閉じる


<<最初から読む

1 / 1ページ

tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 8] No.086

今号(87 家族目)のご家族 ▶

金澤 郁弥さん・好さん・福桜くん

撮影場所 ▶ Okome Cafe & Bar 米b [ベイビー](青森市橋本)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のことは覚えていますか?

▶郁弥さん「ちょうど家にいて、仕事に行く準備をしてて、お店にそろそろ行こっかな、行かないかなって思った時にグラグラってきて、『あっ、地震だな』って思って、『強い!』って思って、その時、音楽を聞いてたんですが、それも止まって、立てかけてた鏡が倒れそうになって、それをずっと押さえてたの。んで、終わって電気がつかなくて、確か水道とかも使えなかったんじゃないの?」

▶好さん「え~、断水もしたんだ。」

▶郁弥さん「うん。で、とりあえず携帯充電したくて、その時乗ってた車にエンジンかけて、テレビが、パッ!てついた時に、あの津波の映像が入ってきて、『あ、これヤバイんだ』って思った記憶がすごい一番記憶に残ってる。」

▶好さん「私は本業が美容師で職場にいました。ちょうどお客さんがいた時に、急に揺れ始めました。お店の鏡が上下で支えてる構造になっていて、思ったより揺れて、すごくたわむんですよ。それを1人で2枚ずつ押さえてました。後で考えたらゾッとするんですけど、何日か後に、ニュースで髪とかも途中のまま公園に逃げてる人がインタビューされてる映像を見て、『そうか、途中だとこうなるんだ』と思って、うちは幸い来店したばっかりのお客さんとか、終わったお客さんとかで、そういうタイミングだったので、お客さんに支障がなくて良かったなと思います。ちょうどその後の数時間は予約も入ってなかったので良かったですね。停電が続いていて、電気もつかないし、『とりあえず皆でご飯食べよう、とりあえず落ち着こう』ってなって、外に出てみたら信号も消えてるじゃんみたいな。『えっ、ちょっと待って』って。ワンセグつけてみたら、『えっ、何これ?』みたいな。だんだん状況の酷さが見えてきて、なんかご飯食べてる場合じゃないねって話をしました。」

▶郁弥さん「その時は、妹がちょうど美容学校の卒業のタイミングで、外でお祝いをする予定だったんですが、予定を変更して家で祝うかってことになり、電気もつかない、水も通らない中、事前に用意していたケーキでお祝いしました。まだその時は、被害がそこまでスゴイものだと思っていなくて、次の日になってあらためてニュースを見て、これホントにマズイんだってことを、だんだん実感してきて、でも、そう思ってるだけで何もできない状況でした。」

 

●それ以降、変化などありましたか?

▶好さん「そうですね、結婚して子どもが生まれて、家族が増えました。あと、マメにいろんな人に会っておこうと思うようになりました。『あの人どうしてるかな?』って思った時に会っておこう、会える時に会っておかなきゃと。身近なおじいちゃん、おばあちゃんもそうですけど、遠くにいて一緒に住んでなかったりすると、あと何回会えるのかな、いつ何があるか分かんないなっていう危機感みたいなものがあって、会いたい時に会いたい人には会っておこうと思います。会えなくても電話するとか、状況を知っておくとか。用事がなくても安否確認だけはしておこうと思うようになったかな。」

▶郁弥さん「結局、電気がないと、こんだけ辛いんだなって思ったのと、好(このみ)のお父さんすごいアウトドア好きだから、電気がつかえない時にはアウトドアの知識がすごい必要なんだなと改めて思った(笑)。」

▶好さん「火をおこすとか(笑)。」

▶郁弥さん「どうすれば、早く火が起こるのか?って聞いた時に『そんなやりかたも分かんねえのか』って言われた。日常でBBQしながらでも、こうしたらイイ、こうすればイイとか、教わったりしながら、いろいろ感じながら生活するようになった。アウトドアのことは覚えておいたほうがイイんじゃないかなって思うようになったかな。」

 

●10年後のイメージを教えてください。

▶好さん「10年後か…どうなってるんでしょうね。なんか予測がつかないけど、自分の周りにいる人、皆が元気だったら良いなとは思います。世界平和を願うほど大きなことは言えないけど、せめて、自分の周りにいる人は元気でいて欲しい。あとは子どもが生きやすい環境になればイイなとも思う。子どもを生む前と比べて、暮らす環境とか、たいして世の中に貢献ができるわけじゃないけど、子どもが生まれてからは、この先が良くなればイイなと思うようになりました。」

▶郁弥さん「自分は音楽の活動をしていて『みんなのハートをホットにハッピーにしていきたい』っていうテーマがあって、10年後そういうので歌を唄うイベント的なもので、あいつが居れば楽しいな、あいつ楽しいヤツだな、そういうヤツになっていたい、というのがありますね。」

▶好さん「2人で3年前に『プロジェクトHエンターテイメント』というのを立ち上げたんです。エンターテイメントを通してハートをホットにハッピーにしていけたら良いなと思ってやってます。飲食店を始めたのも、楽しくなる場所、何かあった時に繋がれるコミュニティとかが出来上がればイイなと思って始めました。」

▶郁弥さん「こいつら(福桜くん)の友だちが集まる場所になるかもしれないしね。」

 

 

【取材後記】ひょんな繋がりから、今回取材させていただいたのは “青森のATUSHI” ことFUMIYAさんご家族でした。お2人のお話を聞いたり、福桜くんへの優しい眼差しを見ながら、「みんなのハートをホットにハッピーにしていきたい」という、プロジェクトHの活動のもと始めたお店や活動は、関わり合ういろんな人たちの人生を輝くものに変えていくに違いありません。素敵なテーマを聞いた自分は、帰りにシラスアボカドのおにぎりと、明太子チーズのおにぎりを頬張りながら、自身のプロジェクトのテーマを再確認したのでした。(今号No.086のインタビューと撮影:赤石 嘉寿貴)

 

【寄付総額】2011年6月〜2019年4月25日まで「¥7,468,300」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。


1
最終更新日 : 2019-05-10 09:02:32

この本の内容は以上です。


読者登録

tovoさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について