目次
ユークリッド-Eukleides-
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3
4
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ピエール・ド・フェルマー-Pierre de Fermat-
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ピタゴラス-Pythagoras-
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ルネ・デカルト-René Descartes-
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アルキメデス-Archimedes-
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レオナルド=フィリオ=ボナッチ-Leonardo Fibonacci-
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ブレーズ・パスカル-Blaise Pascal-
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ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ-Gottfried Wilhelm Leibniz-
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アブラーム・ド・モアブル(Abraham de Moivre
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ヤコブ・ベルヌーイ-Jakob Bernoulli-
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ジャン・ル・ロン・ダランベール-Jean Le Rond d'Alembert-
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ジョゼフ=ルイ・ラグランジュ-Joseph Louis Lagrange-
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ピエール=シモン・ラプラス-Pierre Simon Laplace-
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ジャン・バティスト・ジョゼフ・フーリエ-Jean Baptiste Joseph Fourier-
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ヨハン・カール・フリードリヒ・ガウス-Johann Carl Friedrich Gauss-
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ゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマン-Georg Friedrich Bernhard Riemann-
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アンドリュー・ワイルズ-Andrew John Wiles-
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ジュゼッペ・ペアノ-Giuseppe Peano-
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オーガスタス・ド・モルガン-Augustus de Morgan-
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ダフィット・ヒルベルト-David Hilbert-
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レオンハルト・オイラー-Leonhard Euler-
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最終定理-the Last Theorem-
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「あのー」僕は挙手して発言の許可を申し出た。

「ダメ! これからなんだから! 正宗くんは黙って見てて!」女の子兼トラさん役の母さんはぴしゃりと言った。

「あのさ、ただちょっと飲み物ほしいからそこのカバンからお茶だけ出していい?」

「すぐよ。もう続きやっちゃうんだから」

 僕はさっと立ち上がり、ガジュマルの足元にあるカバンから図書館前で買ったお茶のボトルを取り出して、すぐソファに戻った。

「じゃあ続けます」


81

 ウインドウショッピングやケーキのホール丸かじりといった楽しいことを考えて、なんとか気を持ち直した女の子は、立ち上がってさらに森を進んでいきます。

「意地悪なトラさんに、もう出会いませんように」

 女の子はプリティー全開に、お祈りのポーズをとります。これを見て惚れない男がいれば、そいつは絶対もれなくまがうかたなきまでにホモでしょう。

 しばらく歩いていくと、ふいにサボテンの隙間からとがった耳のオオカミさんが飛び出してきました。

「あらあ、えらいかわいらしいお嬢ちゃん、お散歩かい?」

「あらオオカミさんこんにちは。ええ、新しいお洋服を着てお散歩しているの」

「それはええねえ、ええのう、ええなあ。もうかわいらしすぎて噛みつきたいくらいやわあ」

「そんな、噛みつかれてしまっては困るわ。もうすぐ海開きだからお肌を傷ものにしたくないの」

「さよかさよか、ほなかわりにその薄水色のカーディガン置いていってもらおうか」

「そんな! これはおニューなのよ、まだ二回しか袖に通してないのに」

「そいだらお嬢ちゃんに噛みつくで、めっちゃ噛みつくでえ」

「うう、わかったわ。ほら」

 女の子は大層悲しみながらカーディガンをオオカミさんの耳に着せてあげました。

「なんでやねん! 耳に着てどうすんねん!」

「ごめんなさい! そんなに怒らないで!」

 背中にはおるようにかけてあげると、オオカミさんはカーディガンに袖を通してなははと大笑いしながらサボテンの隙間に消えてしまいました。

「うう、ママああ」

 女の子はその場に泣き崩れてしまいました。しくしく。


82

 海の家のかき氷やきれいな小麦色に焼けた自分の身体といった楽しいことを考えて、なんとか気を持ち直した女の子は、立ち上がってさらに森を進んでいきます。

「意地悪な肉食の人たちに、もう会いませんように」

 何度お祈りのポーズをしても、女の子は超かわいいのです。スクリーンセーバーにすれば、世界中のオフィスが女の子のかわいさに打ちのめされるでしょう。

 ふいに、こつんと女の子の頭の上で何かがはねて、地面に落ちました。やっぱりかわいく頭をさすりがら、女の子はかがんで落ちてきたものを見てみます。それはドングリでした。

「あら、どうしてこんなところにクルミが?」

 女の子は木の実に詳しくないのでした。

「ああ、どうもすみません」

 降ってきた声の主を探して女の子が顔を上げると、そこにはふっくら豊満なバストを持ったハトさんがいました。

「うっかり食料を落としてしまいまして。おケガはないかしら?」

「あらハトさんこんにちは。ええ大丈夫よ。髪のセットも乱れてないし」

「それは何よりね。あら、そのパンプス素敵ねえ」

「わかる? おニューなの」

「控え目な花模様がとってもいいわ。きっとお高いんでしょうねえ」

「そんなあ、まあね」

「あら、でもダメよぉ。そのワンピースとあまりマッチしてないんじゃない? 真っ白だからパンプスが目立ちすぎてるわ」

「そう? でもお靴がないと、お散歩を続けられないわ」

「ちょうどここに素敵なサンダルがあるの。これと交換しない?」

「やだ、それサンダルじゃなくてスリッパじゃない。いらないわ」

「そう言わないで。大人しく渡さないと、仲間を呼んで羽根埋めの刑に処してしまうわよ」

「そんな! まだ天使にはなりたくないわ。天使よりもかわいいけど、まだそのときじゃないの」

「なら羽根埋めよ、もう昇天するくらい羽根埋めよ」

「うう、わかったわ。ほら」

 女の子は大層悲しみながらパンプスを脱いでハトさんに差し出しました。

「なんで片方だけなのよ! 両方よ両方!」

「ごめんなさい! そんなに怒らないで!」

 両足とも差し出すと、ハトさんはくるぽっぽと大笑いしながらパンプスをくわえて飛び去ってしまいました。

「うう、ママああ」

 女の子はその場に泣き崩れてしまいました。しくしく。


83

「あのさ、オオカミの耳にカーディガンも無茶だけど、ハトがパンプスくわえて飛び去るってのはもう不可能事なんじゃないかな」

「できるの! 大きいハトだったの、ワシくらいに!」

 そんなハトが飛んできてパンの耳をよこせと脅してきたら、僕は有り金はたいてコンビニでパンを買うだろう。こわすぎる。

「いいから見てなさい!」

 母さんは怒ったように言う。まだ続くのか。


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 明太子スパゲッティや明太子チャーハンの食べ放題といった楽しいことを考えて、なんとか気を持ち直した女の子は、立ち上がってさらに森を進んでいきます。

「意地悪な森の動物さんたちに金輪際顔を合わせませんように」

 女の子のお祈りはいよいよ遍歴の修道女の様相を呈してきて、神様すら彼女に平伏してしまうこと請け合いです。修道女なのに神様を超えてしまったのです。

 森の奥深くへ進んでいくうちに、頭上の木々が道を覆い隠してうす暗くなってきました。女の子は用心しながら歩を進めていきます。

 ふと、女の子の前に木漏れ日が一点に集まって妙に明るいスポットが現れました。そこにひとりの男性が立っています。日の光を一身に受けて、男性の整った顔立ちが輝いています。女の子はひきつけられるようにふらふらと男性へと近づいていきました。

 男性が女の子を認め、柔和な笑みを投げかけました。

「こんにちは、お嬢さん」

「あらイケメンさんこんにちは。ここはとても暖かいですね」

「僕の行くところはいつも暖かいのさ。太陽と友達なんだ」

「それは素敵なお友達。うらやましいわ」

「かわいらしいワンピースだね。白一色でまぶしいくらいだ」

「ありがとう。これおニューなの」

「それはよいことだ。しかし、ここはとても暖かい。ワンピースなんていらないくらいにね」

 たしかにイケメンさんの近くは暑いくらいで、彼も下着のみという軽快で破廉恥ないでたちです。とてもおしゃれとは言えませんが、顔がいいので女の子に不満はありません。

「どうだい? ワンピースを脱ぎ捨てて、僕と踊らないか?」

「でもこれを脱ぐともう素肌があらわになってしまうわ」

「いいじゃないか。君のきれいな肌を見てみたいと、太陽も言っているよ」

 耳をすませるしぐさを空に向けてイケメンさんは言います。女の子も注意深く耳を傾けてみましたが、空からは何も聞こえません。

「さあ、そんなもの脱いでしまって」

「でもでも、私この下はもう」

「いいから。脱いで」

 イケメンさんはずいと女の子に近寄り、強引にスカートをめくり上げて女の子を脱がそうとします。

「ほら、きれいな脚だね、すべすべだ」

「いやっ!」

 抵抗空しく、女の子はワンピースをはぎ取られてしまいました。イケメンさんは奪い取ったワンピースを腰に巻いて何やらおしゃれです。

「さあ、踊ろう」

「助けて!」

 無理やり女の子の手をとろうとするイケメンさんからどうにか逃れて、女の子は森のさらに奥深くへと走っていきます。

「うう、ママああ」

 しばらく走り続けて、息切れしながら女の子は木の陰に身を隠してうずくまり、その場に泣き崩れてしまいました。しくしく。



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