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奇怪伯爵

奇怪伯爵。

これが、僕が初めてネット上にデビューした名前。

某レンタルDVDのサイトで、レビュアー名として使っている。

レビューは、主にホラー映画。

名前から、僕の方向性をはっきりっせようと思って命名。

もちろん、『銀河鉄道999』の機械伯爵をもじった、遊び心もある。

 

子供の頃、答えに困った質問がある。

 

『あなたの性格は?』

 

皆は、どのように答えていた?

僕は、短気。おとなしい。慎重。

しっかりした分析もできず、ただ性格を表現していそうな言葉を並べていた。

今でも、思う。

性格の分析って、難しい。

自分がどのような人間か?それは、成長するうちに見えてくるもの。

子供に分かる訳がない。

それでも、その質問は大切だ。

将来に渡り、僕等はそれを自問自答するから。

今なら、迷わず僕は答える。

『一言でいうなら、オタクです』と。

でも、これは会社では使えないね。

 

今の僕は、サラリーマンという自分がいる。

そして、それは本来の自分ではないと否定する、もう一人の自分もいる。

二重人格のような話だけれど、生活と理想の違いがそういう現実を作っている。

理想を職業にできたら。

理想と生活を一致させることができたら。

これが出来ている人は、本当に幸せだと思う。

でも、そういう生活を送っている人は、それなりの努力をしていたに違いない。

簡単に、羨むべきでないことも分かっている。

 

そう、僕は夢を現実にする努力を怠ってきた。

いや、その夢に気づくのが遅すぎたのかもしれない。

就職を決めるあの時期に、はっきりした理想を持っていたら……。

考えても無駄な後悔を、今も僕は引き摺っている。

 

僕のやりたかったこと。

それは、好きなジャンルに関わる仕事だった。

受験戦争の中で培われた意識が、これを見て見ぬふりをした。

本当にやりたい事を探さず、評判だけを気にする就職活動だった。

 

はっきり言って、僕は社交的ではない。

大勢の人が集まるところは苦手だし、休みの日は家で過ごしたい。

学校が嫌いだったし、会社も嫌いだ。

やりたいことは、山ほどある。

本を読み、映画を鑑賞し、音楽を聴く。

未鑑賞のDVDは数を増し、未開封のCDは増え、手つかずのゲームはたまる一方。

読みたい本も多々ある。

さしずめ、カルチャー大洪水。

もはや、サラリーマンの僕が太刀打ちできる状況ではなくなってきた。

 

それでも、僕はその激流に漕ぎ出すとしよう。

もう一人の自分、奇怪伯爵となって。

 

 

 

 

 


2010年の仕入 ~ドラゴン危機一髪’97~

たまにアキバをうろつく。

別にAKBに会いに行く訳ではなく、何か珍しいものはないかと物色に行く。

最近は、ネット通販の方が収穫がある。

それでも、散歩を兼ねたアキバ・ウインドゥ・ショッピング(AWS)は、やめられない。

 

行きつけの店が、何軒かある。

犬の散歩のように、同じルートしか回らない。

そのうちの一軒に、件のブツは陳列されていた。

棚の中では、結構目立つ位置に置いてある。

これによって、店側もこれがレアであると認識していることが判明する。

 

『ドラゴン危機一髪’97』。

むう~。思わず唸る、その瞬間。

レアDVD発掘の時。そうそう味わえる感情ではない。

狼煙を上げよ。我、発見せり。

 

この映画、一回鑑賞済み。

レンタルビデオで借りたので、鑑賞回数はわずか一回の代物。

もちろん、ブルース・リー主演の有名作ではない。

主演は、ドニー・イェン。

知る人ぞ知る、香港カンフー映画スター。

アクションシーンがスピーディーで、ドラゴンを名乗る資格あり。

鋼鉄鎖拳の男との対決や、ヒロインが斬首されるというショッキングシーンが印象的。

集団疾走バトルもド迫力。

確かに、もう一度観たいと思わせる作品だった。

 

何気に、店員さんの方に目をやる。

わずかに、店員さんが視線を逸らしたような気がした。(全くの憶測だけれど……)

あの店員、買えと思っているんだろうな、きっと。

勝手に、店員さんの気持ちを推測。

むむう、この陳列は彼か?彼が仕組んだことなのか?

マニアの心を弄ぶ不埒者め。

 

でも、料金がなあ。

 

このDVD、1996年製作。

定価、約5000円。

レンタルにもないしなあ。

もう少し、安ければ即決なんだけどなあ。

微妙な価格なんだよなあ。

 

その気持ち、店員さんに届け!

彼がやってきて、値引きしましょうと言ってくれ!!頼むウ~。

……と自問自答の末、結局何も起こらず、そのまま購入を決意。

 

いいさ、これで心が満たされるのであれば。

といわけで、GET。

 

 

 

 


B~Z級ホラー映画

僕がホラー映画を観るようになったのは、小学生の後半だった。

『13日の金曜日』『バーニング』『ゾンビ』『エクソシスト』等々、ホラー隆盛期といえる時代だった。

もちろん、観るのに勇気が必要だった。

それなりに心の準備をし、布団にもぐりながらおそるおそる眺めた映画もあった。

それが、いつの間にか慣れた。

『死霊のはらわた』が公開されたとき、ローカルな映画館の一番前の席で、友達と唐揚弁当を食しながら鑑賞するという愚行に出たのだった。

 

ビデオが発売されるようになって、僕は映画館から遠のいた。

家で観た方が楽だったし、値段もその方が安い。

そして何より、劇場未公開のホラー映画がビデオ発売されたからだ。

これによって、数々の駄作(中には名作もある)が発掘されることになる。

 

ホラー映画の品質は、本当にピンキリ。

何だ、これはっ。

これで終りかっ。

そういう観客の憤りを感じられる映画も、多々存在する。

始めは、僕もそうだった。

『ゾンビ3』なる映画を、ジョージ・A・ロメロ監督『ゾンビ』の正統なる続編と勘違いした。

絶望的な状況の中、主人公がどうやって生き延びるのかとハラハラしたが、そのままゾンビに喰われてジ・エンド。

今の僕なら、それもありかと思うけど、純真な映画少年はすっかり面喰った。

 

それでも。僕はホラー映画から離れなかった。

いや、ますますノメリ込んでしまうことになる。

そこに恐怖を求めるわけでもない。

感動を求めるわけでもない。

突拍子もない展開と、ほんの僅かなツボ。

それが、僕が低級ホラーに求めるもの。

 

僕に、A級は不要かもしれない。

肩肘張らず、B級あたりが丁度良い。

そう、それは人生と同じだ。

 

 

 

 

 

 


キング・ダイアモンド

キング・ダイアモンド。

別に、ダイヤの王様のことでも、巨大なダイヤでもない。

そういう名の、ヘビィ・メタルバンドがある(あった?)。

 

このバンド、かなり変わっている。

ボーカルの名前も同じキング・ダイアモンド。

アメリカかと思っていたら、デンマーク出身。

サタニック(悪魔的)メイクを施し、時々かなりハイトーンの裏声を混ぜて歌う。

ファンの方は違うというかも知れないが、イメージ的には聖飢魔Ⅱのデーモン小暮閣下を外人にした感じ。

う~ん、あまりに短絡的例えかも。

 

容姿からも推測できるとおり、歌はホラーを題材にしている。

悪魔の子を宿した女、ブードゥー、魔女裁判などなど、ホラーファンのツボをわきまえていらっしゃる。

コンセプトアルバムが中心で、1曲目から10曲目まで一連のホラー物語として成立するところがミソ。

詩と小説の融合は斬新で、下手な小説より余韻を感じられる作り。

ストーリーテラーとして、重厚な存在感がある。

 

音楽的なことを云えば、キングの裏声ハイトーンボイスは相当のクセモノだから、好き嫌いがあるのは否めない。

敬遠する方も多いかもしれない。

それでも、僕は聴き続けた。

私的には名曲の『ポルターガイスト』は、今もそのメロディが脳裏を横切る。

映画『エクソシスト』さながらに悪魔払いを描いた曲もあった。

亡霊の声など、おどろおどろしい演出も忘れない。

僕の青春時代の歌。

サザンでも、ユーミンでもない。

キング・ダイアモンド様。

少なくとも、僕の友人であなたを知っている人は、いない。

そのマイナーさが、僕にはたまらない。

 


サイゼリヤ

仕事上、大きな問題が勃発。

モヤモヤの一週間が、過ぎようとしている。

本日になって、ようやく問題解決の光明が見え始めた。

 

この事件によって同僚の嫌な一面が見えてしまい、職場の公式飲み会をボイコットした。

数々のオタク物によって育てられた僕は、サムライ道に限りなく近い男気を好むようになった。

『男として、立派に生きよ』

親父にも云われたことのない教訓が、僕の心の中に形成されている。

責任転嫁という、男気と正反対なことをやられた僕は、軽いスーパーサイヤ人状態で会社を出た。

 

まっすぐ帰宅する気分ではなかった。

ふと、ハリー・キャラハンの姿が頭に浮かぶ。

夕食は、バーガーとビールか。

ちょっと、粋ではないか。

今日は一人、権力に歯向かうダーティハリーと決め込もう。

 

そして、僕は店を探す。

しかし、格好の店は見当たらない。

気温も、ぐんぐん下がっている。

諦めて電車に乗り、自宅最寄駅で降りる。

ここまで来たら、店は『サイゼリヤ』しかなかった。

アメリカンがイタリアンに……。

まあ、しょうがない。

 

結局。

つまみにチョリソー。

これを赤ワイン・デカンタに合わせよう。

食事は、ハヤシ&ターメリックライスで。

初めに、赤ワインが運ばれてきた。

グラスに注いで喉を潤す。

 

ちょっと、落ち着いた気分。

2杯目を注いだところで、チョリソーとハヤシが同時に来た。

突然、敵機来襲の如く、慌ただしいことになった。

チョリソー。ワイン。ハヤシ。この順番でひたすら食べる。

もうちょっと、余裕がほしい。

分かっていても、なぜか迎撃態勢をとってしまう。

 

予定よりかなり早く食して、お会計。

全部で約1,200円。

あまりの安さを、あらためて認識。

でも、これって、ハリー・キャラハンではない……。

モヤモヤは、まだ心の中に燻ったまま。

 

 

 

 

 

 



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