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「ねえ機械」
「なんだい肉」
「来るたびに店のコンセントで充電するのやめようよ」
「こうして大地の声を聞いているのです」
「なんて言ってんの大地は」
「え? ああ、まあ、なんか言ってるよ」
「ちゃんと考えとけよ!」
「やべ店員きた」
「って言ってんの?」
「うわコード引っ掛かっ」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「3つのパーツに分かれてて、どれに話しかけたらいいのかわかんないよ」
「おまえが分解したんだろ!」
「今どれが声出した?」
「えっ、わかんね」
「喋るパーツだけ捨てようと思って」
「「「全部喋るよー! ほら全部声出た!」」」
「じゃ全部捨てるか」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「もう肩まで水がきてるんだけど」
「肉は錆びないからいいよなー」
「もっと自己保存に真剣になれよ!」
「肉の保存っつったら塩だろ? 塩は機械の大敵だろ?」
「そういやレーザーあるじゃんお前!」
「あれは調理用だっつってんだろ!」
「もう錆びろ」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「最強なのはやっぱ昆虫じゃね?」
「虫は機械の仲間だよ」
「なんで?」
「外側が堅い」
「人と話すときは詭弁アドオンを外せ」
「足6本ほしいなー」
「いま9本あるから、じゃ3本外すか」
「おいそれ多すぎだろ!」
「自分で把握しとけよ!」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「この瓶のフタ開けて」
「0.01秒で開けて0.01秒で閉めるから、その間に願い事を素早く3回繰り返すんだぜ!いいな!」
「『しねしねしね』みたいな?」
「機械は死なない」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「機械は何個モーター入ってんの?」
「まずお前に入ってる軟骨の数をおしえてくれ」
「154個」
「まあ出まかせだろうけど、機械は即答に弱いのでごほうびを上げましょう」
「いや、モーターはいらないから」


「ところでさあ、機械」
「いやそれは違うよ、肉」
「まだなんにも言ってないよ」
「顔に書いてあるよ」
「そう言いながらひとの顔に0と1をたくさん書くのはやめろ」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「この瓶のフタ開けて」
「開けるには約80000の手順が必要です。冷蔵庫に入れるだけなら3つの手順で済みます」
「開けてくれるのかくれないのか、イエスかノーで答えろ」
「(開いたり閉じたりする動作)」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「蚊をどうにかして…」
「血を吸われてくやしいなら食っちゃえばいいじゃん」
「チョロQを咀嚼しながら言われると、なんかそういうものかなという気がしてくる」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「ちょっと排気臭いよ」
「毒性はないよ?」
「あったら廃棄処分だよ」
「環境破壊はダメ! ゼッタイ!」
「なんで不法投棄が前提なんだっつうか、毒性あんのかよ!」
「毒性はないが自主的に環境を破壊する」
「なにその悪役ロボ声」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「機械は空とべるんだっけ?」
「心の底から願えば、きっと飛べるよ…!」
「アヒルに優しい嘘をつくみたいな言い方してるけど、お前のことを聞いてんだよ」
「補助ブースターないとやる気出ないんでー」
「やる気以前に推力ないだろ」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「この瓶のフタあけて」
「もうそれ専用の道具買えよ、ハンズとかで」
「複合機としての誇りをもとうぜ!」
「何と何の複合?」
「瓶のフタあけ機と漬物の重石」
「台所以外でも活用してほしいな…」
「登記書類的にそれは無理」
「玄関の犬シール、あれ何?」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「もっと真剣に掘ろうよ」
「トリュフ探す機能はねえから」
「昨日プロセッサに豚の脳追加したのに」
「無造作にナマモノ足すなよ! あと足もこれ豚足じゃねーか!」
「コスプレだと思えばいいじゃん」
「うわ骨でてきた骨!」
「あ、それ昨日埋めた豚骨」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「なんで飛行機こわいの?」
「飛行機じゃねえよ! 高度が怖いんだよ!」
「機械としてどうよそれ」
「高度な機械は怖がるんだよ」
「貨物室は窓ないよ?」
「せめて手荷物にしろよ!」
「じゃそのカメラだけ持ってくか」
「窓の外は見せるなよ! 絶対に!」


「ねえ機械」
「なんだい肉」
「その点滅ちょっとうざいよ」
「いま未来の自分にメッセージ送ってんだよ」
「不具合ごまかしてるだろ」
「ちょっとこのパターンを解読してみ?」
「『オ・レ・ハ・モ・ウ・ダ・メ・ダ』」
「あれっ声よく聞こえない 眠い」
「ごめん、電池切れのランプだったわそれ」

この本の内容は以上です。


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