閉じる


試し読みできます

はじめに

はじめに


 ビゾー・ファンタジー(Biseau Fantaisie)は斜断面(ビゾー)部分の幅が広くゆるやかに弧を描いた形状の化粧紙によって主題の周囲を取り囲むテクニックです。Vol.06で紹介したビゾー・クラシックに較べ、フェミニンな印象のマットで、使用する素材や色紙によって様々な演出が可能な遊び心に富んだテクニックでもあります。2枚の厚紙の間に厚みをもたせるため、納めるものとガラス面との間に広い空間を得る事も可能で、平面的なものを額装するにとどまらず、立体的な絵画やオブジェ等もうまく納めれば意匠的にも保存レベルでも様々な可能性の額装作品に仕上げることが出来ます。




 ビゾー・ファンタジーの原型となるテクニックにビゾー・ア・ラ・フランセーズと呼ばれる、やはり遮断面を広めに作るフランス独自のテクニックがありますが、今日ではその制作過程に手間がかかることから趣味のレベルではあまり額装に施されることはなくなったようです。時々、フランスからくる展覧会等でこのテクニックで施された額装品を見かける事がありますが、古い版画などに特に特殊な額装という趣きでもなくさりげなく施されていたりすると、フランスの美術の奥深さをあらためて気づかされるようで関心してしまいます。その語源は明らかではないのですが、このテクニックに対して45度にカットされたマットやビゾー・クラシックのことを、フランスではビゾー・アングレ(イギリス風斜断面)と呼んでいるのが興味深いのですが、フランス的なものとイギリス的なものの違いなのかもしれません。
 ビゾー・ファンタジーは近年になってフランスで考案されたテクニックの一つであると考えられますが、ビゾー・ロマンティック、あるいはビゾー・ロロなどと呼ぶ人もいます。いずれの呼び名もやわらかくどことなく夢のあるテクニックという響きがあり、特に女性に親しまれることが多いようです。



                                   小笠原尚司
                                   小笠原よしえ




© OFFICE OGASAHARA



試し読みはここまでです。続きは購入後にお読みいただけます。

この本は有料です。閲覧するには購入する必要があります。
購入するにはしてください。
有料本の購入に関しては、こちらのマニュアルをご確認ください。
販売価格100円(税込)

読者登録

小笠原尚司、小笠原よしえさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について