目次
まえがき
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タイトル目次
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第1章 エコ技術と生産技術
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アメリカの新車燃費規制
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公差の魔術
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海賊版対策とIpadの中身
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第2章 資源と環境技術
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リサイクルされるレアメタル
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レアアース戦争
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微生物と植物が地球を救う
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日本が産油国になる日
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第3章 電気社会の到来
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宇宙太陽光発電衛星計画
海洋温度差発電
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直流送電技術
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ワイヤレス送電技術
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電気自動車の可能性
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キャパシタ搭載バス
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ハイウェイトレイン構想
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ギガンティック・トウキョウ
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第4章 食料生産技術
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野菜工場
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CAS冷凍技術
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クロマグロの養殖
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第5章 宇宙科学技術
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小惑星探査機「はやぶさ」
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アブレータ耐熱技術
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イカロスの翼
学術・科学技術予算について
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第6章 軍事技術
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CSMミサイル構想
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F22とF35はガンダムとジムくらいに違う
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自衛隊がF22を持つ意味
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空母型護衛艦「ひゅうが」
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第7章 日本の安全保障と国家モデル
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軍事力による平和
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ODAは肉食動物を太らせた
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アメリカの強さの源泉
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日本がスネ夫になるための2つの条件
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しずかちゃんに成りかけた日本
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かつての日本はノビスケだった
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日本が出来杉君になる日
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あとがき
あとがき

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日本から遠く離れた、アフリカだとか、中東だとか、近いところでは東南アジアなどもそうだけれども、彼らは、日本に対して非常に友好的。

 

それは、ODAによって腹が満たされたからというのもその理由のひとつであることは疑い得ない。その意味では、このやり方は成功したといえる。だけど、それが通じなかった国もまたあることも、認めなければいけない。

 

日本は特に、隣の中国に対して沢山の餌をばら撒いてきたけれど、中国はODAの餌をたらふく食べては、ミサイルも作っていた。日本は、中国という「肉食動物」にせっせと餌をやっては、肥え太らせていった結果を自ら招いた。

 

そんな肉食動物が、なぜ日本に襲い掛かってこなかったというと、その理由は2つある。

 

ひとつは、日本も庭先に最強の肉食動物を飼っているということ。もうひとつは、日本自身もほんの60年ほど前までは、最強の肉食動物であった、ということ。

 

日本が今、飼っている肉食動物とは、言うまでもなく、在日米軍のことだし、日本自身も、かつて、大日本帝国と呼ばれていた頃は、アメリカ以外には負けたことのない、最強の肉食動物だった。

 

それがあるがために、現在の肉食動物である中国も、迂闊に手を出せないでいる。(民主党政権になって、味見的に尖閣に手をだしてきたが。)

 

その一方、そんな相手を刺激するような真似なんかしなくても、経済交流を活発にして友好関係を築けばいいじゃないか、という考えもある。

確かに友達になってしまえば、襲われることはない、というのはそのとおり。だけど、たとえば、腕力に自信のあるガキ大将が、絶対に逆らうことのないと分かっている金持ちの友達を持ったとしたら、かなりの確率でお金をたかる事になるだろうというのは、容易に推測できる。。

 

いわば、ドラえもんでいうところの、ジャイアンに対するスネ夫かのび太のような関係。

 

いくら友達になったとしても、その相手がジャイアンだったとしたら、のび太のままでは、ヤラれ放題になってしまう。だから、それでいいのかどうか、今の日本は、その選択を問われている。

 

日本はこれまで、アメリカというジャイアンに対して「こころの友よ」の関係を作ることで、守って貰っていた。

 

そのジャイアンに出て行けと言ったとして、代わりのアテがあるのかというと今はない。中国を「新しいジャイアン」にすればいいという意見もあるかもしれないけれど、その隣の「新しいジャイアン」が「きれいなジャイアン」である保証はない。

 

とすると、今のジャイアンが、まだ「こころの友」でいてくれるうちに、自分がジャイアンになるくらい鍛えるか、それが出来なければ、圧倒的軍事的優位を確立する技術力の開発と配備しかない。つまり、日本がドラえもんの「ひみつ道具」を作ってしまうという選択。

 

日本がいきなりジャイアンになる、なんて言ったら、中国は益々いきり立ってしまうだろう。故に、アメリカというジャイアンと「こころの友よ」の関係をがっちりと維持しつつ、時にはジャイアンの「ジャイ子の悩み相談」でもしてやって、その裏で、こっそりと「ひみつ道具」を開発しておくのが得策ではないかと思っている。


アメリカの強さの源泉

一方、ジャイアンにとっては「こころの友」でも、「こころの友」に認定されたほうにとっては、迷惑この上ない。

 

アメリカをジャイアン、日本をのび太だと仮定してみると、現実にも、似たようなことは起こっていると言える。

 

例えば、ジャイアンリサイタル(米国債)の切符を押しつけられたり、貸した本(ベイグンキチ)を返してくれと言っても、中々うんと言わなかったり、挙句の果ては「いつ返さなかった、永久に借りておくだけだぞ」といわれたりしているかもしれない。

 

今の世界には、アメリカに無理矢理言うことを聞かせる、所謂、「ジャイアンの母ちゃん」にあたる存在は居ない。では、日本という「のび太」はアメリカという「ジャイアン」とどうやって付き合っていくべきか。

 

それを考える前に、アメリカというジャイアンの強さについて、少し見てみたい。

 

まず、アメリカというジャイアンの強さは、その腕力、即ち、軍事力だけではない、という点は、ポイントとして忘れてはならない部分。

 

ドラえもんの中のジャイアンは、「ジャイアンズ」という野球チームを作っているけれど、あれと同じで、アメリカは自分のそばに、価値を有む色んな仲間を呼び寄せては、集めている。

 

手先が器用なのもいれば、勉強ができるのもいる。お金持ちもいれば、身体能力があるのもいる、という具合に、総体として、ありとあらゆる分野のトップがアメリカには集まっている。

 

それゆえに、アメリカは、経済力、文化・学問、で世界のトップを走っており、それがまた、アメリカの力の源泉にもなっていることは認めざるを得ない。


なぜ、そんなことができるかといえば、能力や才能ある人をそれなりに遇することができる、つまりこれは、と思う人物や研究になら、大枚をはたいてでも呼び寄せる、そうした懐の深さがあるから。

 

たとえば、研究学問分野ひとつとっても、見込みがあると思う研究には、ドバッと予算をつけて、好きなように研究できる環境を整えている。だから、腕に覚えのある人は、皆アメリカに行きたがる。

 

そのお陰で、アメリカの学問分野での実績には目覚しいものがある。

 

一例として、ノーベル賞の国籍別の受賞者数はのトップ10を上げると、次のとおり。

 

国籍別の受賞者数

 

全部門

 

順位 受賞数

1 アメリカ合衆国 305

2 イギリス 106

3 ドイツ(+ 東ドイツ) 80

4 フランス 54

5 スウェーデン 30

6 スイス 22

7 ロシア(+ソビエト連邦) 19

9 日本 15

9 オランダ 15

10 イタリア 14

Wikipediaより引用)

 


一覧してお分かりのとおり、アメリカの受賞者数が群を抜いている。これも、それだけの研究環境とそれだけの頭脳を集めているからこそ可能なこと。

 

ドラえもんの中のジャイアンも、自分のチームを強くするために、野球のできる子をスカウトしたりとかしているけれど、いつも自分が一番のジャイアンとて、野球の上手い子は4番に据えたり、エースにするくらいの「度量」は持っている。

 

同じことは、スポーツ分野でも、芸術分野でも言える。つまり、ある意味一芸に秀でた人、優れた人達を集めては、彼らの能力を最大限に「引き出して」やることで、自らの国力に変えていっているのが、アメリカの力の源泉になっているということ。

 

ゆえに、アメリカという「ジャイアンズ」はチームとしてみた場合、現時点では世界最強のひとりであることは間違いない。



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