目次
まえがき
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タイトル目次
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第1章 エコ技術と生産技術
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アメリカの新車燃費規制
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公差の魔術
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海賊版対策とIpadの中身
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第2章 資源と環境技術
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リサイクルされるレアメタル
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レアアース戦争
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微生物と植物が地球を救う
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日本が産油国になる日
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第3章 電気社会の到来
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宇宙太陽光発電衛星計画
海洋温度差発電
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直流送電技術
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ワイヤレス送電技術
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電気自動車の可能性
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キャパシタ搭載バス
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ハイウェイトレイン構想
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ギガンティック・トウキョウ
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第4章 食料生産技術
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野菜工場
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CAS冷凍技術
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クロマグロの養殖
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第5章 宇宙科学技術
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小惑星探査機「はやぶさ」
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アブレータ耐熱技術
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イカロスの翼
学術・科学技術予算について
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第6章 軍事技術
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CSMミサイル構想
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F22とF35はガンダムとジムくらいに違う
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自衛隊がF22を持つ意味
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空母型護衛艦「ひゅうが」
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第7章 日本の安全保障と国家モデル
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軍事力による平和
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ODAは肉食動物を太らせた
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アメリカの強さの源泉
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日本がスネ夫になるための2つの条件
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しずかちゃんに成りかけた日本
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かつての日本はノビスケだった
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日本が出来杉君になる日
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あとがき
あとがき

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レアアース戦争

資源争奪戦が繰り広げられるのは、レアメタルだけではない。昨年、中国がレアアースの輸出停止措置を、日本だけでなく欧米にも拡大したことが波紋を呼んだことは記憶に新しい。2010年9月26日に、中国がレアアース輸出規制を発表して以来、国際社会では輸出拡大や代替資源開発を求める声がわき上がっていて、米国もWTOに提訴する構えを見せている。

 

特に、欧米諸国は日本ほどレアアースの在庫を保有していないから、輸出停止は欧米各国の経済に深刻な打撃を与える可能性があると報道されている。一部には、中国が「元高」など変革を迫る国際社会に対し、レアアースを外交カードにして揺さぶりを掛けているという観測もある。

 

レアアースとは、希土類元素(きどるいげんそ)のことで、スカンジウム 21Sc、イットリウム 39Y、ランタン 57La からルテチウム 71Lu までの17元素からなるグループのことで、発見された経緯や元素ごとに分離する際の状況によって、軽希土(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム)と中重希土(サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、イットリウム、他)に分類される。

 

レアアースは、1794年にフィンランドの学者J.Gadolinによって、1787年に発見されていた新しい鉱物中の、未知の元素の酸化物として発見された。その鉱物はスウェーデン産の希少鉱物であったことと、その酸化物が、融点が高くて還元されにくい酸化物であったため、“希な土(rare earth)”と名付けたことが、その語源とされている。

 

レアアースの各元素は、その科学的性質が非常に似ていて、高融点で熱伝導性が高いことや、通常の金属類より強い磁気を持つという特徴がある。特に、ランタンからルテチウムまでの15元素については、反応性などの差も殆どなく、元素の周期表の一か所にそれらが納められてしまう形になる。


従って、レアアースは、通常、鉱物中からは、常に一団となって発見され、しかも、科学的性質や反応性が似ているために、各々の元素の分離はもとより、分析することすら難しい。現在、レアアースの各元素は様々な用途に使用されているけれど、最も注目されているのは、磁石としての使い道。

 

ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とする、Nd-Fe-B磁石は、永久磁石の中では最も強力とされ、また同性能を持つ、代替材料も見つかっていないそうなのだけれど、これに、中重希土類である、ジスプロシウムやテルビウムを添加することで、Nd-Fe-B磁石の高温域での保磁力や磁束密度が高まるという。

 

日本において、この、Nd-Fe-B磁石を一番使うのは、パソコンなどのハードディスクで、磁気ヘッドの位置決めに用いるVCM(ボイスコイルモータ)磁気回路にレアアース磁石が使われているのだけれど、日本製のハードディスクのほぼ全てに、このレアアース磁石が使用される。

 

更に、レアアースは、ハイブリッド車のモータやエアコンの室外機の駆動素子等や、ガラス研磨剤・添加剤、触媒、蛍光体等と幅広く用いられていて、現在のハイテク産業にとっては無くてはならない物質となっている。

 

世界のレアアース生産は、現在、その90%以上を中国が占めているのだけれど、その理由のひとつとして、他のレアアース鉱山がその生産量を急減させたことがあげられる。1997年時点では、レアアース酸化物の供給量は、中国が53300トンで遭ったのに対して、アメリカが20000トンを産出していたのだけれど、アメリカの最大のレアアース鉱山であるMountainPass鉱山が環境問題等で、1998年に生産量を大きく減少させ、2002年には生産休止となっている。

 

ただ、中国の寡占状態を懸念して、今回の問題が起こる前から、中国以外の供給源を求める動きが世界で様々に行われており、オーストラリアのMt.WeldプロジェクトやカナダのHoidas Lakeプロジェクト、Thor Lakeプロジェクトがあり、アメリカのMountain Pass鉱山も、20099月に採掘再開を発表し、2012年にはフル生産をする見込み。

中国国内最大のレアアース鉱山は、内蒙古自治区にある包頭の白雲鄂博鉱山で、軽希土を中心に生産、現在世界で生産されるレアアースの約半分を供給している。中国は元々、レアアースを国家戦略物資と位置付けていて、中国国内の内需優先と、輸出の高付加価値製品へシフトさせる為の政策を次々と打ち出していた。一覧にすると次のとおり。

 

2002年:外国企業や合弁企業(中国企業と海外企業)のレアアース産業への参入の禁止

2004年:輸出増値税還付制度撤廃(鉱石について撤廃)

2005年:輸出増値税還付制度撤廃(酸化物について撤廃)

2005年:海外から鉱石を中国に持ち込んで中間製品に加工して輸出する貿易の禁止

2006年:輸出税の増税と輸出許可枠の削減

 

このうち、輸出許可枠の削減については、中国は毎年のように行っており、今回の輸出許可枠の削減もそれに従ったものと思われるのだけれど、ここまでくると、はっきりとレアアースを外交カードとして使っていると言っていいだろう。

 

今、問題となっているのは、先ほども述べた、ハードディスクやモータ等に使用される、Nd-Fe-B磁石の高温域での保磁力・磁束密度を高める、ジスプロシウムやテルビウムといった、中重希土類の生産および確保なのだけれど、その量が多く含有されているのは、現在は、中国の江西省、湖南省、広東省、福建省等で生産される花崗岩風化型鉱床だけ。(花崗岩風化型鉱床とは、地表に露出した花崗岩が地表水等により風化され土壌を形成、その風化土壌中に含まれる粘土鉱物に希土類元素イオンが吸着されることにより生成した鉱床のこと。採掘しやすく値段が安い。)

 

従って、新たな、レアアース鉱山開発が期待されているのは、中重希土に富む鉱床の開発。これらについては、独立行政法人産業技術総合研究所が、日本国内のマンガン鉱石の分析によって、海底で噴出した玄武岩とその上に堆積した珪質岩に挟まれた、「層状マンガン鉱床」と呼ばれる鉱床に、中重希土類が大量に含まれている分析結果を発表している。

報告によれば、この鉱床の鉱石は赤鉄鉱を伴う鉄マンガン鉱石の組成を持っていて、これまで希土類元素鉱床開発時にしばしば問題となっていたトリウムやウラン等の放射性元素がほとんど含まていないという利点があるそうだ。

 

これらの鉄マンガン鉱石に含まれる希土類元素含有量、特に重希土類元素含有量は、中国の花崗岩風化型鉱床のそれよりも一桁高いというから、この層状マンガン鉱床が開発されると、その生産量にもよるけれど、中国産レアアースの戦略的価値は大きく減衰する。

 

日本では層状マンガン鉱石は既に終掘しているけれど、同様の鉱床は環太平洋地域や南アフリカ等世界各地に広く分布していて、今後の開発が期待されている。日本も積極的に、層状マンガン鉱床の開発を進め、レアアースの中国依存から脱却していくことも考える必要はあるだろう。

微生物と植物が地球を救う

2010年11月末、NASAが地球外生命に関する発表を12月2日に行なうとアナウンスして、すわ、宇宙人発見の発表か、と一部で騒ぎになったけれど、その内容は、猛毒である「砒素」を食べて増殖する異質な生命体の発見だった。

 

NASAの宇宙生物学研究所に所属するフェリッサ・ウルフ・サイモン氏は去年「リンの代わりに砒素を摂取する生物の可能性がある」との論文を発表していて、サイモン氏のチームは、ヨセミテ国立公園南東の火山渓谷にある、アルカリ性で、塩分濃度が高く、砒素の豊富なモノ湖で細菌を採取した。

 

「GFAJ-1」と名付けられた、この特種な細菌は、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄と並び生物に欠かせない元素「リン」の代わりに砒素を摂取して、DNAとタンパク質を作り出すという。正に砒素を食べる微生物。

 

サイモン氏のチームはモノ湖の細菌をシャーレで培養する過程で、リンの量を徐々に減らして、砒素を増やしていき、放射線トレーサーを用いて化学分析したところ、GFAJ-1は砒素を細胞内に取り込みんで代謝していることが判明した。

 

この発見で、これまでの生物の定義やDNAの基礎概念を覆しただけでなく、地球外生命探査の可能性も広がったという。

 

人体にとって有毒な砒素を食べてくれる微生物が実在するということは、これを培養することが出来れば、砒素に汚染された土地や河川を、浄化できる可能性に繋がる。

 

実は、この「GFAJ-1」のように、砒素を細胞内に取り込みんで代謝している訳ではないけれど、鉛や砒素などの有害廃棄物を「食べる」生物がイギリスで発見されている。

 

それは、ミミズ。

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