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第5章

第5章 結論 

 枝幸砂金地を構成する地質は古生層、中生層、第三紀層、新火山岩、第四紀層であることを述べてきたが、古生層は枝幸の大部分を構成するものである。砂金に必要な地質は古生層と第四紀層の河床沈殿層であるが、古生層は南北に走る褶曲山脈を作り、その中央にはポロヌプリ背斜層がある。古生層中には褶曲に起因する亀裂を充填する石英脈があり砂金の根源である。この古生層付近を流れる川には第四紀の河床堆積層があるが、この堆積層は古生層の砂礫で構成され、古生層中にある金鉱脈が崩壊し、砂金となっているのである。砂金は川水の淘汰により集合して漂砂鉱床を作る。この漂砂鉱床は河床堆積層のみならず、第三紀層にも海浜にも存在する。さて、河床堆積層に砂金が分布する様子は一様ではなく、その主なものは 

(1)堆積層が古生層の砂礫でなければ砂金はない。 

(2)大背斜層付近は金鉱脈が多いため砂金も多い。 

(3)砂金は河江砂礫の漂土堆積層中には少なく渓間砂礫堆積層中に多い。 

(4)砂金は堆積層の下部に多くで底盤の際は最も多い。 

(5)砂金は川の合流点、屈曲部の凸側に多い。 

(1)(2)は砂金の有無を述べており貧富を論ずるものではない。 

(4)(5)は局部的分布を論じ(3)はやや広い範囲の分布を説く。即ち(3)を換言すれば、上流は多く下流で少ないということである。しかし、(3)(4)(5)共に砂金の価値を論ずるには足りず、(2)の地質構造と砂金の分布の関係こそ、砂金地の価値を占う指標である。

 枝幸では古生層の褶曲山脈の脊梁に沿って走る谷が三つある。ウソタンナイ川、パンケナイ川、ペイチャン川である。この脊梁にはポロヌプリ背斜層があり、そこを流れる川は豊富な金鉱脈により砂金が豊富なのである。そしてこれらの川が豊富なのは偶然ではなく、地質構造と金の漂砂鉱床とが深く関係しているということを知るべきである。


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最終更新日 : 2019-06-26 20:38:34

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