66
老先生と僕は賀茂川のほうへと歩を進めていった。あたりには夜の気配が漂い、行きかう自動車や自転車は早くもライトを照らしていた。自動車が近くを通ると、あまりの騒音に足元がもたつくから、老先生に助けてもらわないとまっすぐ歩けない状態だった。
御園橋を渡り、川端の土手に下りて北を向いた。ずっと向こうにうっすら見える山から横の川は流れてきているのかな、と思うとちょっと心の中が清涼化したように感じた。
観察はいい。頭が勝手に思考をはじめ、心にわだかまっていたものが外に押し出されて新鮮な風が入ってくる。
「よい風だな。そう思わんかね」老先生はまるで僕の心を読んだかのように言った。
「はい」
「さて、トイレにこもって何を考えていた? 皆が催したときにああいったことがあっては困ってしまう」
僕は老先生に話していいものかどうかわからずにいた。それに、僕自身うまく飲み込めていないんだ。どうしてこうなったのか。
「先生、僕は、自分がよくわからないんです。何に悩んでるのか。何が問題なのか」
「あそこに腰を落ち着けよう。少し疲れてしまった。私も歳をとったものだ」
四角で大きなベンチに腰を下ろすと、老先生はタバコを取り出して火をつけた。
「先生、河原に灰皿はありませんよ」僕は注意した。
「喫煙者たるもの、灰皿を持ち歩くのは当然だ。女性が小さな手鏡を持ち歩くようなものだ」老先生はポケットから丸く平たい携帯灰皿を取り出して、ふたを開けて中に灰を落とした。
「君は今混乱の中にあるようだな。そんなときはどうするか知っているかね?」
「わかりません」僕は首を振ってうなだれた。
「混乱したきっかけはなんだったのかね?」
「それは……、友達と話してるうちに、会話の流れがこわくなって」
「なるほど」
タバコの煙が僕のほうにも漂ってきて、服にまとわりつくようだった。自分の袖を観察していると、不思議なことに、煙が服に吸い込まれていくのがわかった。風が吹いているのに、煙は霧消するんじゃなくて、僕の中に入ってきてしまった。どうしてだろう? まるで老先生が操っているみたいだ。となりにちらっと目を向けると、ちょうど老先生が口から大量の煙を吐き出すところだったので、煙って顔がよく見えなかった。
「その友達と話すうちに混乱してきて、耳がおかしくなったことはないかね?」
「おかしく、というのはどういう状態ですか?」
「聞こえなくなったり、逆に耳に届く音が異常に大きく聞こえたり」
「あ、はい。突然まわりがうるさく思えました」
「私はずっと談話室にいたが、突然騒がしくなるようなことはなかった。ゆえに、それは君の聴覚が異常になったということだ」
「僕は病気か何かなんですか」
「きちんと病気として認められているかどうかは私にもわからない。ただ、似た状態に陥ることが私にもある」
「えっ、先生も?」
「同じかどうかはわからないがね。むかしからそうなのだ。どういうわけか、突然耳が周囲の音に敏感になり、脳の芯まで届くかのような爆音が聞こえる。寝床で寝がえりをうつときの衣擦れの音すら、おそろしいほどに強烈なのだ。子供のときからそうだったから、夜こわくなったら母親が寝ているところに横から忍び込んで人肌を感じて心を落ち着けようとしたものだよ」
老先生の表情は穏やかだけど、少しだけ照れているのか、頬が盛り上がっていた。老先生自身のエピソードは、僕の実際と重なるところが多い。ただ、僕がこうなってしまったのは今日がはじめてだ。だから驚いてこわくなってトイレから動けなかった。
「きっかけはよくわからない。夜寝ている間に突然発症することもあれば、雑踏の中で起こることもある。幼い頃は、解決するための方法を知らなかったので人にすがっていたが、大きくなるにつれて自分ひとりで対応する方法を見つけ出した。一旦理解すれば、じつに簡単なものだった。今ではなんの不安も感じない。ああ、またか、と煩わしさはあるものの、恐怖が芽生えたりはしないのだ」
「どうすればいいんですか」焦れたので、僕は次の言葉を待てなかった。
「それは自分で理解しなければいけない」ぴしゃりと老先生は言った。「経験とは、他人から教わることはできないのだ。必ず自分で体験して得られたものを蓄積し整理する。そしてそれが何を意味するのか考える。そうして得られたものが経験だ。他者の口からは授けられない、己にとって唯一無二の宝だ」
みんなそうだ。巧も教えてくれない。老先生も僕がもっとも知りたい大事なことを教えてくれない。周囲への不満感が僕の中で積っていって、身動きがとれず息が苦しくなってきた。
「でも先生が教えてくれたら、僕は助かるんです。ありがたいんです。経験を積むのが大事だっていうことはわかりますけど、このことに関しては、経験を通しても先生の口から聞いても同じじゃないですか」
まっすぐ老先生の顔を両目で捉えて訴えた。タバコの火を消して灰皿に入れてから、含んでいた煙を一気に吐き出して、老先生は僕の頭に手を置いた。
「私は今でも覚えている」僕に向けられた目は、この上なく優しい慈愛に満ちたものだった。「高校一年生だった。そのとき私は数学が苦手でな、理数系のクラスに進学したものの、高校数学のレベルの高さに圧倒されて己の無力をかみしめていたのだ。授業を聞いていてもうまく飲み込めない。教科書参考書の問題を解いてみても自分の中で消化できない。友人に教えを乞うても要領の得ない解説にさらに戸惑ってしまう。まさに八方ふさがりだった」
老先生はぽんぽんと僕の頭の上で手をバウンドさせて、身体ごとこっちを向いた。
「ちょうどそのとき学んでいた範囲は数学Aの数列の分野だった。さっぱりわからない。数の並びに規則性を見出し、数式に変換するなどと」
老先生の話の行く末が見えない。僕は老先生の手から逃れようと、少し身を引いた。
「だが、ある日、突然だった。頭に閃きがさっと駆けまわり、すべてがクリアになったのだ。瞬時に理解した。それまで何がわからなかったのかすらわからなくなった。これは言葉では説明できない。表現が見つからないというのではなく、表現するすべがないのだ。あとになって私は気づいた。これを経験というのだと」
言い終えると、老先生はタバコを取り出し、火をつけた。
あたりはもうすっかり暗くなって、向かい岸の川沿い通りの街灯は、川に沿って点々と明かりをともしている。夜の冷たい空気が頬をなで、草花が寒さに震える声を聞いたように思えた。
老先生が自分のことを僕に話してくれたことがうれしかった。老先生が数学苦手だったなんて。人間どんなふうに成長するかわからないもんだな。僕も中学に進んだら、何を考えて何をしているかわからない。巧と有里以外の友達ができるかもしれないし、なんらかの部活に専念するかもしれないし、タバコを吸うような人間になっているかもしれない。
でも今は、どれも想像できない。あるのは心にある望みだけ。
巧と有里と友達でいたい。
今、僕が願うのはそれだけだった。
67
「耳はなおったかね?」灰皿に灰を落としながら、老先生は立ち上がって僕を見た。
「あれ、そういえばなおりましたね。それに落ち着いてます。いつもの僕です」僕も立ち上がる。足元はしっかりしていたし、周囲の喧騒は、通常の音量で僕の脳に届いていた。
「帰るとしよう」
「そうですね」
「授業一回分抜けてしまったな」老先生ははっはと笑う。
「かわりに有意義な課外授業を受けられましたから、問題ありません」
「ついでにひとつ話を聞かせよう。帰り道の退屈を紛らわすのにちょうどいい」
「お願いします」
「不可能なこととはなんだね?」突飛な質問は、老先生の持ち味だ。
「いかなる手法を用いても、成し遂げることができないものです」
「ではたとえば?」
「男の人が妊娠するとか、どうですか?」
「それはまた斬新なたとえだな。しかし、男の人という定義次第では、不可能ではない」
「ああ、なるほど。じゃあ神様の存在を証明することは?」
「不可能だと言えるのか?」
橋を渡り、商店街を歩いていく。スーパーに出入りする人の数がさっきよりもずいぶん増えていた。駐車場のスペースもだいぶ埋まっている。
「証明できるんですか?」
「不可能だと言える、ということは、できないことを証明することに等しい。つまり、この命題では、神が存在しないことを証明しなければいけない。神の存在に明確な定義はないが、世界各地であらゆる形態で神の存在が認められている。神の姿を見たと主張するものもいるが、その証拠はない。本人の口上だけだ。しかし、ひとつでも存在を認めている事例があるかぎり、存在しないという証明は成り立たない。よって、神の存在を証明することは不可能ではない。宇宙人や幽霊といった類のことも同様だ」
「その、なんでも数学的に考えてもいいんですか?」
「いい、というのは誰にとってだ? 思考というのは自由なものだ。誰にも思考の自由を奪う権限はない。社会の日本史で、表現の自由を奪うといった出来事を学んだと思うが、そもそもその頃の政府の方針が間違っているという前提の上での事件であるため、反証にはならない」
でも歴史で、と反論するのを考えていたところに釘を刺されて、僕は次の句を失った。
「さらに、数学的な思考とはすべてに通ずるものだ。もちろん、数学的に考えることで社会一般の見解にそぐわない解が得られることもある。しかし、だからといって間違っていると決めつけることは、数学を否定することだ。あくまで、数学的思考とは、方法論のひとつにすぎない。すべてではない。ただ、決して間違いとは成り得ない思考法であるだけだ」
「ふうん、なるほど」もう否定、反論するだけの材料を持ってないから、老先生の主張を素直に受け入れることができた。「じゃあ不可能なことは何もないんですか?」
「不可能を証明することは不可能」老先生はつぶやくように言った。もうすぐレオンハルトに着きそうだ。「一般的社会的な思考ではな」
「えっ、じゃあ数学的思考なら可能なんですか?」
「数学では、不可能を証明できる。有名なものでは、フェルマーの最終定理、ケーニヒスベルクの橋問題などだな。他分野ではできないことだ」
「数学ってすごいんですね。中学で習うのが待ち遠しいです」
「何も皆と足並みを揃えて待っている必要はない。我がレオンハルトにいれば、小学生の間でも自然と数学を学ぶ機会があるだろう。ここはそういう塾であり、私の城だ」
気づくと僕たちはレオンハルトに着いていた。老先生と一緒に見上げたレオンハルトの看板は、夜になると存在を主張することを潔しとしないかのように、静かに夜の闇にたたずんでいた。
68
結局授業は受けられず、終わりの時間まで談話室でひとり待っていた。老先生は教室を見てくると言って入っていったきり、出てこなかった。
お菓子をつつきながらコーラを飲んでいると、みんながざわざわと雑談しながら談話室に姿を見せた。みんなそれぞれに会話に花咲いているようで、僕はどの輪にも入れなかった。授業が終わると、みんなその余韻に浸るように授業の延長線の会話しかしない。
「よう、どこ行ってたんだ? 老先生とデートか?」巧がからかうように言い、僕のせんべいを横から奪い取って口に運んだ。
「そんなところかな。楽しいデートだったし、実りある課外授業だったよ」
「そりゃすげえ。俺でもそんな機会もらったことないぜ」本当にうらやましがっているかは謎だけど、老先生の課外授業が意外と貴重なものだということはわかった。僕はけっこう貴重な体験をしたんだな。たしかに楽しかったし、魔法のように悩みが解決してしまった。
「逃げるなんて卑怯よ」
有里の言葉が槍のかたちをして僕を狙い澄ます。次の言葉次第では、乱れ突きの舞いにあって、僕は穴だらけの滑稽な人形になってしまうだろう。
「ごめんね」とりあえず、逃げたことを謝った。思いきって口にした。「あのさ有里」
「……何よ」ちょっと有里はのけ反るような姿勢をとる。びっくりしたのははじめて見たよ。巧はとなりで「おや」と愉快そうな表情だ。
「夢でもらった本の意味はね、たぶん、僕が有里とのつながりをほしがってることの表れだと思うんだ。君と話してるとね、どうにも言葉足らずになってしまって言いたいことが全部言えないんだよ、僕がね。だから真っ白な本に僕が言いたいことを書いて有里に渡す。有里は返事を書いて僕にくれる。そのはじめを有里からくれたら、面白いなって考えたことがあるから」
一気に思ったことを並べたてると、意外と疲れてしまったので、コーラを口に含んで炭酸を口いっぱいに感じて疲れを吹き飛ばした。
「そう。よくわかったわ。じゃああんたの誕生日プレゼントはメモ帳でいいわけね」
皮肉めいた有里の言葉を聞いて、僕は傷つくどころかお腹のそこからおかしくて、大笑いしてしまった。巧も僕の様子を確認してから笑い出した。有里も満足げに笑っていた。
三人で笑いあえたことが、とてもうれしい。
69
僕の誕生日が近づくにつれて、変化を見せたのは母さんだけだった。巧と僕は相変わらず牛乳を飲みながらレインボーロードを見下ろして他愛もない話をしてばかりだし、有里はレオンハルトで会うとき以外はいつも本を連れ歩いているし、老先生も若先生も授業が終わったら談話室でお菓子を食べたり外でタバコを吸ったりしているばかりだった。ついでに言うと、ミズカツ先生もフレンドリーに健在だった。
しかし、ほかの多数に埋もれず、母さんは四月の終わりまで一心不乱に図書館で借りた本を読んでいた。どんな本なのか聞いても教えてくれないものだから、こっそり読んでいるところを覗き込むと、「いやっ、痴漢! やらしい!」などと叫んで逃げまわった。
内容は知らないけど、ぱっと見その本は数十ページほどの絵本だった。それを何日もかけて読んでいるんだから、どういうつもりかわからない。あんなもの、お風呂が沸くくらいの時間があれば読み終わってしまうのに。
もっと不思議なのは、なんのために絵本を読んでいるかだ。そりゃ僕の誕生日が関連しているんだろうけど、絵本を読むことがどう誕生日とつながるのかよくわからない。
とうとうゴールデンウィークに入り、学校は休みになった。大型連休中はレオンハルトも休みだと聞いていたので、巧と有里に顔を合わせる機会は自然となくなり、声をかけて集まらないと会えなくなった。もちろん連絡先は知っているから、電話すればいつでも会えるんだけど、僕は電話しなかった。
べつに電話するのがこわいとか緊張するとかそんなんじゃ全然ない。ただ用事がないだけだ。何か話したいことがあれば電話してもかまわない。単に何もないだけだ。それに僕はたとえ巧や有里といった友達でも、しょっちゅう一緒にいるっていうのはあんまり好きじゃない。あるいは、まだそこまでの仲になっていないのに気づいているからかもしれない。
巧と有里はもう僕の誕生日がいつか知っているし、夢を見たことも話した。だから、もし誘えばよっぽどの用事がなければ来てくれると思う。そうしない理由はただひとつ。
70
五月一日。朝いつも通りの時間に起きていくと、珍しいことに先客がいた。
「おはよう、正宗くんっ」
防具として、鎧のかわりにエプロン、剣のかわりに果物ナイフ、盾のかわりに牛乳パックを装備した母さんがキッチンに立っていた。
「今日は朝ごはん私がつくったよっ! 起きたら朝ごはんができてるなんて、幸せの絶頂ですよ!」
そのわりにはいつも朝のテンションは低いんだから、有言不実行だ。
「ありがと。また今日はどうしたの、こんなに早起きして」
「まあまあそれはお食事の席でゆっくりとね。とりあえず顔洗って髪の毛なおしてきて」
言われなくてもそのつもりだったから、てきぱきと朝の身支度を終えてキッチンに戻ると、テーブルに朝食が用意されて……朝食?
「あのさ、母さん。なんで朝からピザなの?」
大皿を占領している巨大なピザが三枚も並んでいた。朝食の量じゃないし、朝からピザはどうかと思う。アメリカ人じゃないんだから。
「いやあ今日はこれしかないんですよ、食べ物」あっけらかんと答える母さんだ。
「えっ? てことは、これで今日のご飯全部まかなうわけ? 昼食と夕食は?」
「ありません。ついでに言うと、今日正宗くんは一日中外出します」
「それ決定なの?」
「ファイナルディシジョンです」
「なんで? 家にいちゃいけないの?」
「ダメ。正宗くんはこれ食べたらタッパーに何枚か入れてお昼ごはんにします。それを持って外で時間をつぶすの。行きたいところがあるならお小遣いあげるから」
有無を言わさない物言いに気おされて、もう反論の言葉を生み出す機関がなえてしまった。それにお小遣いをもらってお昼にピザを食べながらどこかで時間をつぶすという予期せざる予定は、なかなかに魅力的だ。
「わかったよ。それにしても、たくさんあるね。これはバジルとトマト? あっ、こっちはポテトとベーコンだね。もうひとつは……何これ?」
「チーズだけのレトルトピザにいろいろトッピングしたの! でね、これが私のオリジナル、ポテトチップピザです!」自信満々の顔は、投げたボールじゃなくて、かわりに木の枝をくわえて戻ってきた飼い犬みたいだった。犬を飼ったことがないからよく知らないけど、たぶんこんな感じの愛らしい表情をするんだろう。
「それは、また、チャレンジしたね」どうほめていいかわからなかったから、挑戦する意気込みについて称賛してみた。
「でしょ? 食べてみて、私の快心の一食!」ピザカッターで五等分した一切れを僕によこしてくる。母さんはなぜか知らないけど、お好み焼きとかピザといった円形の食べ物を五等分してしまう。どう考えても均等に分けるのが難しいから普通やらないと思うんだけど、これまたなぜか母さんが切ると、均一なピースが五つ出来上がる。適当に切っているようにしか見えないのに不思議だ。ちなみにケーキなんかもこの要領だ。
僕はおそるおそるポテトチップがちりばめられたピザを口にする。もっともおそれていたのは食感だったけど、予想通り、よくない。ポテトチップが妙にやわらかくなってしまっていて気持ち悪い。塩辛くて味も微妙だ。やわらかいポテトチップとチーズの組み合わせは意外と攻撃力に優れている。
「どうどう?」夜空の星をお腹いっぱい詰め込んだみたいな目を僕に向けてくる母さんだ。
「うーん、食べれなくはないよ。ただ、お店でこれが出てきたら、母さんも怒るんじゃないかな」僕は正直な感想を口にした。
「えーうそぉ」
「そう思うなら自分で食べてみたら?」
「いただきまーす」母さんは自信たっぷりに一口かじる。噛み砕くうちに表情がみるみる変化し、その様子は百面相ほどではないけど六面相くらいにはバラエティに富んでいた。
「ああ、ほんと。微妙ね」
「これを朝ごはんにやっつけちゃおうか」
「そうね」
僕たちはふたりでがんばってポテトチップピザをやっつけた。この努力は京都市長から表彰されてしかるべきだ、と思ったけど、お祝いの電話は一度も鳴らなかった。