目次
今年の干支、戌(いぬ)年
1月の天気
1月の星座 うさぎ座
北極星を探す目印「カシオペヤ座」
「ヨーロッパ」の由来、おうし座
冬将軍の正体
冬と天気と日本海
地上天気図と高層天気図
雲形で天気予報
平年値」と雪
世界の正月
門松と家康
「初夢」を楽しむ
冬のダイエットは老化を促進
成人式にネクタイを締めなおす  
「海のミルク」
白菜の効用
天然物信仰と食経験
難を転じる南天の実
水仙の花に注意
寒造り(かんづくり)
家庭の味が無くなってきた!
レンジde お餅
「今年の一皿」
「超簡単」--こうや豆腐
レンジ豚(ラーメンやチャーハンにもピッタリ)
おかゆの復権
あったか厚揚げのたたき
うま味調味料が中華料理を世界に広めた
即席めんを発明し世界の食文化を変えた男 安藤百福 ③
老化は足から来る
老死と料理
ハーブのすすめ
「飲むサラダ」マテ茶
関西人の体はでんぷんとソースでできている
油の特長を生かした調理
縁起のいい冬野菜「芽キャベツ」
聞いてビックリ!今時の若い人の食事
現代病の食養生 主食に玄米をとりいれる
愛煙家には厳しい時代に
焼き鳥の謎
ダイエットという食文化(後編)
正月後のお手当て
気血が足りない方の養生
先天の気(腎気)と後天の気(脾胃の気)
キレル子、ムカツク子をなくす食生活
風邪には「しょうがの練りチューブ」
へそ温灸のすすめ
ガメ(亀虫)の大量発生と、この冬の病気
お手当ての意義と順序
朝の便り
小寒からの養生法
長引く下痢症状
冬に多い中風(脳卒中)の防ぎ方
高齢者にもオススメ☆アロマセラピー
話し上手より聞き上手
江戸時代、標準語は無かった
「世間様」というものを憚る意識
多産は繁栄の象徴
タコの吸盤がロボットを進化させる?
レジのないお店
10のものを10発揮する努力
老人向け字幕表示
占いと迷信と星占い
敗北を免れる妙法
具体的に国民に提示する能力
3本の鼎(かなえ)
室町時代をみる縦と横 
明治150年と昭和100年 
老眼鏡と読書 
内戦と寛容
戦争を知らない時代の老武士が殺気を知る太平の世
ATMちょっと便利な利用法
『古事記』の神々(その10)
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気血が足りない方の養生

体が疲れやすい、めまいがする、気力がない、少し動くと症状が悪化する息切れ、不眠、手足のしびれ、月経不順などの症状でお悩みの方・・・・

このような方は胃腸の機能が弱く、食物のエネルギーがうまく転換されにくい体質です。

こんなときは、油物、甘い物、冷たいものなどを避け、また、消化のよいものでも、食べ過ぎはよくありません。

腹6~8分にとどめ、回数を増やしてもかまた、胃腸の調子が悪い方は、背中がとても懲りやすく、そうなると消化管が全く動かず、ドスンとしてしまいます。

ストレッチなどで、背中をしっかり伸ばしたりゆるめたり、それでも動かない方は、仰向けに寝ころんで、ゴルフボールなどを背中の凝っている部分にしき、ゴロゴロとしてみてください。

こりがとれると、必ず胃腸が動いてきますヨ。

また、気を増やすには、ある程度体を動かしてやることも必要です。

座り仕事の方は、1時間に一度は、ストレッチやスクワットなどで体を動かしてください。

まいませんし、食べたく無いときは無理に食べる必要はありません。

食事の時間がきたから食べるのではなく、お腹がすいてから召し上がってくださいね。

できれば、お腹がすいて、グーグー鳴りだしてから食事をとるようにするとよいのです。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー   高田理恵/絵:吉田たつちか)2007.01


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先天の気(腎気)と後天の気(脾胃の気)

人の生命力は、親からもらった先天の気(腎気)と、食物から採り入れた後天の気(脾胃の気)により決まります。

先天の気は、生まれながらに決まってしまっているので、体力や免疫力が低下して、闘病中の方は、後天の気を高めて、胃腸を立て直し、病気に打ち克つ力をつけてゆくことが大切です。

食物は、脾胃の働きで栄養となり、血液によって各臓器へ分配され、体を維持してゆきます。

また、免疫細胞となる白血球、酸素を運搬する赤血球などの血を作るのも、脾胃が司っており、胃腸はまさに、免疫力の大元です。

食物のまちがい、食べ過ぎ、ストレス、体力を上回った治療などによって、脾胃が損傷されると、全身に気血が巡らなくなり、

1,酸素や栄養素が十分に届けられない

2,免疫パトロールが低下する

3,解毒代謝、排泄が鈍る

4,ホルモン系に異常をきたす

などが起こり、病気が起こりやすくなったり、直りにくくなります。

脾胃の働きが改善され、正しい気血が巡るようになると、免疫も整い、病気に対する抗病力がついてきます。

食欲が落ちて、体重が減ってきている方は、まず、脾胃の立て直しをはかり、お

腹をよく温めてください。

 

(薬剤師、薬食同源アドバイザー  高田理恵/絵:吉田たつちか)2006.1

 


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キレル子、ムカツク子をなくす食生活

私の保健室には、「うちの子、すぐにキレルし、ムカツクなどの言葉を連発するのですが、どうしたものでしょうか?」という相談が度々あります。

このような相談は、以前は中学生~高校生に多かったのですが、最近は低年齢化して、小学生のお子様の相談であることも多くなりました。

キレやすい・・・というのは、個人の性格や、人格ではなく、生体ホルモンのバランス失調による影響が大きいと考えられています。

攻撃性、闘争性を促進するホルモンとしては、男性ホルモンであるアンドロジェンがあげられますが、これは、中高生男子でピークを迎えます。

また、卵、牛乳、乳製品、肉などをたくさん食べますと、性ホルモンが刺激され、小

学生のうちから初潮を迎えたり、男性ホルモンが活性化され、攻撃性を増すことになります。

これらの問題を抱えたお子様の食事について尋ねますと、パン、牛乳、乳製品、卵、ハム、肉を中心とした洋食であることが多く、さらに、加工食品、インスタント食品、ファーストフード、スナック菓子など、ミネラルを全く含まない食事メニューが共通してみられました。

これらを、ご飯と味噌汁を中心とした、日本古来の和食に戻していくことが大切です。

また、攻撃性の男性ホルモンに対し、それを抑制するような、神経伝達物質がセロトニンです。セロトニンを増やすには、次の様な工夫が必要です。

1、精白食品(白砂糖、白米など)よりも、精製されていないもの(黒砂糖、玄米)をとろう

2、加熱処理によりビタミンが破壊されるため、生の物もメニューにとりいれよう

3、塩素処理された水を飲まないよう、浄水器などで工夫しましょう

4、なるべく無添加、無農薬の食品を選びましょう

5、カフェイン、チョコレート、ココアなどのとりすぎに注意しましょう

現代の食事は、知らず知らずのうちに添加物などをたくさん口にしてしまい、それらが、内分泌を攪乱させたり、自律神経を乱したりすると言われています。

これらを摂らない事は不可能なので、いかに、摂ったものを素早く解毒排泄してゆくかが重要なポイントになります。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)2009.01

 


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風邪には「しょうがの練りチューブ」

寒さが増し、本格的な風邪のシーズン到来となりました。

日本も欧米同様、風邪をひくとまず医者にかかりますよね。医者にかからないまでも、市販の風邪薬に頼る人は多いのではないでしょか。

台湾では、風邪をひくとまず漢方医を訪れます。かなりの重症でない限り漢方医で症状を言い、漢方薬を処方してもらい、それを煎じて飲むという東洋医学を好む人が多いからです。温泉も多い台湾なので、自然の力で治癒させたいという考えを持つのでしょうね。

西洋医学が嫌煙される理由の一つには、西洋医学を取り入れている医師が処方する薬の多さにもあります。台湾では、薬の副作用を抑えるための薬も出されるので、ただの風邪に7種類以上もの薬が出されることも珍しくないのです。逆にアメリカでは、風邪程度では薬に頼らない方が良いと考える医師が増えているので、何だか皮肉な話ですよね。

冬の時期に多い喉風邪ですが、とても効果的な治療法があります。それは、市販の「しょうがの練りチューブ」を使用したとても手軽なもの。

ホット・レモンティーに少々しょうがの練りチューブを混ぜて飲むと、とても喉が楽になり、身体もポカポカと温かくなりま

す。熱がある時も発汗作用があるので、汗をかき熱を下げる助けをしてくれるのだそうです。

「何だか調子がわるいな」と思った日には、バックに「しょうがの練りチューブ」を入れてみては如何でしょうか?

(コラムニストJULIE/絵:吉田たつちか)2006.1

 


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へそ温灸のすすめ

ここのところ、ぐっと冷え込み、風邪をひいたり体調をくずす方が増えてきました。

今年の夏は、猛暑でしたので、皆様クーラーでガンガンに身体を冷やされたり、冷蔵庫から冷たい飲み物をたくさん飲まれていたようです。

ペットボトルを片手に、お茶、清涼飲料水などをガブ飲みする姿は、もう日常の光景となりました。

そのときは、何も感じないでしょうが、このような生活を長く続けると、確実に身体は冷えて、病気になりやすい体質を作ってゆきます。

身体が冷えきっているため、これからの季節、気温が低くなると、身体はもちこたえられず、風邪をひいたり、あちこちに不調がでてきます。

特に、低体温、アトピー性皮膚炎、自律神経失調症、がんの方は、身体の内部がとても冷えています。

このような人のは、へそ温灸がお勧めです。

毎晩寝る前に、30分ほどへそ温灸を行ってください。

おへそは、私達の身体のエネルギーの中心で、最も冷やしてはならないところです。

この部分が冷えると、気のエネルギーが低下し血流障害、免疫の低下などを起こし易くなります。

逆に、おへその芯が温まると、気持ちも前向きになり、とてもリラックスしますし、よく眠れます。

温灸は、カイロなどとちがい、表面でなく、身体の深部を温めるので、とても効果が上がるのです。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー  高田理恵/絵:吉田たつちか)2005.1


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朝の便り

 皆さんは、朝一番の排便を眺めてみられる習慣がありますか?
便とは、その名前の通り体からのお便りなんですね。昨日までの食べ物が、間違っていなかったか、体の中で正しく栄養になったり、解毒されているか・・・等全て、朝の便りから把握することができます。
 体調が万全な時の排便は
1,便がコロコロしたり、細かったりせず、しっかりとつながっていること
2,色が濃い黄土色で、単一(よくこなれていて、まだらな感じがない)
3,悪臭がない
4,トイレの滞在時間が短く、排便後に残便感がない等です。
1,便が気持ちよくつながらず、切れたり軟便気味である方は、食事につなぎとなる繊維質が足りないためです。パンや麺類などの小麦粉食は、腸のヒダに詰まりやすいので、玄米や雑穀を主食に切り替えてください。慣れない方は白米に混ぜるところから始めましょう。
2,便が黒っぽかったり、よくこなれていない方は、とにかくよく噛むことを心がけてください。そして毎回腹一杯食べないように!腹6分食を心がけると、腸の負担が減少します。
3,便に悪臭がある方は、動物性食品(肉、牛乳、卵、魚)を消化酵素の割合以上に摂りすぎている可能性があります。真夏にお肉を放置すれば、すぐに腐るように、日本人の腸は長く、腸内でのお肉の滞在時間が長いために、摂りすぎればどうしても腸内で腐敗しやすくなります。このような状態では、腸内の免疫が正しく働きません。
4,トイレの滞在時間が長く残便感がある方・・・冷たい物を摂りすぎて腸が冷えていたり、ストレスや時間に追われた食事により、腸がリラックスできていない状態にあります。ながら食いや、イライラしながらの食事は絶対に避けてください。
 いかがでしたか?これからは、朝の便りから体からの信号を受け取り、体をいたわってあげてくださいね!
 
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:そねたあゆみ) 2013-01

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小寒からの養生法

 あらためて、新年おめでとうございます。今年も一年、無病息災でありますように!!

 さて皆様お正月はいかがお過ごしでしたか? いつもは養生している方でも、お正月はついつい食べ過ぎて、体重も少し増えたのでは?

 私は、500ccのお弁当箱を用意して、お節もそこへ取り分けて、それ以上は食べな いように工夫していました。お弁当箱の半分が玄米ご飯、残りの半分の内の3分の2が野菜類、3分の1がお肉や魚や豆類と決めて取り分けました。(この詰め方を守ると500ccでほぼ500キロカロリ ーなんですヨ♪)

 お寿司の時も、すき焼きの時も、お弁当箱に取り分けていただきましたので、3が日で600グラムの体重増加にとどまり、2日で元のレベルに戻りました。

 お肉やお魚などの動物性タンパク質を摂りすぎた方、揚げ物などを多食してしまった方は、今が解毒のチャンスです。

 切り干し大根と干し椎茸のスープをいただいて、半身浴しましょう。

  作り方は簡単♪

切り干し大根3:干し椎茸1の割合で併せた量の4倍の水を入れ20分ほどコトコトと煎じます。この煎じ汁をお湯のみ1杯飲んで、半身浴しましょう。このスープの成分は油の代謝を高めて排泄してくれる他、水銀や鉛などの有害金属も体外に排泄します。

 腸内免疫を整える働きもあり、消化器系のガンや消化器に炎症がある方にお勧めです。 勿論、ダイエット効果もバッチリ!

しっかりと解毒をしつつ、体を補ってゆきましょうね。

(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田あゆみ) 
2012-01


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高齢者にもオススメ☆アロマセラピー

若い女性を中心に人気のアロマセラピー。キャンドルやアロマポットで芳香浴をしたり、入浴時にお風呂に入れたりなど楽しみ方はいろいろ。いい香りが好きだから、という理由でやっているという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際、香りによって精神を安定させたり、元気になれたり、集中力が高まったり…と、いろんな効果があるんです。

そんなアロマセラピー。若い人だけのものにしておくのはもったいない!高齢者の方にもオススメなんです。香りは記憶に影響を与え、出来事と結びついて記憶に残ったりするので、痴呆症の防止にも役立ちます。

使い方としては、上で紹介したような基本的な使用法の他にも、例えば寝たきりの高齢者の方の介護をされている方が、手のひらに少しだけラベンダーのアロマオイルを塗って香りを付けて、高齢者の方の手などにそっと触れてみてください。ラベンダーは直接肌に塗っても大丈夫なオイルで、精神安定などの効果があるのでホッとして安らいだ気持ちになれます。介護者も同時に癒されるいい方法です。鎮痛作用などもあるので痛みのあるところなどをさすってあげるのもいいかもしれません。体を拭いてあげるときに温かいお湯に1~2滴ラベンダーなどのオイルを入れて、それをしみこませたタオルで拭いてあげたりしてもいいですね。

高齢者の方は不安になったり落ち込んだりしがちです。そんなときは素敵な香りで包んでみてはどうですか?

(※アロマポットやキャンドルなどを使用する場合、火の取り扱いに十分ご注意ください。火が気になる方はマグカップなどにお湯を張り数滴たらしておいて置くだけでも香りは広がりますのでお試しください。また、人によっては特定の匂いに対してアレルギー反応が出る方もいらっしゃいます。異常が現れたらすぐに使用を中止してください。)

(コラムニスト成宮わたる/絵:吉田たつちか)2006.1


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話し上手より聞き上手

一般に、「話し上手より聞き上手」と言われます。

 この点で、誰だったか明治期の人の回想記において、「話し上手であるけれど、同時に、聞き上手・・・という人は、意外と少ない」というものがありました。

 なるほど、「雄弁は銀、沈黙は金」と言いますが、確かに金銀併せ持っている人というのは、周囲を見回しても、そう多くはないようにも思います。(私の取引先にも、来訪してくるるのはいいけど、延々と話し続けて、著しく業務に支障が出る人がいますが、そういう人は、話すばかりで落ち着いて人の話を聞くことをしませんよね。)

 その意味で、この明治人は、その、数少ない、「話し上手にして聞き上手」の両方を持った人の代表として、福澤諭吉を上げておりましたが、この、「金」と「銀」の兼ね合いこそ、現代の日本人に求められる物ではないでしょうか。

 最近、よく、国際化時代に置いて、外国、特に、アメリカ人やラテン系の人などから、「日本人は自己主張がなさすぎる」というような指摘があります。

 先日も、フランス在住経験がある、知り合いの女性と話していたところ、彼女が居たのは、フランスはフランスでも、南仏だったようで、向こうの人たちは、映画「トスカーナの休日」などでも見られるように、 うかうかとは道も歩けないほどに「礼儀として口説いてくる」のだそうです。だから逆に、日本人男性と結婚して日本にきたフランス人の友人などは、まったく、声を掛けられないので、「私って、それほどに魅力がないのか」と落ち込んでしまう・・・のだとか。

 でも、そんなこと言われたって、こちとらは、「雄弁は銀沈黙は金」とか、「武士は片頬三年」(武士は、三年に一度片頬をかすかに動かす程度の笑いで十分。)などという言葉にこそ価値を置いて来たわけで、それを「日本人はおとなしい」とか、「もっと、積極的に」などと言われても・・・。

 それに、「本当にあなたたちの価値観で間違いないの?」って気もしないでもありません。実際、交渉ごとなどでは、話しすぎるのは相手につけ込まれる隙を与えるだけだし、中国の古典などには、「交渉の時には、表情を読まれないように目は薄開きで話すべし」などと述べられているくらいで、私に言わせれば、あのラテン系の無駄な明るさは、確かに、多民族社会では融和を促す面もあるのでしょうが、同時に、他民族につけ込まれる隙を与えていることにも繋がっているような気もします。

 だからと言って、我々の日常で笑いがないわけではないのですが、彼らから見ると、「日本人は日常のジョークやユーモアには不慣れ」であり、欧米人から、「日本人のサラリーマンを月曜日の朝笑わせるには金曜日の夕方ジョークをいえばいい」などというブラック・ジョークを言われるのも、ちと、心外な気もします。

 ガイジンの皆さん、もし、日本人の庶民の笑いを知りたければ、いつでも、私が一献、お相手仕りましょう。殆ど、何がおかしいのかわからないと思いますが・・・(笑)。

 

(小説家 池田平太郎/絵:吉田たつちか)2010-01


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タコの吸盤がロボットを進化させる?

 関西大学が研究開発したタコの吸盤を模した真空グリッパが話題になっている。
 海に潜ってタコを捕まえたのはいいが、手に巻きついて離すのに往生したことがある。また、韓国釜山の魚市場で、買ったばかりの小さいタコをその場で調理してもらい、生で食べたことがあったが、その時も口の中でタコの足が吸い付いて食べづらかった思い出がある。
 タコの吸盤機構は吸盤と漏斗部とで構成されており、まず漏斗部の筋肉を使い漏斗部が対象物に張り付き、密閉した空間ができたところで吸盤の筋肉を使い吸盤内部の空間を広げ負圧を発生させ、外部との大きな差圧により高い吸着力を実現していているのだという。
 この原理を真似て、薄膜状の吸盤をもつグリッパを作った。吸盤内部は真空ポンプへとつながっており,吸盤内部の圧力を下げることができる。そのため、吸盤を把持対象物に密着させ吸盤内部の圧力を下げると,大気圧との圧力差により対象物を把持できるというもの。
 これの何がすごいかというと、一般的な真空吸着と異なり吸盤内部の排気系と大気が膜によって遮断されているためリーク(漏れ)がないので、吸盤が対象物に接触していなくても、全ての吸盤内部の圧力を下げることができるので、凹凸のある対象物を把持できる。さらに吸脱着の制御が 1 つの真空計と 1 つのバルブの切り替えだけで済むので装置の設計が簡単。しかも、排気系が大気とつながっていないので,ごみが排気系に詰まることによる吸着力低下も無いのだという。
ハンドをシリコーンゴムなどの柔軟なもので作製することにより①凹凸があっても吸着できる②対象物が球面であっても、球面に沿って吸着できる③対象物が傾いていても吸着できるので、どんな形状のものでも吸着~移動出来ることになる。
 この、グリッパを使えば、ロボットアームにより人間に近い働きをさせることが可能になり、オートメーション装置が飛躍的に進歩することが期待できる。

 鳥を真似て飛行機を創り、蜘蛛糸や絹糸を研究してナイロンを発明するなど、人間は自然界に学んで、科学を進歩させてきた。すなわち、科学が進歩すれば進歩するほど神に近づいてきたといえる。
 近年、電子顕微鏡の性能が飛躍的に進歩したおかげで、動物や植物を研究してその不思議な能力を真似して発明品につなげようとする研究が盛んになっている。そんなことを思いながら、野山に出て、植物や動物を慈しみながらの散策は楽しい。
(ジャーナリスト 井上勝彦/絵:そねたあゆみ)


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10のものを10発揮する努力

 いつもの手前勝手な持論を言わせて頂くなら、「私の拙い経験の中での話で恐縮だが、企業の中で、10の力を10発揮しているところは少ない。多くが、10のうち7くらいの力しか出し切れていないように思う。であれば、10のものを12にしようと努力するよりも、7のものを9にしようとする努力の方が、よほど、実現が用意なのではないだろうか・・・」というものがあります。

 平たく言えば、「10のうち、7しか力を発揮してない組織に9の力を発揮させようとする努力」だと言えるでしょうが、そういうと、「じゃあ、具体的にどういうことを言うんだ!」とお叱りを頂戴するかも知れません。

 具体的に、その一例として挙げるのが、元帝国陸軍大本営参謀から、伊藤忠商事最高顧問に転身し、土光臨調の参謀長にまで登り詰めた瀬島龍三という人がいますよね。

 この人を「偶像化」したのが、山崎豊子氏の小説『不毛地帯』で、その主人公のモデルに擬されたことだと、保阪正康著 「瀬島龍三―参謀の昭和史」などでは言われています。

 この人は、伊藤忠入社後、帝国陸軍の参謀本部を模した「瀬島機関」と呼ばれる部署を作り、自ら、それを率いて伊藤忠を総合商社に育て上げていったことは周知の通りでしょうが、一方で、私が学生時代に大いに影響を受けた元陸軍参謀で兵法評論家として知られる大橋武夫氏は、当然ながら、氏とも交流があり、「不毛地帯」で描かれたところの第三次中東戦争における情勢分析について、その圧巻として述べておられました。

曰く、「①イスラエルが勝つ ②短期間で終わる ③スエズ運河は閉鎖される」と。

 当時、大方の予想は、すべて、その逆であったにも関わらず、瀬島氏はこれをすべて的中させたそうですが、中でも特に人々を驚かせたのが、③を的中させたことだったそうです。①と②は、ある程度、軍事的な知識を持った人なら、まあ、わからないでもないと言いますが、③は、さすがに、誰も予測出来なかったとか・・・。

 瀬島氏に、それが予測出来た秘密こそこの稿の本旨なのですが、それはむしろ、「人の気持ちなどわからない」と言う観があるエリート参謀の出で、伊藤忠入社後も、企業内参謀本部を作った男の発想とは思えない着眼点でした。

 氏は、伊藤忠商事に入ってすぐに、トントン拍子で出世していったわけですが、副社長になったとき、彼は、自ら世界中の伊藤忠の支店、営業所を廻ったのだそうです。

 中には、アフリカなど、あまりに辺鄙な場所で、存在自体、忘れられたかのような営業所などもあったそうですが瀬島氏は、ちゃんと、そこの駐在員を訪ねて廻ったと言います。

 でも、訪ねて来られた方としては、突然、そんなところへ、本社のお偉いさんが訪ねてくるなんて、「何かあるんじゃないのか!」と、当初、疑心暗鬼になって、これを迎えたそうですが、粗末な駐在所で共に夜を徹して話し込み日本から持ってきた酒を酌み交わすうち、段々と、皆、心を開くようになったとか。

 彼らにしてみれば、一番、耐えられないのが、「自分は忘れ去られている」と思えることだったでしょう。本社にどんな情報を送っても本社からは何も言っては来ないし、来るはずの交代要員も来ない・・・。

これでは、「俺は忘れられて居るんじゃないか・・・」という気持ちにもなろうというもので、それは即ち、商社にとって命綱とも言うべき情報の末端神経が機能不全を起こすことを意味するわけです。

 瀬島氏は、彼らに、「何を言ってるんだ!会社は、おまえを頼りにしているんだぞ!」と言い、あるいは、「心配するな!本社に、この瀬島が居る限りは・・・。」みたいなことも言ったでしょう。

 これで、奮い立った、これらの営業所から送られてきた情報を基に、瀬島氏は第三次中東戦争を分析し、伊藤忠に莫大な利益をもたらしたわけです。

 10のものを10発揮させる努力・・・、おわかり頂けたでしょうか。(小説家 池田平太郎/絵:そねたあゆみ)

2013-01


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占いと迷信と星占い

  私は占いや迷信などという物は受容し難い人間なのですが、かといって頭から全否定したりもしません。
 自分なりに検証し、その上で、明らかにおかしい物、もしくは時代に適合していないと思える物については顧みる必要はないと思っているのですが、たとえば、昔から、「箸と箸で直接、食物の受け渡しをするのは死人が出たとき」などというのは「そういう不確実な形での食卓での受け渡しを戒めたもの」であり、「夜に笛を吹くと蛇が来る」などというのは、昔は今と違って日が暮れると寝るのが当たり前でしたから、笛なんか吹くとやたら響いて隣近所に迷惑になるということだったのではないかと。
 その意味では、占いもまた然り。占いの多くは、要は「その傾向がある」ということではないかと思います。
 たとえば、血液型にしても、以前、プロ野球前楽天監督の野村克也氏は「名球会は不思議とO型とB型ばかり」と言ってましたが、O型はともかく、人口比では日本人の2割しかいないはずのB型が多く輩出しているというのは、やはり、そこには何らかの「傾向」があるのかもしれません。
 ただ、これも行きすぎるとおかしなことになるようで、昔聞いた話で、ある会社では社長が常々、「O型以外の社員はダメだ」と言っていたことから、その会社の管理職は全員O型だったそうですが会社が吸収合併されて社長が変わったら、なぜか、昨日までO型だった人たちの殆どが別の血液型になっていたそうです。
 同様の本末転倒の話は、手相にもあるようで、韓国では手相の整形も流行っているそうです。でも、手相などというものは私的には、人間の生活の少なからぬ部分を占める手のひらの動きという物に着目した「傾向判断」であり、つまり、「力強く、積極的に掴んでいる人は成功しやすい」とか、「繊細なタッチでゆっくりとした動きをしている人は好かれやすい」・・・などという類のことなのだろうと思っております。(「手相は左手で見る」などというのは、右手は利き腕であることが多く、その意味では左手は手相が変化しにくい、つまり、その人の本来の気性が残っていることが多いということで、従って、右手は後天的、左手は先天的といえるでしょうか。)
 だから、手相を整形すれば開運、ひいては成功できるということではなく、日頃からそういう手のひらの動きをするように心がければ良いんです。
 この点では、以前、あるアメリカ人の専門家が血液型について聞かれ、「ばかげている」と言ってましたが、続けて、「でも、アメリカ人も人のことは言えない。アメリカ人は血液型は信じないけど星占いを妄信している」と言い、その筆頭が当時、退任して間もなかった「レーガン大統領夫妻だ」と。
 ちなみに、私が明らかにまったく理解できないのがその星占いでして・・・。だって、何千光年離れた天体がピンポイントで一定の人の運命に関係性を持つ・・・というのはどう説明されても理解できません。

(小説家 池田平太郎)2011.01


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敗北を免れる妙法

 良寬という人の名言に、「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候、死ぬ時節には死ぬがよく候。これが災難をのがるる妙法にて候」というのがあります。この点は、国家においても、同じ事が言えるのではないでしょうか?

 昨今の日本外交の閉塞感に伴い、感情論ばかりが先走る国内世論・・。これらの人たちは、論拠の是非以前に、対中・対米などのすべての関係でもしやするとすべてに勝とうと思っているのではないでしょうか?すべてに勝つなどというのは、日本のような小国にとって、普通に考えれば出来得る話はないのですが、そう言うと大体、返ってくるのは、「アジア諸国との連携を深めて中国を牽制すべきだ」、「EUと結んで、アメリカに対抗するべきだ・・。」などというような安直な意見です。

 日清戦争後の三国干渉の際も、ときの明治政府の選択肢としては
①拒否
②列強のバランスオブパワーをうまく利用して回避 
③受諾・・・の三つがあったと言われていますが、この中で、もっとも厄介なのが②だと思います。
②は、一見、良さ気に見えますが、国家間の利害というものは、確かに、自国の利益の為に第三国を排除してくれることもありますが逆に、「強きを助け、弱きをくじくことで利を得る」場合もあり、また、仮に排除してくれたとしても、その国も別にボランティアで排除してくれたわけではないのですから、その国が送り狼になってしまう・・・ということも無いわけではなく、実際に、そうなってしまったケースも決して少なくはなかったようです。

 無論、ナポレオン戦争後の「会議は踊る」で有名なタレーランの例もないわけではありませんが、これは、極めて苦肉の策的なイレギュラーなケースであり、あまり、国家指導者が取るべき対応としては現実的だとは言えないでしょう。(そもそも、日本は先の大戦に負けたときから、アメリカの軛の下に置かれているわけで、それから抜け出したいのなら、もう一度、戦争してアメリカに勝つか、アメリカの力が弱まるのを待つしかなくだとすれば、嫌な目にあわされようが、信長に我が子の首を差し出した家康よろしく、とにかく、我慢するしかないように思います。)

 そして、この点で、欧米列強の侵略に対して、独立を守ったタイの対応と並んで、好事例のひとつとして挙げられるのが、第二次大戦中のフィンランドの指導者、マンネルハイム元帥の「勇気ある妥協」です。

以下、我が敬愛する大橋武夫氏の著書「ピンチはチャンス」から一部、抜粋しますと、
<1939年9月1日、第二次世界大戦勃発とともに、ソ連はフィンランドに対し以下の条件を強硬に要求してきた。
①カレリア地峡の国境より40kmほどの部分の領土割譲。
②フィンランド湾内の四島の譲渡。
③ベツモア地区内の漁夫半島の譲渡。
④ヘルシンキ西方120キロのハンコウ湾にソ連海軍基地設置。
これに対し、当時、フィンランド軍を指揮していたマンネルハイム元帥は「承知せよ」と進言したが、政府はこれを拒否。そのため同年11月30日、ソ連は50万の大兵をあげて、フィンランドに侵攻してきた。フィンランド軍13万は、マンネルハイムの指揮のもとに、雪と複雑な地形を利用して善戦し、ソ連軍に20万もの損害を与えて大いに苦しめたが、頼みにしたスウェーデンの援助もなく、国際連盟の仲裁も実効がなくて、漸次苦境に陥り、衆寡敵せず、翌年2月、マンネルハイムの切なる進言を納れて、ついに無条件降伏した。このときの、ソ連側の和平条件は、
①カレリア地峡の割譲。
②ラドガ湖北岸地帯の割譲。
③ペツアモ地方の割譲。
④ハンコウ半島の譲渡。
という、当時のフィンランド大統領が発狂したほどの苛酷な条件を押しつけられた。結局は、無駄な血を流して、和平条件を厳しくしただけ・・・という結果に終わったわけで、開戦前に、マンネルハイムの進言に従うべきだったのである。
1941年6月22日、今度は独ソ開戦となるや、フィンランドは進攻してきたドイツ軍とともにソ連を攻撃することになり、フィンランド軍は8月末には1940年に失った領土を回復。マンネルハイムは将来のことを考え、「ここで停止する」と強硬に主張したが、ドイツ軍はこれを許さず、フィンランド軍は東カレリアを攻略してムルヤンスク~レニングラード鉄道に迫るという有利な態勢となった。
1944年1月、ドイツ敗退に伴いソ連軍は逆襲に転じ、6月、カレリア地峡の国境を突破したため、フィンランド軍は苦戦に陥り、8月1日、リーティ大統領は辞任し、後を受けたマンネルハイムは9月14日、ソ連と停戦協定を結んだ。
主なる条件は、
①ポッカラ地区(ヘルシンキ西南万)地区を50年間ソ連に租借させる。
②オーランド諸島(フィンランド湾出口)を非武装化する。
③ペツモア地区をソ連に割譲する。
④3億ドルの賠償金を6年以内に支払う。
⑤1940年の国境を認める。
9月19日、フィンランド国会は200人中108人の賛成をもって、涙をのんでこの降伏条件を受諾し、マンネルハイムは「神よフィンランドを救い給え」の末文で終る停戦命令を発した。フィンランドは勝てなかった。しかしマンネルハイムの「善戦をバックとする勇気ある妥協」によって、ソ連軍による軍事占領を辛くも避け、ともかく息の根をとめられることだけは免れた。小国のとるべき国家戦略として学ぶべきものが多い。>

 マンネルハイム元帥は、出来ないことをやらずに、出来ることの中で精一杯のことをやったと言えるのではないでしょうか。

 「天皇の世紀」というドラマの中で、薩英戦争後の御前会議において、強硬派の面々は、敗戦を認めることについて、「されば、薩摩の面目は如何する!薩摩の威信は地に落ちるぞ!」と迫る場面がありました。これに対しての、劇中での大久保利通の言葉こそが、すべてを総括しているように思えます。

「威信が地に落ちても良かとやごわせんか。最後に勝てば良かとやごわせんか・・・」これこそが、「敗北を免れる妙法にて候」ではないでしょうか、御同輩。

(小説家 池田平太郎/絵:吉田あゆみ)
2011-01


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