目次
まえがき
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タイトル目次
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第1章 エコ技術と生産技術
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アメリカの新車燃費規制
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公差の魔術
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海賊版対策とIpadの中身
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第2章 資源と環境技術
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リサイクルされるレアメタル
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レアアース戦争
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微生物と植物が地球を救う
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日本が産油国になる日
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第3章 電気社会の到来
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宇宙太陽光発電衛星計画
海洋温度差発電
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直流送電技術
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ワイヤレス送電技術
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電気自動車の可能性
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キャパシタ搭載バス
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ハイウェイトレイン構想
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ギガンティック・トウキョウ
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第4章 食料生産技術
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野菜工場
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CAS冷凍技術
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クロマグロの養殖
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第5章 宇宙科学技術
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小惑星探査機「はやぶさ」
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アブレータ耐熱技術
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イカロスの翼
学術・科学技術予算について
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第6章 軍事技術
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CSMミサイル構想
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F22とF35はガンダムとジムくらいに違う
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自衛隊がF22を持つ意味
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空母型護衛艦「ひゅうが」
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第7章 日本の安全保障と国家モデル
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軍事力による平和
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ODAは肉食動物を太らせた
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アメリカの強さの源泉
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日本がスネ夫になるための2つの条件
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しずかちゃんに成りかけた日本
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かつての日本はノビスケだった
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日本が出来杉君になる日
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あとがき
あとがき

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ワイヤレス送電技術

また、送電線を使わずにワイヤレスで送電する技術も開発されている。「Witricity」という言葉を耳にした方もいるだろう。ワイヤーとエレクトリシティをくっ付けた造語として名づけられたこの技術は、磁気の共鳴を利用して、電力を伝送するという技術。一言でいうと、「ワイヤレス充電」のこと。

 

2007年6月7日、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で、この「ワイヤレス充電」の実験デモが行われ、電源から7フィート(2メートル強)離れた60ワット電球にワイヤレスで送電、点灯することに成功した。尤も、ワイヤレスで電気を送る技術はこれだけという訳ではなくて、現在実用化が検討されているワイヤレス送電技術には、電磁誘導方式・磁気共鳴方式・マイクロ波放電方式の3つがある。

 

だけど、それぞれ原理が異なり、送れる電流の大きさや到達距離が異なる。宇宙太陽光発電で衛星から地上に送電する技術は、この中のマイクロ波放電方式に当たる。この技術は、日本ではMILAX(MIcrowave Lifted Airplane eXperiment)と名づけられ、1992年の8月22,23,29日の3日間にわたって模型飛行機での送電実験が行われ、成功している。この時の実験は、10mを水平飛行する模型飛行機に送電器を装備した追尾送電車から、2.411GHzのマイクロ波を使い、飛行機の飛行に必要な電力を送電するという実験だった。MILAX飛行機実験は、時間にして約30秒間、上空10m~15mを、約400m飛行した。

 

この実験で、飛行機を飛行させるのに十分な電力が送電できることが確認され、マイクロ波から直流への変換効率は約40%という結果が得られている。また、現在、電動歯ブラシや電動シェーバー、ゲーム機のリモコンなどの小型機器の充電に使われている方式は、主に電磁誘導方式。きわめて短い距離で高効率の送電が可能な半面、伝送距離がきわめて短く、送受信器の向きもきちんと合わせる必要があり、専用の充電台が必要になるなどのデメリットもある。

それに対して、MITがデモに成功した「磁気共鳴方式」は、数メートルから、理論上は、数百メートル程度までの送電が可能で、送受信器の向きも、電磁誘導方式ほどシビアにしなくてもよいという利点がある。

 

伝送効率も送電距離が2mの場合で40%、1mでは、実に90%の伝送効率を得られるという。この「磁気共鳴方式」による送電の原理は、一言でいうと、音叉の共鳴現象と同じ。同じ周波数の音叉を近くに置いて、一方を鳴らすと、音波による空気の振動がもう一方の音叉にも伝わって、もう一方の音叉も振動し始めるけれど、同じように、磁気共鳴方式では、2つのコイルを「共振器」として利用する。

 

給電側のコイルに電流が流すと、そこに発生した磁場の振動は、同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わって、受電側にも電流が流れる仕組み。供給側からは無指向性の電力の波が広がっている性質から、有効範囲内であればどこでも電力の供給を受けることができるという。MITは、今回の実験結果からノートパソコン程度の充電は可能だと結論づけている。

 

こうした、送受信器の向きをそれほど気にしなくてよいという特徴は、新しい製品の可能性を広げる。たとえば、複数の携帯デバイスを置くだけで充電ができる、「充電トレイ」のような製品も開発可能になる。2009年2月に、スペインのバルセロナで開かれた「Mobile World Congress 2009」において、このようなワイヤレス充電装置のデモ展示が行われている。

 

この、磁気共鳴方式によるワイヤレス送電技術は、既にいくつかの企業で実用化に向けての取り組みが始まっていて、MITから技術ライセンスを受けた、ベンチャー企業の米WiTricity社や、米Intel社、米Qualcomm社、日本では、長野日本無線や昭和飛行機工業といった企業がそれぞれ研究開発を進めている。電流の変換効率と高めることと、送電距離を延ばすことが目下の課題のようだ。

 

今のところ、実用化の時期は明らかにされていないけれど、こうした技術が実用化されれば、またいろいろな製品が開発されることになるから、また新たな成長分野が拓かれることになる。

電気自動車の可能性

朝日大学マーケティング研究所が08年2月に行なった、車に対する意識調査によると、首都圏在住の20歳~39歳男女で、車を持っている人の約7割は、週4日以上運転しないという。その反面、「ちょっとした用事・買い物」の用途・目的で車を使う頻度が大きく増えているのに対して、「テーマパーク」や「ドライブ」といった非日常のイベント的な用途・目的で車を使う頻度は下がっていて、『自動車が単なる移動手段としての道具と位置付けられ、長距離の移動を楽しく過ごすという意識が以前ほど感じられない』と結論付けられている。

 

特に都会では、電車やバス網が発達しているから、無理して車を持つ必要まではない。だけど、有れば有るで便利だし、実際ちょっとした用事には使われているという調査結果がある。また、田舎のように交通網が十分に整備されていないところであれば、もっと車は必要とされる。だから、自動車という存在自体が全く必要なくなるという事はない。小さな子供が沢山いる家族には大きなワゴンは欲しいだろうし、病院に行くのにいつも救急車を呼ぶ訳にもいかない。

 

本来の車の機能を考えた場合、その役目は人を含めた物資の輸送手段。その輸送「手段」として個人の車のあり方を考えてみると、実に無駄が多いことに気づく。普段の個人の生活で、365日、毎日24時間、物資の輸送手段を必要とする人は少ない。輸送業を生業としている人でも寝ながら運転はできないし、食事や休息だって必要。

 

車を単なる移動手段として考えた場合、必要なときに必要なだけあればそれで事足りる。だけど、先の調査結果でも分かるように、週の半分も運転しない人が大半を占める現状は、移動「手段」としての車が、普段の生活の中では僅かな時間しか必要とされていないことを示してる。駐車場で寝かされている時間のほうがずっと長い。これを企業の商品に置き換えて考えてみると、めったに売れない商品を「在庫」として抱えていることと同じ。

駐車場代という名の倉庫代は嵩むし、持ってるだけで税金も取られてゆく。企業経営的感覚からみれば、持っているほうがおかしい、レンタルで十分だと考えるのが普通。だから、これからの社会は、車を必要とする状況、つまり車が欲しい時間と場所がより個人の要求に沿ったものになっていって、在庫は極力持たない方向にシフトしてゆく。本当にその個人にとって、ピンポイントで必要な時間と場所に車が欲しい。そんなニーズが広がっていくことは疑いない。

 

市民団体「日本EVクラブ」は、CO2削減EV洞爺湖キャラバンと題して、2008年6月に電気自動車で、東京から札幌市の北海道庁までの858.7kmを7日で走破した。使われた電気自動車は、富士重工業「スバルR1e」と三菱自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」の2台。驚くことに、東京から北海道まで行って、かかった電気代はたったの1713円。これがガソリン車だと、12956円になるというからその安さが分かろうというもの。

 

キャラバンに参加した2台は、途中東京電力さいたま支社で急速充電を行ったけれど、スバルR1eは約5分、三菱iMiEVは約15分の充電で8割くらいまで電気が復活するとレポートされている。ガソリン補給なんかと比べても全然見劣りしない。また、キャラバン中、立ち寄った岩手のコンビニ(ローソン紫波高水寺店)で、普通にコンセントから補充電もしている。

 

昔、道路に電線を張って、そこから電気をもらいながら走るトロリーバスというのがあったけれど、電線がないところでは走れないという欠点があって、次第にガソリン車におされて廃れてしまっていた。ところが最近のバッテリー技術向上のお陰で、バッテリー走行でも以前と比較して長距離を走れるようになった。それで、少しづつトロリーバスが復活してきているそうだ。


洞爺湖キャラバンで見せつけた電気自動車の性能を考えれば、トロリーバスが復活したと言ってもなんら驚くに当たらない。それにしても、近年の車の技術革新には目覚しいものがある。次世代型電気自動車、燃料電池車、インホイールモーターなど続々と新技術が開発されている。

 

特にインホイールモーターは、車のホイール部分に走る為のモーターを内蔵するから、トランスミッションやドライブシャフトなどの複雑なメカニズムが要らなくなる上に、各駆動輪の駆動力や制動力をきめ細かく独立制御できるようになる。更には、駆動部分がホイール内に収まるので、設計自由度が上がって、ハイブリッド車や燃料電池車のバッテリや燃料電池、水素タンクの搭載スペースを容易に確保できるという。

 

また、車の制御についても、新技術が開発されている。今では、車を無人で走らせることも可能になっていて、既に実用化されている。新型シーマの上級グレードにオプション設定された、レーンキープサポートシステムがそれ。これは、車のフロントにレーダーを装備して絶えず前方を監視して、前の車への衝突を防ぎ、ルームミラー上部にあるCCDカメラで、周囲の白線や車線を判別してハンドルを自動操縦するという技術。

 

純粋に性能だけでいえば、手放し運転すら出来るものなのだけど、道路交通法で手放し運転が認められていないので、あまり表だって宣伝できないシロモノらしい。実に勿体無い。朝日大学マーケティング研究所の調査で明らかになった「ちょっとした用事・買い物」の用途・目的で車を使う頻度が大きく増えているというニーズを考えたとき、車を持っていない人達にとって、それに応えるものがあるとすれば、タクシーとかレンタカーがそれにあたるだろう。

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