ヒゲを蒸すという事。
まずは、石鹸などをつけたヒゲブラシで顔の上で泡を作り上げていきます。ヒゲブラシの毛は穴熊のものが極上とされておりますが、ご自分の肌にあった毛(毛の固さ、毛の種類、材質)を選ばれると良いと思われます。ブラシによる泡だては、毛先が毛穴の中の汚れを取り去るだけでなく、肌にも軽い刺激を与えて「剃る」為の下地をつくります。この時に、毛先が太いような毛を選んでしまうと、毛穴を広げすぎてしまう場合があるので、肌の木目が細かい方はご注意ください。毛先が自然の状態で細くなっているものでしたら大丈夫かと思います。また、古くなったブラシの毛を鋏などで切り揃えてしますと、毛先に毛の断面ができてしまうので太くなります。そのような時は新しいブラシを購入することをお薦めします。
市販品で、ムース状にシェービング用の泡がでてくるものや、ジェル状の液体を顔に塗るタイプのがあります。それぞれヒゲを軟化させるなどの効用がありますが、塗っただけでは「肌の上に乗っかっているだけ」ですので、やはりシェービングブラシなどで肌に馴染ませてあげることが大事になります。
そして、蒸しタオルの登場です。理容店では100度で煮沸消毒された蒸しタオルを使用しますが、家庭では電子レンジがあれば簡単に蒸しタオルを作ることができます。少し厚めのタオルを水に浸けて、ビチョビチョにならない程度に、絞って水分をとります。それをポリエチレン袋(スーパーなどのレジに置いてある袋)に入れたり、サランラップで巻き寿司のように包みます。そして、電子レンジで1分〜1分30秒加熱すればできあがり(電子レンジの性能により時間差はあります)。取り出す時は、かなり高温になっているので火傷しないように気をつけてください。熱くてもてないと思いますので、無理せず乾いたタオルで包むように取り出すのが良いでしょう。 そして、乾いたタオルの中で、蒸しタオルを広げてヒゲが生えている箇所にあてます。乾いたタオルで蒸しタオルを上から押さえてあげると、蒸す時間が飛躍的に伸びます。
ブラシで顔に泡立て、その泡のついた顔に、乾いたタオルの下の蒸しタオルをゆっくりとあてがいます。この時、鼻を塞がないように気をつけてください。熱い蒸気を吸い込んで、思わぬ事故につながる場合があります。そして、これからが至福の時間・・目を閉じて、静かにヒゲが蒸されるのを待ちます。蒸しタオルの熱が冷めてきて、温かみが落ち着いてきたら蒸しタオルを外します。冷たくなるまで顔にあててると、肌も緊張状態になり逆効果です。 蒸しタオルで蒸されたヒゲは、水分を含んで膨張します。ここに大きな意味があるのです。良く「ヒゲ(無駄毛)を剃ると毛が太くなる」という事を聞きますが、それは間違ってます。成長期など早い周期で体毛が太くなっている時期以外では、この「蒸す」と行為を行わずに剃った事によりおきる現象が原因です。通常状態でヒゲを剃ると、剃った毛の断面が肌上に顔をだします。森などにある、木の切り株を想像してみてください。毛先は細くなっておりますが、そこにいきなり根元の太い切り株のような断面が、肌に現れてしますのです。それが「毛が太くなった」と誤解をうける大きな原因なのです。これを防ぐには「蒸して」毛を膨張させて、毛穴の中にある毛を肌の上に突出させるわけです。その状態で毛を剃り落す事により、できた断面は毛が通常の状態に戻る際に、毛穴の中に潜り込んでしまいます。そいて、成長を経て肌から顔を出す頃には毛先は細くなるというわけです。良く考えてみれば、剃れば毛が太くなるのなら素晴らしい事なんですけどね(笑)
蒸しタオルを使わずに、お風呂などにお湯に顔を浸けて済ます話も良く聞きます。基本的には良いかと思うのですが、お風呂のお湯には雑菌が多く含まれますので注意してください。必ず剃る前にシャワーなどで、軽く剃る部位を流してからにする事が大事です。
カミソリで剃るという事。
「プレシェービング(ワンシェービング)」
再度、ヒゲブラシで顔の上で泡をつくります。ヒゲは蒸された事により柔らかくなっている状態。まずは毛の流れを良くみて、流れに逆らわないように剃る「プレシェービング(ワンシェービング)を行います。いきなり毛流に逆らって剃ってしまうと、肌に多大な負担がかかるのでやめましょう。後ほど、肌荒れの原因になる場合があります。毛流をみながら、なるべく逆らわないように剃りましょう。個人差はありますが、顔の上から下方向に剃ることになると思います。剃り残しが気になる場合は、毛流に対して斜め45度の角度から傾斜をつけて剃ります。毛流に沿って剃るので、肌への負担が一番少ない剃り方になります。刃を肌に押し付けるのではんく、道具の重さだけで剃れることが理想です。その為に、道具(T字カミソリフォルダー)はある程度重さがあるものが良いでしょう。ただし、剃る時間によって重さは変わってきます。朝に顔を剃る事が多い方は、ある程度重めのT字カミソリフォルダーを使用します。寝起きは脳が活性化していないので、重量がある道具によって認識させて、誤動作を防ぎます。またその重さで顔を剃ることができるので肌への負担も減ります。夜に顔を剃る事が多い方は、比較的軽めのT字カミソリフォルダーを選びます。一日を終えて腕や指に疲労があるために負担を軽減するためです。また使い捨てのT字カミソリフォルダーの場合は軽量なので、肌にあてる強さを調整することが大切です。
「クロスシェービング(深い剃り)」
ヒゲの濃い方の場合は、プレシェービングを行った後に再度蒸しタオルでヒゲを蒸してあげます。再度、顔にブラシで泡を塗布します。しかし、ワンシェービング時よりも水気が多い泡でも良いでしょう。水分が多いほうが滑りが良くなる為に、肌の抵抗がより無くなるためです。ワンシェービング時は、毛流に逆らわないように剃りましたが、クロスシェービングは逆剃りになります。ただし、流れに対して180度反対から剃ってしまうと、毛や肌に対して抵抗があります。できれば、斜め45度の角度で剃り上げてあげます。剃り終えたら、蒸しタオル(新しい)で奇麗に肌を拭いてあげます。どちらにしても。毛流に抵抗する形で剃りますので、肌へはダメージが残ります。軽減する手段としては、「切れ味の鋭い刃を使用すること」「刃の枚数の多いT字カミソリフォルダーを選ぶこと」です。切れ味が良いものは、剃る時のヒゲへの圧力軽減になります。刃の多いT字カミソリフォルダーにおいては、刃の枚数で肌への刃があたる圧力を分散する働きがあります。肌の状態において、T字カミソリフォルダーの刃の交換時期や、種類なども選ぶと良いでしょう。
「シェーバー(電気カミソリ)」
カミソリとは明記されておりますが、回転する刃が網からでた毛(ヒゲ)を切るという意味では「剃る」ではなく「刈る」という方が正しいかと思われます。ただ、手軽にヒゲを整えられる利点は大きいです。そういう意味では、いきなり皮膚にシェーバーを使う方が多いですが、シェーバー用の保護剤などを皮膚に塗布してからのほうが良いかと思われます。シェーバーの場合は「蒸す」という行為がない為に「ヒゲを蒸すという事」で述べた「ヒゲの断面」が皮膚に突出しやすくなります。またヒゲの粉塵状のカスが皮膚につくので、使用後には顔を洗顔するなどしたほうが良いと思われます。メインで使用しても良いのですが、「シェービング」という事で考えると「カミソリ」との併用利用が最良かと思われます。ヒゲというのは、人が一番活発に動く昼位の時間帯に伸びてきます。朝にカミソリで剃り、昼頃にシェーバーででてきたヒゲを整える事により、夜までヒゲの状態を奇麗に保つ事ができます。また手軽さゆえに、間違った使い方をしている場合が多々あります。内部の回転している刃も、刃であるがゆえに鋭利に切れるには限界があります。メーカー指定の使用期間が過ぎましたら、速やかに刃を交換する事を薦めます。またいくら鋭利な刃が高速で回転しても、肌の上を速くあててしまったり、肌に強くあてる行為などは、トラブルの原因になりますので注意してください。刃と肌の間にある網も汚れを毎回キチンと取り除かないと、細菌などが増殖してトラブルに原因になります。とても便利なシェービング用の道具ではありますが、機械がゆえにメーカーの説明書を良く理解し、メンテナンスがとても大事な事を忘れてはいけません。
「血が吹いてしまう場合に」
よくカミソリで顔を剃ると血が吹いてしまう方がおります。「カミソリ負け」という事をおっしゃる方も多いのですが、実際は違う方が多いと思われます。カミソリが駄目という事で、日常ではシェーバー(電気カミソリ)を使用されている事になります。問題はそこにある場合が多々あります。「シェーバー(電気カミソリ)」で述べたようにキチンとメーカーの推奨された環境下の使用でしたら問題はないのですが、切れ味が落ちた刃の状態のままで、使用しつづける事がトラブルの原因になります。モーターで回転した刃がヒゲを切るのですが、切れ味が落ちた刃はヒゲを奇麗に切る事ができません。ゆえに、ヒゲは少なからず大袈裟に書きますと、引き千切られるような形になります。そうしますと毎回、ヒゲの周りの皮膚が上に引っ張られる形になります。その結果、ヒゲの周りの皮膚が隆起したような状態になってしまうのです。そして、たまにカミソリで剃った際に、それら隆起した皮膚がカミソリにて切られるために血が吹き出すのです。この場合は、シェーバーの刃をメーカー指定の時期に取り替える事で解決します。また使用後のシェーバーも清潔にしておかないと、毛穴などに雑菌が入り込み、おもわぬ化膿などをおこす場合があるので注意してください。そのような状態でカミソリで剃っても、血が吹く原因になります。最近のシェーバーは高性能であるがゆえに、使用する側がキチンと保管維持しないと駄目だという事です。
スキンケアをするという事。
スキンケアというと、えっ!と思う男性が多いと思います。でも、シェービングという行為は、「ヒゲを剃り落すと同時に、古い角質を取り除く」という行為でもあります。意外かと思われますが、様々な化粧品を使っている女性よりも、日々カミソリで顔を剃っている男性のほうが肌は綺麗であると言われております。無論、女性と男性との肌質の違いはありますが、日々古い角質を取り除いている肌は綺麗なのであります。ちなみにですが、肌の表面上にでてきている角質は20〜25日前にできた皮膚であります。本当の素肌は、その角質の下に眠っております。でも、その肌を露出させた以上は男性とはいえスキンケアをしなければなりません。ただし、簡単なケアでも有効ですので忙しい朝でも大丈夫です。冬などの乾燥している時期などでは、スキンクリームなど保湿系のケア剤を使用します。また男性に多い脂質肌、夏のような多汗時期などでは化粧水、また刺激系のものならアフターシェーブなども良いでしょう。シェーバーなども手軽さゆえにケアを忘れがちですが、忘れないようにします。シェーバーを使用した際には、保湿系のケア剤が良いかと思います。様々なスキンケア商品がありますが、今回「entrex」社ご協力の元、アメリカ最古参のメンズ化粧品を開発する「Baxter」社の商品をご紹介します。
スキンケア〜Baxter
CLEANSING BAR(クレンジングバー)

顔だけでなく、全身に使用できるクレンジング用の石鹸です。泡立てしながら濡らした肌にマッサージするようになじませます。夏などの汗をかきやすい時期などには、毛穴の汚れも除去して綺麗な素肌をつくります。香りも微香性なので、男性には良いと思います。泡立ちも良く、使いやすい石鹸です。
スキンケア〜Baxter
SUPER CLOSE SHAVE FORMULA(クロースシェーブクリーム)

きめ細かいクリームを肌に塗布して、髭をやわらかくします。アナグマ毛を使用したシェービングブラシで塗布をしますと、きめ細かい泡がたちます。この効果により、スムーズな剃り心地を実現します。また剃り終わった後の肌や、日々の髭剃りで乾燥しがちな肌にうるおいを与え、みずみずしい肌へと導きます。石鹸の泡のようにブクブクとしたものではなく、レザーがスムーズにそれるような独特の泡ができます。