目次
まえがき
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タイトル目次
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第1章 エコ技術と生産技術
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アメリカの新車燃費規制
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公差の魔術
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海賊版対策とIpadの中身
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第2章 資源と環境技術
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リサイクルされるレアメタル
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レアアース戦争
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微生物と植物が地球を救う
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日本が産油国になる日
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第3章 電気社会の到来
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宇宙太陽光発電衛星計画
海洋温度差発電
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直流送電技術
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ワイヤレス送電技術
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電気自動車の可能性
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キャパシタ搭載バス
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ハイウェイトレイン構想
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ギガンティック・トウキョウ
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第4章 食料生産技術
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野菜工場
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CAS冷凍技術
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クロマグロの養殖
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第5章 宇宙科学技術
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小惑星探査機「はやぶさ」
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アブレータ耐熱技術
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イカロスの翼
学術・科学技術予算について
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第6章 軍事技術
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CSMミサイル構想
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F22とF35はガンダムとジムくらいに違う
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自衛隊がF22を持つ意味
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空母型護衛艦「ひゅうが」
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第7章 日本の安全保障と国家モデル
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軍事力による平和
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ODAは肉食動物を太らせた
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アメリカの強さの源泉
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日本がスネ夫になるための2つの条件
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しずかちゃんに成りかけた日本
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かつての日本はノビスケだった
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日本が出来杉君になる日
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あとがき
あとがき

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もっとも、週に何度も釣り上げると、釣り上げ船のエンジン音を聞いただけでマグロは海中深くに潜るようになるようで、餌を代えたり、エンジン音を消して近付いたりもするという。近大マグロは、“全身トロマグロ”と呼ばれるほど脂が多く、赤身も中トロ並み。今では脂の多さを売り物にしている。

 

また、餌の履歴がハッキリしていて、水銀濃度が低く抗生物質を使っていない、といった特徴がある。食の安全や食糧安保が叫ばれる昨今。クロマグロの完全養殖が軌道にのり、クロマグロ自給率が100%を超える日がくることが期待される。養殖マグロをビジネス的に採算が合うようにするための課題は、稚魚の生存率を上げること。

 

マグロは1回に数十万個の卵を産むのだけれど、自然界では成魚になれるのは限りなく0に近い。養殖マグロでさえも、孵化して40日目までの生存率がたった0.1%。これを10倍にして始めてビジネスになるという。マグロの稚魚の生存率が低い理由はいくつかあって、まず、孵化後の数日間は浮上死の危険がある。

 

孵化後の一か月は陸上水槽で育つけれど、エアーポンプから出る水泡の流れに乗って水面に浮いたまま下りられなくなるのが出てくる。また、夜の間に動きを止めて水槽の底に沈んで死ぬものも出る。さらに、マグロの稚魚は成長が早く、その分餌が必要で、孵化後2週間もすると共食いを始めるそうだ。

 

養殖の環境ですらこうなのだから、自然界での卵からの生存確率は数十万分の1あるかないかというのも頷ける。これだと流石に絶滅を危惧されてしまうのだろう。量産化の期待が高まるのもむべなるかな。ところが更に問題なのは、稚魚の大量生産ができないこと。近大が1974年に完全養殖の研究を始めて30年以上経っても、産卵はまったく自然にゆだねるしかないらしい。

1979年、初めて畜養マグロが生け簀で卵を生んだのだけれど、孵化した稚魚は47日で死んでしまった。その後も数十日で死ぬことが続いた揚げ句、83年から11年間は卵を生まない年が続いたという。前途は厳しいかと思いきや、なんと、サバにマグロを産ませて増やそうという研究が進んでいる。

 

12年近くこの研究に取り組んでいる吉崎悟朗・東京海洋大学准教授は、7年前、淡水魚のヤマメにニジマスの卵や精子を作らせることに成功。2005年からサバにマグロを産ませる研究に着手している。このサバにマグロを生ませる技術は、生まれたての赤ん坊のサバにまず、サバ自身の卵や精子を作らないよう不妊処理を施す。その後、メスのサバにマグロの卵原細胞を、オスのサバにはマグロの精原細胞を注入するというもの。

 

そのサバが大人になるとマグロの卵や精子だけ作ることになるから、処理されたサバのメスとオスが受精して卵を産めばクロマグロの子になるという仕組み。この技術の凄いところは、マグロの稚魚を作るのに、マグロを使わなくてよいところ。自然に任せるしかないマグロの産卵が、サバの腹を借りることでより確実になる。これは、マグロの大量生産をも可能にする技術となるかもしれない。

 

吉崎悟准教授は、この技術を使って、クロマグロを鮭の放流のように、人間が取る分だけ増やせればそれでいいとコメントしている。クロマグロの放流とは何とも夢のある話。たとえば、瀬戸内海に大量にクロマグロの稚魚を放流することなんてできれば、瀬戸内海全部がクロマグロの生簀になるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

第5章 宇宙科学技術


小惑星探査機「はやぶさ」

200359日に宇宙科学研究所から打ち上げられた小惑星探査機・通称「はやぶさ」は、2005年夏に火星軌道近傍の小惑星イトカワに着陸、サンプルを採集して20106月に見事地球へ帰還した。

 

JAXAは、カプセル内部で確認された微粒子の分析を進め、11月には、微粒子のほぼ全部がイトカワ由来の物質だと発表した。探査衛星「はやぶさ」は小惑星イトカワに接近した際に、様々な観測をおこなっていて、「近赤外線分光器(NIRS)」による、イトカワの地域ごとの反射スペクトルの観測や、「蛍光X線スペクトロメータ(XRS)」による総スペクトルの観測によって、イトカワの組成は、普通コンドライトであると推定されていた。

 

そして更に、「はやぶさ」がイトカワの「ミューゼスの海」と名付けられた、なだらかな部分への降下中に捉えた、イトカワ表面の画像には、表面の殆どで、数cmの大きさに揃った小石が敷き詰められたように存在し、観測の結果、輝石とかんらん石であることが分かっていた。カプセル内の微粒子にも、かんらん石や輝石、斜長石などが含まれ、イトカワの表面観測結果と一致していたことも、回収された微粒子がイトカワのものとする決め手の一つとなったという。

 

JAXAはこれまで、電子顕微鏡による組成分析では「イトカワ由来」と判断するのは難しいとして、より詳細な分析を行ってから結論を出す予定だったそうなのだけれど、上野宗孝・JAXAミッション機器系副グループ長は「大量の微粒子がそろって、イトカワ由来の傾向を示したので、科学的にも間違いない。簡易分析でこれほどはっきりした結果が出るとは、予想していなかった」とコメントしている。

 

小惑星に着陸するのも世界初なら、地球に帰還するのも世界初。そしてとうとうサンプルまで持ち帰っていた。正に快挙と言う他ない。

「はやぶさ」の名称は「第20号科学衛星 MUSES-C」。実は、はやぶさの名称は、打ち上げして、軌道投入確認後に決定された。命名の由来は、探査機が小惑星の表面を採取する様子を、隼が獲物を捕らえてさっと舞い上がる様子になぞらえたものだそうで、当時内之浦へと向かう寝台特急「はやぶさ」や、薩摩隼人の「隼」といった理由もあるという。

 

ただ、偶然にも、日本の宇宙開発・ロケット開発の父であり、旧帝国陸軍一式戦闘機「隼」の開発にも携わった、故・糸川秀雄教授の名に因んで命名された、小惑星「イトカワ」に、「はやぶさ」の名を冠した探査衛星が訪れるというのも、何やら運命的なものを感じないではいられない。

 

「はやぶさ」のミッションである、小惑星からサンプルを持ち帰るという「サンプルリターン計画」は国際的にも高く注目されていて、大きく次の4つの実験を目的としていた。

 

(1)イオンエンジンを主推進機関とした惑星間航行

(2)光学観測による自律的な航法と誘導

(3)惑星表面の標本採取

(4)惑星間軌道からの直接大気再突入と回収

 

「はやぶさ」はこれらのミッションを完璧に果たしたけれど、その運行はほとんど奇跡といっていい程のものだった。姿勢制御装置の故障や化学エンジンの燃料漏れによる全損。姿勢の乱れ、電池切れ、通信途絶にイオンエンジンの停止・・・。様々なアクシデントに見舞われてなお、ミッションを遂行したJAXAのはやぶさスタッフには素直に敬意を表したい。

 

たとえば、イトカワへの着陸では、XYZの3方向制御のために3台設けられていた姿勢制御用のリアクションホイール2台が壊れるというアクシデントに見舞われてなお、精度の出ないガス噴射制御での着陸を慣行し、見事に成し遂げている。



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