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キッカケは早朝六時

 早朝六時に階下の住人がドアを閉めた。

 それなりに大きな音だったが、そこまで気にするほどの音ではない。

 このゴミアパートには、もっと大きな音でドアを閉めていた輩がいたからだ。

 それは、通報されて警察に来てもらってもいいほどのレベルだった。

 

 それに比べれば、どうってことはない。

 

 だが、ゴミクズの化身であるキチガイ麦原は違った。

 麦原は少しの物音にも反応する老害だ。

 郵便受けが閉まる音にも反応して、大声で喚き散らす。

 最低も最低、最悪も最悪の、周囲に害をまき散らすしか能のない人間だ。

 

 ある日、ゴミの大声に耐えかねた住人がハンマーを持って、麦原の家のドアを思い切り叩いた。

 一回、二回、三回……。ドアの奥からドスドスと音がして麦原が叫んだ。

「うっさいぞー! ボケー! 殺すぞ、こらー!」 

 麦原の常とう句である。

 住人は麦原の声を無視して、何度もドアを叩く。その間、他の住人達が何事かと、ぞろぞろと出てきた。

 ハンマーを持った住人は、構わずドアを叩き続ける。続々と他の住人が麦原の家のドアの前に集まる。

 耐えかねた麦原が、ドアを開けた。

「誰やねん、こら、うっさいガキやなぁ! ホンマにー!!」

 ハンマーを持った住人は僅かに開いたドアを持つと強引に開けた。麦原は頭に血が上ってチェーンをしていなかったようだ。


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