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 版権所有: 高橋正和。<不許複製>

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はじめに

 クリスマスというのは、子どもであろうと、大人であろうと、楽しみなものですね。

 それはなぜでしょう。

 

 そのわけは、クリスマスには何かしら奇跡が起こるからかもしれない、と私は思うのです。

 

 たとえば、思ってもみなかったプレゼントをもらえるというのも、その人にとっては小さな奇跡でしょうし、人を許す気になった人にとっては、心の中のちょっとした奇跡でしょう。

 

 愛が芽生えたカップルにとっては、それこそ人生の一大奇跡でもありましょう。

 

 そのように、クリスマスが近づくと、いろいろなところで、小さな奇跡がおこります。

 

 ただ、そういう奇跡ついては、気づく人もいれば、まったく気づかない人もいるのです。

 

 それでは、これから、私が気づいた小さな奇跡のひとつをお話しいたしましょう。


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再会

  一人の老人が、村の教会通りへさしかかったとき、もう日はどっぷりと暮れ、降り出した雪が老人のまつげの上にまで積もろうとしていました。

 

 老人は右手に杖をつき、左手にはランプを提(さ)げていましたが、灯(ひ)はともっていませんでした。

 けれども、それはどうでもよかったのです。

 

 なぜなら、老人は目が見えなかったからです。

 

 


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最終更新日 : 2018-05-30 16:25:43

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挿絵1 老人は雪の中を


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最終更新日 : 2018-05-30 16:25:43

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そこへ、一人の男が

 そこへ、一人の男が通りかかりました。

 そして、老人にあやうくぶつかりそうになりました。

 

 男は文句を言おうとして口をあけかけて、やめました。

 

 そして、老人をじっと見ると、ポケットからマッチを取り出して老人の提(さ)げているランプに灯(ひ)をともしてやりました。

 老人はランプの熱で灯がともったことを知りました。

 

 「これは、これは、ありがとう。どなたでいらっしゃるな。」

 

 老人が、そうたずねると、男は黙って何も言いませんでした。


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