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はじめに

 はじめに

 イタリアの中世からルネサンス期にかけて作られた額縁に施された代表的な装飾技法は、前号で紹介したパスティーリアグラフィートの他にもミッショーネやパンチング(刻印)、線刻技法等があります。いずれも金箔をベースとした装飾方法ですが、パスティーリアの周囲にパンチングを施したり、グラフィートやミッショーネによってコーナー部分の装飾を彩ったりと、1枚の額縁の中に様々な技術を駆使して仕上げているものが多く見られます。
 
 今号では、ニスによって金箔を貼り装飾模様を描くミッショーネ(Missione)と、金箔の表面に刻印を打つパンチング(Punching)の2つの技術を紹介します。いずれもテンペラで描かれた祭壇画に施された技巧と同じものですが、ミッショーネによる装飾は今日でも多くの額縁に施されています。ミッショーネは他の古典技法に較べると比較的簡単に金箔による美しい模様を描く事ができ、テンペラ画や額縁に限らず装飾技法として工芸品やカリグラフィー等にも多用されています。一方パンチングによる模様の打ち出しは根気と時間のかかる作業です。金箔に打たれた無数の刻印が光を乱反射し独特の光彩と陰翳を生み出します。
 パスティーリアやグラフィート同様、当時の時間を現代に再体験する気持ちでのんびりとていねいにかかわってみて下さい。
 * 古典技法の基本的な技巧(下地塗り、金箔貼り、テンペラ彩色等)はVol.03/パスティーリア及びVol.03bis/グラフィートを参照して下さい。今号では基本技法の具体的説明はありません。
 


                                  小笠原 尚司                                           
小笠原よしえ





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