閉じる


<<最初から読む

16 / 23ページ

 鳥羽は、そうだそうだ、と心でつぶやきうなずいた。教授は、話を続けた。「近年、原発労働者の被曝問題が大きくなったため、原発労働者が不足してしまった。そこで、政府は移民法を改正して、多くの外国人労働者を長期間雇い入れることにした。そして、原発管理会社は、マフィアを使って、高額な日当を餌に外国人労働者を失踪させ、さらに、原発労働に関する労働基準法に違反した原発労働を彼らに強いている。つまり、政府は、原発テロに対する対策を取らず、原発テロを誘発するような愚かな行為をやっているということだ。そのことに気づいたモサドは、ユダヤ系若者だけでも救出しようとして、ヤマト・へブル帝国建国に乗り出したわけだ。今回のプロジェクトは、モサドが主導している。私は、それに賛同し、協力しているわけだ」

 

 鳥羽は、政府の原発事業に反対していた。だからこそ、原発テロ対策は政府が責任を持ってやるべきだといいたかった。原発テロが、実際に起きるとは信じがたかったが、万が一のことを考えれば、原発事故から人々を救う仕事は、不可欠だと思った。教授がモサドの原発テロ対策に賛同したことは、もっともなように思えてきた。もう一度、プロジェクトについて聞くことにした。「教授、プロジェクトの仕事ですが、マジ、医学の勉強の妨げになりませんか?僕は、必ず医者にならなければなりません。マジ、国家試験に落ちるわけにはいかないのです。本当に、勉学と両立できますか?」

 

 鳥羽が賛同してくれたと思い、教授は笑顔を見せた。「医学の妨げになるような仕事など、君に与えるわけがない。君は学生だが、僕の代理として、AI医科学研究所設立プロジェクト会議に出てほしいんだ。僕の代理ができるのは、鳥羽君しかいない。君が、優秀な医学生であることは、メンバーに報告しておく。そして、学生としての君なりの意見を述べてもらえばいい。君の研究にも役立つはずだ。姫島の診療所勤務まで、AI医科学研究所で働いてもらってもいいぞ。そこで、運営資金を稼げばいいじゃないか。今回のプロジェクトの仕事は、将来的にも役に立つ仕事だと思うが。どうだ、やってくれるか?」


 

 鳥羽は、教授の代理での仕事であれば、勉学には差し支えないように思えた。鳥羽は、再度確認した。「教授の代理で、プロジェクト会議に出席するだけでいいのですね。そして、会議の報告をすればいいのですね。それだけですね」教授は、うなずき、返事した。「そうだ、プロジェクト会議の報告をしてもらえればいい。それと、現在建設中現場の視察をお願いしたい。視察は、1月に1回ぐらいだ。日当も交通費も、事前に支給するから、金銭的なことで心配することはない。やってくれるんだな」鳥羽は、今の経済状況を考えるとお金が今すぐにでも欲しかった。それと、将来、孤島での診療所運営を考えると、多額の運営資金の蓄えも必要だった。両手に握りこぶしを作った鳥羽は、しばらく考え込んだ。小さくうなずいた鳥羽は、教授の依頼を受けることにした。「はい。原発テロから、国民を守る仕事です。喜んで、やらせていただきます」教授は、笑顔を作り、大きくうなずいた。


             シナ・マフィア

 

 現在、篠田校長は、俳優、歌手、ダンサーを育成するNKS芸能アカデミー校の校長をやっていた。このNKS芸能アカデミー校は、カツラ・コーポレーション系列のカツラ・ビジネスが運営していた。これは、くノ一・エージェントの組織拡大のために、カツラ銀行の融資を受けて建設されたものだった。校長は、シナ・マフィアからの情報収集を急務としていたため、特に、優秀なソープ・エージェントを発掘していた。ソープ・エージェントとして採用できそうな生徒を発見すると極秘に説得していた。ジュリナもその一人だった。また、実践教育をするために、校長自ら、ソープ・エージェントとしてプラチナで働いていた。午前中は校長として勤務し、午後からは、エージェントとして働いていた。

 

 79日(火)ジェットコースター記念日。毎週火曜日はプラチナ勤務の日だった。校長は、プラチナでは、マリという名で勤務していた。本日は、チンギス・ハンの末裔と名乗る70歳を超えた老人のお得意様がお相手だった。6時の予約であったため、5時過ぎには、プラチナに入店した。プラチナの通常入浴時間は、120分、20万円だったが、このお得意様老人の場合は、特別に、60分延長し、180分、30万円で入浴させていた。スタッフに案内されたハン老人の手を取ったマリは、ゆっくりとハン老人を気遣いながらVIPルームに向かった。2部屋しかないVIPルームは、VIPプラチナ会員とプラチナを20回以上利用された会員が使用できる最高級の部屋だった。マリは、ハン老人の服を脱がせると、足元に注意を払い、皇帝が座るような豪華な椅子に腰掛けさせた。ハン老人は、健康ではあたが、足元がおぼつかなく、常に介護が必要だった。

 

 ハン老人は、マリがお気に入りで、マリ目当てに3年前から通っている。最初の年は、1か月1回程度だったが、2年目あたりから、毎週、火曜日にはやってくるようになった。ハン老人は、かなりの富裕層の老人と見えて、花束と一緒に、宝石、高級ブランドのバッグ、コートなどの高価なお土産をマリにプレゼントしていた。さらに、帰るときには、50万円のお小遣いを渡していた。マリは、結婚の支度金のように思えて、高価なプレゼントは受け取りたくなかったが、ハン老人はシナ・マフィアのボスに違いないとにらんでいたため、マリは、情報を入手する目的で快く受け取っていた。ちょっと困ったことは、来るたびに、結婚を申し込むことだった。これには、かなり辟易したが、情報を入手するために、うまくかわしながら、老人を引き付けていた。


 プラチナにやってくるお客は、富裕層の老人が多く、ハン老人もその一人だった。お客たちは、ソープ嬢の気を引こうと大ボラを吹くのだが、当初は、老人も信じられないようなことを話していた。若いころは、100人以上妻がいて、子供と孫の数は、多すぎてわからない。財産は、数千億はあって、自分が死んだら、相続戦争が起きるに違いない、とマジに話していた。マリは、当初、単なる大ボラと思って聞いていたが、毎回、やってくるたびに、50万円を1万円でもやるようにポンとくれる老人を見ていると、信じられないような話は、事実ではないかと思うようになった。

 

 また、次第に、マフィアのボスを思わせるような度肝を抜く話もするようになった。俺は、麻薬と臓器の密輸のおかげで、大金持ちになった。今は、引退の身だが、子分たちが、俺のあとを引き継いで、バンバン儲けている。まあ、習近平も俺の子分みたいなものだ、と言っては、ワハハと笑っていた。マリは、嘘のようにも思えたが、万が一、シナ・マフィアの大ボスであれば、原発テロの情報を持っているのではないかと直感した。さらに、上海、香港、台湾はもとより、日本にも数多くの別荘を持っているといっていた。最も驚いたことは、日本の5分の1は、自分のものだと豪語したことだった。北海道の3分の1は、買収したと笑っていた。こればかりは嘘だと思ったが、これが本当だったら、いずれ、日本はマフィアの庭になってしまうのではないかと背筋がぞっとした。

 

 毎回もらうプレゼントのほとんどは、銀座で購入した高級品だったが、別荘での話になると、北は北海道から南は沖縄までの趣向を凝らした別荘について楽しそうに話すのだった。風貌は、一見するとそこいらのオジ~さんに見えたが、体格はがっちりしていて、少し背を曲げていても170センチ以上はあった。おそらく、若いころは、180センチ以上の背丈であったと思われた。70歳を超えた老人の筋肉は衰えていたが、顔は浅黒く、つやはよかった。映画に現れるヤクザの顔は、ちょっと強面で、怖い感じの印象だが、マリと会うときのハン老人の顔は、柔和で、笑顔であった。当然、ハン老人のペニスは勃起しなかったが、とても長く、両手で持ち上げると20センチ近くはあった。老人は、いつも、ナスビがしおれたような長いペニスを持ち上げては、俺の秘密兵器だといって自慢していた。


 老人の肌のツヤを考えると、食事のことには、気を使っているように思えた。普通の食事であれば、年を取るにつれて肌のツヤがなくなり、肌がたるんでいるはずだった。彼は、日本の老人と比較すると、はるかに若く見えた。顔だけを見ていると60歳前後に見えた。いつも、椅子に腰かけると老人は、入浴時間が180分と長いためか、居眠りをしていた。マリは、老人の寝顔を見ながらゆっくりと全身を洗うのだった。時々、マリは、目を閉じた老人に話しかけた。返事はなかったが、聞いているようだった。特に、長いペニスを洗う時は、ペニスをほめちぎって、老人の自尊心をくすぐっていた。老人は、ペニスをほめられるととても機嫌がよくなり、笑顔になった。だから、必ず、ペニスは、時間をかけて洗い、マッサージも入念に行った。

 

 ペニスは、しおれて元気はなかったが、亀頭は大きく、まだ、ハリはあった。マリは、ハン老人の白い髪を洗った後、最後にもう一度、ペニスを舌でコネ回すようにゆっくりマッサージするのだった。そのころには、老人も目を覚まし、ペニスの自慢を始めるのだった。マリは、長いペニスの亀頭を口に押し込むと舌先でしばらく嘗め回した。老人が最も喜ぶマッサージだった。老人になっても最も感じる部位と見えて、しばらくすると”気持ちいい、気持ちいい”と唸るのだった。老人は、気持ちがよくなるといつもの口説きが始まるのだった。「マリ、もう、3年通った。結婚、してほしい。マリが、大好き。すぐ、結婚したい」老人は、変な日本語でいつもマリを口説くのだった。マリは、結婚する気は全くないと繰り返し言っていたが、懲りずにくどく老人が、バカ殿のようで、かわいかった。

 

 マリは、口に含んでいた亀頭を引き出すと指先で軽くもみほぐした。「マリは、結婚はイヤ。男は、こりごり。ハンさん、マリは、逃げないから、これからも遊びに来てください。待っていますから」マリは、いつもの返事をするとハン老人に笑顔を向けた。いつもの返事に慣れた老人は、ニコッと笑顔を作ってベッドに誘った。ダラリンとたらしたペニスをブラブラさせながら、老人は、ベッドに横たわった。老人の楽しみは、マリのワレメから滴り落ちるラブジュースを飲むことだった。ラブジュースを飲むと、健康になって、長生きできると思い込んでいた。マリは、感じ始めるとオシッコを漏らすように勢いよくラブジュースがワレメから噴き出した。老人の顔一面がラブジュースでビショビショに濡れてしまうのだったが、老人は、おいしい、おいしい、と喜んで飲むのだった。

 

 



読者登録

サーファーヒカルさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について