっていた。



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4

ドキッ


俺は急に高まった胸の中のビートにゴクリと唾を呑んだ。



何故彼女がこんな零距離にいるのかはわからないが、それと同時にわかったのは、俺の鼻に入ってくる『大人のオンナ』の微かながらも上品な甘い香り。

俺は彼女に目を合わすことができず、視線をどこかに逸らそうとしたが、視界いっぱいに彼女がいるために他を見ることができない。
横に目を逸らしたら嫌な印象を与えてしまうだろうと下を向くも、そこにはブラウスの隙間から僅かに見える透明感のある白い肌。

さらにその下は、濡れと張ったシワで大人の色っぽさを漂わせるタイトスカート。

どこを見ても、彼女のオンナの匂いに溢れかえっていた。



やばい…
俺は残業中のオフィスで何を考えてるんだろう。



「佐々木くん…」
神田さんが口を開く。

「は、はい」
「今…見てたでしょ。私の胸や…コ・コ」
彼女は、タイトスカートから胸にかけてゆっくりと右手のその細長い指でなぞった。
そして、ブラウスの第3ボタンに手をかける。


「あっ」
俺はつい声が出ちまった。
神田さんは、第3ボタンをいとも簡単に解きほぐす。
すると、それまでは見えなかった数センチ奥の肌が追加で姿を現した。
透けて見えていた黒いラインの正体も、そこで同時に判明する。


「フフッ、かわいい佐々木くん…」
「えっ、えっ」
「佐々木くん、新卒だから23歳だよね。5歳も上のおばさんは…どう思う?」
「そんなおばさんだなんて。神田さんは、もっと若く見えます」

俺の言葉に偽りはなかった。
神田さんは、どう見てもアラサーどころか25になっているかすら思えないほど見た目が若かった。
モデルに負けないくらいのスタイルもあり、かわいいお姉さんの印象も兼ね備えている。
それで、仕事ができる大人のオーラもあるのだから、世の中の女性にとっては見方によれば反則モノだ。


「ありがとう…佐々木くんて優しいね」
「い、いえ…でも」
「なぁに?」
「神田さんみたいな人が、僕に仕事以外で声をかけてくれるなんて…」
「おかしい?」
「い、いえ…」
「私、やっぱり会社でも仕事人間て印象あるのかな」
「やっぱりって?」
「今はたくさん仕事できて公の部分は充実してるんだけど、プライベートはからっきしなの。仕事の忙しさが原因で、彼氏なんてもう3年はいないわ」
「えっ!?」


俺は思わず声を上げてしまった。
でも、何で俺にそんなことを…?
俺は妙な期待感とともに、ズボンの奥の膨らみがヤバいことに気がついた。


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5


「神田さんみたいな人がそんな…」
「さっきのね、忘れ物ってのは嘘」
「えっ?」
「私…課長とできてたの。半年前から」


その話はどこかで聞いたことがあるが、本当だったとは。


「か、神田さん?」
神田さんは、その瞳から急に一粒の涙を零した。

「辛い関係だった…あっちには奥さんも家庭もあって立場もあって…。頭ではわかってるけど…」
俺は胸がさらに高鳴った。
普段クールな神田さんが、俺と二人きりになり普段誰にも見せないだろう涙を見せている。
心臓の鼓動は、さらにドクンドクンと上昇し、それに比例してズボンの中の硬度も増す。


「佐々木くぅん…」





俺のオスとしてのビートは、一気に急上昇した。
まるで、マニュアル車のギアを1速から5速まで無理矢理持っていったように。


もう手遅れと思ったときには、濡れた神田さんの身体はしっとりした感触とともに俺の前半身に密着していた。


濡れた髪の毛からほのかに香るシャンプーの匂い…

ブラウスから垣間見る白い肌と丸みを帯びた膨らみ…
膨張した俺のズボンにヒタリとくっつく彼女のタイトスカート…


何もかもが、俺の会社員としての理性を蝕んでいこうとしている…!



「佐々木くん…」

「何です…?」

俺は、必死で理性的に答えた。
すると神田さんは、俺にその身体を弱々しく押し付けながら、一言こう告げた。



「私を…抱ける…?」








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